“ラオス―ベトナム女性実業家セミナー”にベトナム経営塾修了生が参加 〜ラオス日本センターとベトナム日本センターの協力でセミナーが実現〜

2017年3月22日

  引原大使による冒頭のご挨拶

 ラオス国立大学プット副学長も会場に駆けつけていただきました

 

 2017年2月17日(金)、ラオスのビエンチャンにて、“ラオス―ベトナム女性実業家セミナー”が開催されました。これは、現在成功している女性実業家の経験共有と、地域間の女性実業家の協力関係の構築を目的として、ラオス日本人材開発センター(LJI)が主催したものです。
 


 セミナー冒頭、引原在ラオス日本大使から、「女性の活躍を促進することは国の発展に繋がる。アセアンの市場が益々厳しさを増す中、女性の力を充分に活用することには、その国の発展がかかっている。」と挨拶がありました。

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   お集まりいただいた来賓の方々との記念撮影

素敵な笑顔とユーモアを交えお話ししてくれたHuongさん

 ベトナムで活躍する女性実業家として招待されたのが、ホテルのアメニティーを製造する会社”Vietphuc JSC”を経営するNguyen Thi Lan Huongさん。Huongさんは、ベトナム日本人材協力センター(VJCC)で、2009年から始まった経営塾(経営者・企業幹部育成のための実践的な研修コース)の第1期生です。
 Huongさんは44歳。大学で「生物学」を学び、修士も取りました。その後、会社勤めを経て、アメニティーグッズのニーズの高まりに目をつけ2006年に会社を設立。当時は、ビジネスとは、ただ単に収入から支出を引いたシンプルなものだと思っていたそうです。ビジネスプランもなくスタートしたそうですが、ビジネスは順調に推移。しかし、2008年から2009年の経済危機で、需要は激減し、倒産の危機に陥ったといいます。夜も眠れない日が続く中、経営塾第1期生募集の案内を目にして応募。経営について学び始めました。非常に役立ったのは、講師である日本人専門家から、問題を重要性によっていかに分類するかアドバイスをもらったこと。問題の発見と解決ができるようになったと言います。また、受講生間で他の企業の問題を共有することも大変参考になったとのことです。経営塾では3週間の日本研修に参加。カイゼンの実践を見学し、自社でも実施したところ、問題の解決に繋がりました。今でもカイゼンとイノベーションには重きをおいており、毎年年末には優秀な提案をした人に対して、ボーナスやプレゼントを提供しています。
 今までビジネスをしてきた中で、一番苦労したのは人材に関することで、特に中間管理職に関しては、多くの給料を払っても問題解決に取り組まないどころか、離職して同じビジネスを始めたこともあったとか。しかし、経営塾で学んでから、問題は離職して行った人にあるのではなく、全て自分の中にあると気づいたとのこと。今ビジネスとは、“人を扱う総合科学”であるとHuongさんは言います。現在の人材管理の方針としては、誰が辞めても困らないような体制を構築しつつ、上司の役割として部下の育成を義務づけているとのことです。

 今会社経営で実践していることは、ほとんどが経営塾で学んだことだそう。「私がビジネスをするのは、松下幸之助と同じ。お金をたくさん儲けて、そのお金で好きなこともするし、社会貢献もしたい。」と語るHuongさんの次の目標は農業。有機野菜の栽培です。今までの苦労とこれからの夢をにこやかに語るHuongさんは最後に、「今日、参加者の中に多くの女性を見て、ラオス今後の発展を確信した。ラオスの女性に支援を惜しまないので、何かあったらコンタクトしてほしい。また、是非ベトナムにも来て欲しい。個人的にも、会社としても、経営塾クラブ(経営塾の同窓会)としても歓迎する。」と語り、参加者から大きな拍手を浴びていました。

LJI MBAの同窓会会長も務めるSifrongさんの講演

 ラオス側の代表として発表したのは、縫製会社”Daosavanh Garment Co., LTD.”を経営するSifrong Thavixayさん、35歳です。Sifrong さんは、LJIのMBAコースの第5期生で、同コース同窓会の会長も務めています。
 こちらもHuongさん同様に、大学では全く畑違いの「政治学」を学んだSifrongさんでしたが、大学卒業後、家業を手伝っている際に、景品としてTシャツを入手する必要が生じ、縫製会社に作成を依頼したものの、国内向けには作れないと数か所の工場をたらい回しにされました。ならば、自分で作ろうと2006年に、縫製工場を立ち上げたとのことです。もともとラオスには、輸出向けの縫製工場はあったのですが、国内市場向けにはなかったとのことで、そこに目をつけての起業でした。
 経営の知識も縫製の知識もなくビジネスをスタートしたので、2007年から現在まで、LJIが実施するMBAを修了しただけでなく、マーケティングや生産管理等の短期研修に30回以上参加しているとのこと。非常に勉強熱心な面がうかがえることから、日本から派遣されるビジネスコース講師の方々からのSifrongさんへの期待も大きく、応援・指導が続けられています。
 顧客の満足度と製品の品質に価値を置き、今や顧客の企業は95社を数えます。2014年には、LJI主催のビジネスプランコンテストで最優秀賞を獲得し、ただ一人実際に銀行からの融資を得ることに成功。日系の銀行から700,000USD(約1億円)が融資されました。
 現在のビジネス展開は、オーダーメイド服の縫製とラオス市場向けオリジナルブランド“DDコレクション”の制作です。このDDはDesign & Developmentの頭文字であると共にSifrongさんのお二人の愛娘の名前の頭文字でもあるとのこと、仕事と家庭の両立を感じさせます。売り上げでは、輸出が20%、国内が80%を占めています。
 現在のスタッフの数は450名。首都ビエンチャンでのスタッフの獲得が一番の課題とのことで、スタッフに対しては、研修・健康診断の実施やフレンドリーな環境づくりなど、働きやすい職場となるよう注力しているとのことでした。
 若くとも強い意志と落ち着きを感じさせるSifrongさんに、会場から大きな拍手が送られていました。

LJIブンルアン所長からセミナー終了のご挨拶

80名以上の方々においでいただきました

 

 
 最後にLJIのBounlouane所長が、「経験と学びによって、様々な困難を乗り越えて来た2人の発表者を尊敬する。」と、まさに会場からのメッセージを伝え、セミナーは終了しました。
 
 ビジネス経験の共有という意味でも、2つの日本センターが協力して実施したという意味でも非常に有意義なセミナーとなりました。
                                          

                                                
                                                       以上

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 セミナー成功を祝いVJCC・LJIスタッフ一同で記念撮影