VJCCがインスティテュートに格上げ〜日本式国際ビジネス学士課程が9月に発足〜

2017年4月19日

インスティテュート決定文書の授与

 ベトナム日本人材協力センター(VJCC)は、長年にわたる産業人材育成の実績が認められ、センターからインスティテュートに格上げされることとなりました。これを祝う式典が、2017年4月12日(水)、約120名の列席者を迎え盛大に執り行われました。これを機に、VJCCはベトナム日本人材開発インスティテュート(VJCCインスティテュート)に名称を変えるとともに、法人格を有し、独立採算制をとることとなりました。新しいインスティテュートの所長には、VJCCのヒエン所長が引き続き任命され、ハノイはリエン副所長に、ホーチミンはミン福所長にも任命書が手渡されました。

JICA産業開発・公共政策部 田中課長挨拶

 本式典には、JICA産業開発・公共政策部の田中課長も出席し、VJCCに対する今後の期待がのべられました。また、今後のベトナム企業を代表して経営塾クラブ会長のハイエン社社長ラン・アイン氏から、また日系企業を代表して、TOTOベトナム社取締役のドゥック・アイン氏からも祝辞をいただきました。
 インスティテュート化に伴う新しい事業として、本年9月から、「日本式国際ビジネス学士課程」の実施が既に決められており、修了者には、FTUの学位が授与されることとなります。

貿易大学 トゥアン学長 挨拶

 当日は上記式典に続き、本学士課程のプログラム構築セミナーが開催され、貿易大学の講師陣から、本プログラムの内容が発表されました。本学士課程は、今後も増加すると考えられる日系企業のベトナム進出を背景に構想されたもので、内容は、1.国際ビジネスの総合的知識、2.日本式経営、3.ベトナム文化の3つの柱で構成されています。単に日本式経営を学ぶのではなく、ベトナム人の強みと融合させ、国際ビジネスの知識のみならず実践力を持つ人材の育成を目指しています。卒業後は育成された人材が、日系企業やベトナム企業で大きな戦力となることが期待されています。

参加者の質問に答える貿易大学講師陣

 同セミナーにおいては、現地に進出している日系企業の声として、ベトナム日本商工会人材育成委員会の小林委員長から、「5Sや報・連・相といった基礎的なツールを、高学歴の人ほど軽視する傾向がある。」との指摘がありました。また、ベトナムの大学に対しては、「学生に対して就職相談をする仕組みを作ってはどうか。そうすることによって社会のニーズも見えてくる。」との提案がありました。
 
 セミナーの参加者からは、「ベトナムの学生は学んだ知識を実践する力がない」「日本の大学と単位の交換ができる仕組みを作るべき」「どうやって実践力をつけるのか」等、多くの意見・質問が出されました。VJCCインスティテュートではこれらの声を参考としつつ、9月の開講に向けて、充実したプログラムの構築に向けた準備が進められることになります。

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