VJCCインスティチュートで“Job Fair 2017” 開催 〜第9回日系企業と学生・帰国留学生等との交流会〜

　2017年6月4日（日）、ベトナム日本人材開発インスティチュート（VJCCインスティチュート）において、「日系企業と学生・帰国留学生等との交流会（Job Fair 2017）」が開催されました。同交流会は、日系企業と日系企業への就職を目指し日本語を学習する学生等を繋ぐイベントで、今年で9回目を迎えます。学生や帰国留学生を対象に、日系企業ならではの「人材育成」および人事制度、日系企業で働く意味や魅力などの就職に関する情報提供を行う場として活用されています。当日は、外は40度を超す猛暑の中、約115人の来場がありました。

　近年、ベトナム進出を盛んに行う日系企業にとって、優秀なベトナム人の人材の獲得が重要視されるなか、今年は 11社（I-GLOCAL Co., Ltd.、NICHIRIN Vietnam Co., Ltd.、 TERUMO Vietnam Co., Ltd.、 FUJITA Jst.、 HAL Vietnam Co.,Ltd、RICOH Imaging Products Vietnam Co., Ltd.、G.A Consultants Vietnam Co.,Ltd.、 OBAYASHI Vietnam Corporation、 PANASONIC Vietnam Group.、AUREOLE EXPERT INTEGRATORS INC.、DENSO Manufacturing Vietnam Co., Ltd）の日系企業が参加しました。

　
　第一部では、VJCCインスティチュートのヒエン所長から「現在、日本とベトナムは友好かつ戦略的なパートナーシップの関係にあり、特に経済、教育、文化の分野における交流が盛んに行われています。そのような中で、日系企業への就職を目指す方々は日本語だけでなく、日本のビジネス文化を学ぶことも重要です。本日のJob Fair 2017に参加した学生たちがよい仕事に出会えること、参加いただいた日系企業がよい人材を確保できることを期待しております。」と挨拶がありました。
　
　ご来賓のJICAベトナム事務所の松下企画調査員からは、「日本からベトナムへの投資および進出日系企業数は年々増加しています。これからのベトナムの産業を担うのは人材です。このような日系企業とのマッチングの機会を生かし、学生の皆さんが適切な職場に出会えることを祈念しております。」とご挨拶を頂きました。

　
　次に、特別講演として、学校法人大原学園・株式会社大原キャリアスタッフの木口部長から、「長期的人材育成を行う日系企業が求める人材の能力はこれだ！」というタイトルでお話をいただきました。
　木口部長は、日系企業が求める人材の潜在的な能力として、（1）チャレンジ能力、（2）コミュニケーション能力、（3）リーダーシップ能力、（4）自律的行動力、（5）チームワーク力の5つを挙げました。とりわけ日系企業は、自社の経営理念（組織の目的）を理解したうえで、各社員が自分でしっかり考えて行動することのできるという意味での「チームワーク力」を発揮できる人材を求めていると語りました。
　その一方で、企業風土や経営理念に関するベトナム人学生の理解不足、および、日系企業側の情報発信が不十分であることから、日系企業とベトナム人学生のマッチング状況は決して理想的とは言えない現状もあると説明。
　最後に、木口部長は「皆さんが日系企業に就職する際は、企業が求めている方向（＝経営理念）を理解したうえで、 “経営理念”と“自分の働く目的”が一致することを企業側にしっかりアピールしてほしい。」と参加したベトナム人学生にアドバイスを送りました。

　第二部では、参加企業による「個別相談会」が行われました。参加したベトナム人学生は、それぞれ関心のある日系企業のブースに分かれて、真剣な面持ちで担当者の話に耳を傾け、時には自ら積極的に質問する様子も見受けられました。
　
　また、前回に引き続き、各企業のブースとは別に、個別のインタビューコーナーを設け、学生が企業の担当者に疑問に思っていることを質問したり、自己アピールをすることを通して、日系企業と学生がより深く関わることができる場としてご活用いただきました。
　
　さらに、初めての試みとして、株式会社大原キャリアスタッフによる「就職相談ブース」も設けられ、キャリア形成アドバイザーによるエントリーシートの添削指導や将来のキャリアに関するアドバイスに熱心に聞き入る学生たちの姿が印象的でした。

　今回参加したベトナム人学生の一人は、「私はまだ大学3年生ですが、日系企業の方々と直接話すことができてよかったです。早いうちから、日系企業の企業文化や求める人物像を理解することができたのは大きな収穫でした。」と笑顔で語りました。
　参加した日系企業およびベトナム人学生が直接交流することを通して、日系企業への就職に関する双方のニーズの理解を深めることができたという点で、実りの多い交流会になりました。