ラオス-日本女性企業家セミナー開催

2017年8月17日

引原大使による冒頭のご挨拶

NUOLソムシー学長も会場に駆けつけていただきました

来賓を代表しラオス商工会議所バリー副会頭からもご挨拶いただきました

 2017年8月9日(水)、ラオス国ビエンチャン市にて「ラオス-日本女性企業家セミナー」が開催されました。このセミナーは現在成功している女性企業家の経験の共有と、地域間の女性実業家の協力関係構築を目的として、ラオス日本人材開発センター(LJI)が主催しているものですが、2017年2月にベトナムから女性企業家をお招きしての実施が実現してから、今回は第2回目となります。

 セミナー開始の冒頭には、在ラオス日本国大使館から引原大使、ラオス国立大学からソムシー学長、そしてラオス商工会議所副会頭のバリー女史から、「女性のエンパワーメントは国連の持続可能な開発目標の一つに掲げられていること」「ジェンダー格差の解消はASEANにおいても取り組むべき課題であること」また、「ASEAN共同体ロードマップ2009-2015においても、地域として取り組むべき重点項目として支援が掲げられていること」などを例に挙げ、地域における女性のスキル向上への投資や女性起業家進出の大切さをお伝えいただきました。

 今回日本から講師としてお越しいただいた楠佳英(くすのきかえ)さんは、2015年に代表取締役兼デザイナーとして、編み物ハンドバックブランド「株式会社ビヨンドザリーフ」を設立。「社会の一員としてもう一度生きる喜びを感じて欲しい」という願いを込めて行っている事業は、地域への貢献を主とするNGO活動的な役割と年間売り上げ3,500万円を超すビジネスとしての役割の両面を併せ持ち、この様なこれまでに無かった独自の視点は、2016年12月かわさき起業家大賞、2017年2月横浜ビジネスグランプリ女性起業家大賞を受賞するなど、注目度の高い企業へと成長しています。

楠さんによるプレゼンは通訳のジョイさんと共に行いました

80席準備した会場は、ほぼ満員となりました

ナリーさんによるプレゼンは終始ラオス語で行っていただきました

 
 ラオス側の代表として発表していただいたのは、こちらも「ラオスのシン(伝統的な巻きスカート)を着た女性に映えるバッグ」をコンセプトに、国内初のバッグブランド会社を設立したNaree社を経営するマノティップさんです。
 マノティップさんは、2010年フランスのリヨン大学にてビジネスマーケティングを学び、その後2011年からラオス最大手銀行のBCELに勤務しマーケティング部門を担当されていましたが、2012年に開催された世界銀行主催の若手起業家ビジネスコンテストでの入賞を機に独立し2014年にNaree社を設立しました。会社設立後から現在に至るまでの間に経験されてきたラオス国内ならではの具体的な苦労話を例に挙げお話いただきました。

 会場にお集まりいただいた来場者の皆さん、特に起業を志す方々にとってお二人のお話しは非常に興味深い内容であった様で、発表終了後は販売戦略について、資金調達について、従業員の働くモチベーションの維持について、原材料の入手先について等々多くの質問の手が上がり、一つ一つの質問に時間が超過してもなお丁寧に応えていただく発表者の姿がありました。
 
 セミナー終了にあたってはJICAラオス事務所米山所長より閉会の挨拶をいただき幕を閉じましたが、終了後の懇親会の場において来場者からは今後もこの様なセミナーを継続して実施して欲しいとの要望を聞くことが出来るなど、今回のセミナーが成功裡に終了した手応えを十分に感じるものとなりました。

 最後になりますが、同じファッション界で活躍する日本とラオスの女性企業家の偶然の出会いが今後のお二人の事業の発展に繋がると共に、来場していただいた方々に取っても起業への大きなきっかけとなっていただくことを祈念し報告を終了いたします。

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