VJCC(ハノイ)経営塾クラブ「第22回ビジネスフォローアップセミナー」を開催~従業員が一番の財産~

2018年1月19日

 2017年12月2日(土)、ハノイ経営塾クラブが主催する「第22回ビジネスフォローアップセミナー」が行われました。

 経営塾クラブとは、経営塾を修了したOG・OBからなる組織です。その活動の一環である「ビジネスフォローアップセミナー(以下BFS)」は経営塾で日本式ものづくりや経営を学んだ企業が会場となり、講師やOG・OB、現役の塾生らが実際に生産工場を見学し、意見交換や経営塾に関する情報共有を通じて学びを深める場です。

タム社長

 
 今回のBFSは第9期経営塾のメンバーであるグェン ティ ミン タム社長が経営するViet Duc - Hung Yenプラスチック株式会社の生産工場を訪問しました。
 
 Viet Duc - Hung Yenプラスチック株式会社は2011年に設立され、主にプラスチックビニール袋を生産し、日本へ輸出している会社です。顧客の多くが日本企業だという同社のビニール袋はコンビニやスーパー等で使用されています。現在はベトナム国内に8工場を持つ従業員165人の会社ですが、2021年までにゴム手袋とスーパー等で見かけるロール状のビニール袋を生産する工場を2つ増やす予定です。

 

工場見学の様子

 同社ではタム社長だけでなく、CEOである弟さんも経営塾第9期生として学んでいます。そして今回のBFSを会社のさらなる発展に役立てるため、厳しい意見も全て真摯に受け止めて実行していきたいと語る姿からは、講師や経営塾クラブへの信頼の強さがうかがわれます。

 会社説明では、タム社長が「まずはベトナム、次にアジアで著名な会社になりたい」と述べ、そのためには顧客満足だけでなく「従業員が一番大切な財産」と考えており、この会社で働いていて幸せと感じてくれるような会社を目指したいと熱く語りかけました。また、同社は品質だけでなく、環境基準を満たした製品づくりを目指しており、2017年9月にはベトナムの環境局にエコ商品として表彰されています。
 
 その後は生産現場の見学、講師による現場指導が行われました。見学後の塾生同士の意見交換では、「従業員による手作業の工程が多く、従業員は一番重要な財産ということは分かるが、やはり自動化機械を取り入れて生産するべき」など多くのコメントが寄せられました。

コメントする平田講師

 長年「日本式ものづくり」や「生産工程のムダ取り」「ヒューマンエラー防止」について指導している平田康浩講師は、工場内の機械管理に関して早急にメンテナンスが必要であること、そして実施中の5S活動の改善点について、工場見学の際に撮影した写真や映像を見せながら指摘し、加えて「何がムダか理解できてないと改善できない」「従業員の勘で作業するのではなく数値化できるものは全て数値化すること、改善の精度を上げるには、作業をビデオに撮ってパソコンで繰り返し見ながら検討すると良い」とアドバイスしました。

コメントする清水講師

 同じく同科目や「生産管理」などについて指導している清水剛講師は安全対策についてアドバイスを行いました。清水講師は「人間は80%が無意識の行動、残りの20%が意識的な行動であるため、KYT(危険・予知・Training)活動を徹底し、トレーニングを繰り返すことで80%の無意識に訴えかける必要がある」と述べ、従業員への継続的な安全管理対策を訴えました。


 最後にタム社長は「今回のBFSで多くの指摘を頂けたことに感謝し、一年後に先生方が工場を訪れた際に見違えるほどの改善を行っている工場にする」と笑顔で語り、参加者から大きな拍手が送られました。

【画像】

Viet Duc - Hung Yenプラスチック株式会社生産工場前での記念撮影