「第2回自律型人材開発のポイントを学ぶ~日本企業が今求める品質管理教育とは~」開催~VJCCインスティチュートがAXIS社に協力~

2018年6月25日

 2018年5月9日(水)、ベトナム日本人材開発インスティチュート(VJCCインスティチュート、以下VJCC)にて、Aureole Expert Integrators Inc.(以下AXIS社)主催の「第2回自律型人材開発のポイントを学ぶ~日本企業が今求める品質管理教育とは~」が開催されました。AXIS社は、ベトナムに24年前から進出して幅広く事業を展開する日本企業の三谷産業株式会社のベトナム子会社です。三谷産業グループは、2015年からベトナムの人材育成における課題をテーマにした活動に取り組んできています。その経験から、ベトナム人の産業人材育成において日本型の品質管理教育が有用であると判断し、ランスタッド株式会社EAP総研の協力を得てベトナムにおいて活動の輪を広げています。

心をイメージした表題

 この講演は昨年12月14日に第1 回目が行われており、その反響を受け第2回目の開催に至りました。本講演では、ランスタッド株式会社EAP総研所長の川西由美子氏が講師を務め、「リチーミング(reteaming、前向きな解決志向へ組織の意識改革を進めることにより、人材の再活性化やチームワークの強化を促すプログラム)」に関する知識などを共有しました。VJCCが実施に協力した背景として、経営塾等で学んだ企業経営者からの要望があります。「自社の人材育成を図るためリチーミングという手法や自立型人材を開発する考え方はとても役立つ可能性がある」といった意見を受け、VJCCのネットワークで集客を行い、当日、会場には101人の企業関係者が訪れ、いかにしてチームをまとめていくか、真に求められているマネジメントとは何かを学びました。

川西 由美子講師

 川西講師は、古いマネジメントでは人は育たないということ、また経営ではストレスをマネジメントし、さらに自分で考え行動することが出来る“自律型人材”の育成が大事であることを自身の体験を通して伝えました。また良い会社は全員が知識を共有しているのに対して、悪い会社は一人が情報を持ち続けてしまっていることなどを自分が育てたマネージャーの実例を元に紹介していました。

 講演は講師による一方的なものではなく、参加者への質問の投げかけやグループディスカッションのほか、チームワークの重要性を伝えるために、実際にいくつかのアクティビティが行われました。その中で、初めて会った人同士で決められた場所へとフラフープを運ぶという演習では、人数が増えれば増えるほど難易度が増し、課題の難しさを体験しました。同演習を通して、一人のリーダーが一方的にルールを作るのではなく、メンバー全員で話し合ってルールを作ることや、チームを構成する人の名前を覚えることの大切さなどを学びました。

グループディスカッションの様子

 5時間に渡る講演のまとめとして、川西講師は「資源のない日本が経済大国になったのは、知恵を出し合い、話し合いを行ったから。しかし、成長を遂げた日本は本来の目的を忘れ、ただ仕事をするだけになってしまっており、急成長をしているベトナムにもその兆候がみられる。経済の発展期だからこそ、人の心をつかむことが大事だと、私は信じている。」と述べ、参加者から盛大な拍手が送られました。
 
 この講義に参加した女性は「とても役に立つ知識が得られた。人材に関して行われる講義はあまりないので、非常に関心のあるトピックだった。また、先生の教え方が非常に魅力的だった。」と語っていました。

 急速な勢いで発展を続けるベトナムにおいて、社内で生まれるであろう心の歪を直すために、今回の講義が役立てられることが期待されています。次回は同年12月に開催予定です。(川西講師による同講義は、同年7月にホーチミンでも開催を予定しています。)

【画像】

会場が大いに盛り上がったプラフープを用いた演習の様子