VJCCインスティチュート(ハノイ)経営塾クラブ「第26回ビジネスフォローアップセミナー」を開催~日本企業とのビジネス経験を聞く~

2018年6月27日

真剣に講義を聞く受講生

 2018年6月9日(土)、ベトナム経営塾クラブが主催する「第26回ビジネスフォローアップセミナー」が行われました。
 経営塾クラブとは、ベトナム日本人材開発インスティチュート(VJCCインスティチュート)が実施している経営塾を修了したOG・OBからなる組織です。その活動の一環である「ビジネスフォローアップセミナー(以下BFS)」は通常、経営塾で日本式ものづくりや経営を学んだ企業が会場となり、講師やOG・OB、現役の塾生らが実際に生産工場を見学し、意見交換や経営塾に関する情報共有を通じて学びを深める場で、今回で26回目となります。

 今回のBFSはVJCCインスティチュートで開催され、まず経営塾で講師をされている杉浦直樹JICA専門家から日本企業とマッチングをする際の留意点をご教示いただきました。

杉浦直樹専門家

 
 杉浦専門家は「時間とお金に鈍感な企業は相手にしてもらえません。マッチングは名刺交換の場であり、すぐに契約を結ぼうとするような売り込みを日本企業は好みません。皆さんは彼らから信頼を得ることが何よりも大切です。そのためには5分という短い時間で各社の強みを簡潔に伝え、情報提供をすることが必要になります。」と話し、ビジネス成約にむけた関係作り、特にそのプロセスが大事であることを受講者に話しました。

Minh副社長

 
 次に、GMO RunsystemのMinh副社長とNhat MinhのHieu副社長から、実際に日本企業と取引をする上で、気をつけていることや重要なポイントについてのプレゼンテーションがありました。ソフトウェアやインターネットサービスを通じて日本企業と仕事をしているMinh副社長は「日本企業とお付き合いするには、品質と納期を守ることが必須です。ベトナムでは終わりよければすべてよしかもしれませんが、日本はプロセスも大事にされますので、注意が必要です。日本企業は信頼を得るまでは大変ですが、それを経てお付き合いが始まると決して裏切ることがありません。」と自らの経験を話しました。

Hieu副社長

 
 電子機器の部品を製造しているHieu副社長は「報告の回数が日本の企業は多いです。しかし、それは品質を維持し、計画をしっかりと練ることにつながっています。品質が低下すると教育指導が入るなど、日本の企業はとても厳しく、徹底的な管理を行っています。私の会社はその厳しいクリア条件を満たし、信頼を得ていることを誇りに思います。」と当事者でありながら、客観的な見方からの意見を述べていました。

 その後は講師やゲストに対して質問が寄せられ、その中でも特に関心を集めていたのは、杉浦専門家が「日本の企業はどこをみているか」を語ったところでした。見られるポイントは5つ(玄関、トイレ、倉庫、従業員の歩く早さ、従業員の声と表情)であり、それぞれに詳しく理由を述べ、受講者が懸命にメモを取る様子も伺えました。

 すでに本邦研修を終えた経営塾生には良い復習に、これから本邦研修を迎える経営塾生には良い予習になるBFSとなりました。

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集合写真