2018年7月19日
2018年6月21日(木)、経営塾第11期生が、第2週目の講義「経営戦略Ⅰ(理論編)」の中で、TOTO Vietnamに企業訪問をしました。
経営塾はベトナム日本人材開発インスティチュート(VJCCインスティチュート、以下VJCC)が企業の経営者向けに提供しているプログラムです。10か月にわたり、受講生たちはJICA専門家を講師に日本式経営を学び、今後ベトナム産業界のリーダーとなるべく日々努力を重ねています。
TOTOは今年、101周年を迎える日本の会社で、主に水回りの住宅設備機器を始め、福祉機器、セラミックや環境建材などを取り扱っている会社です。TOTO Vietnamは2002年に設立され、現在は第3工場の建設まで行われています。当初300人であった従業員が現在は4000人にまで増えているそうです。
今回の訪問では、まずTOTO VietnamのAnh経営資源管理部長から会社の説明がありました。そこでは、社員(人材)の大切さが訴えられ、TOTO Vietnamでの取り組みが語られました。例えば、安全で良い昼食をいかに従業員に提供するか、遠方から働きに来る従業員の住居をいかに確保するかというような経営者ならではの苦労が話され、受講生は真剣な様子で話しに聞き入っていました。
またCSRに関するお話では、ゴミ拾いや植林活動の他に、ベトナム人職員たちから出された活動として小学校の建設などを行っていることが話されました。ビデオを用いて実際の様子も提示され、受講生の中には「ぜひ自分もその活動に参加したい」という人もいました。
説明の後は工場の見学を行い、一通りの見学を終えて、質疑の時間が取られました。その際受講生からは、経営塾で学習したことを盛り込み、「システムのマネジメントはどのようにしているのか?」「人に依存した工程があるが、ヒューマンエラーはないのか?」と言った質問が寄せられました。見学の際に機械の使用が少なかったという気付きから「機械化の進んだ、スマートな工場とは言えのではないか?」という受講生の質問に対しては「我々もそのように考えており、現在立案中である。」という返答が企業から出てくるなど、第1週目の企業訪問よりも踏み込んだ質問が見られました。
企業訪問の最後に今回の講師である河口真一郎JICA専門家からコメントがあり、その中で同講師は「今回の見学は非常に有意義なものになった。CSRなどの良い例もたくさんあった。従業員の確保は日本でも重要であり、従業員の満足が顧客の満足にもつながる。それが社会への貢献や企業文化の発達につながっていることを学ぶことができたのではないだろうか。」と述べました。
企業は自らの成長だけではなく、社会の発展のために何を考えなければならないのか。そのことを考える機会を得た企業訪問になりました。