第3回「女性起業家セミナー」を開催

2018年9月18日

会場には約90人の参加者が集まりました  

引原在ラオス日本国大使から冒頭のご挨拶をいただきました

懇親会では参加者同士活発な意見交換がなされました

 
 
 2018年8月15日(水)に、ラオス国ビエンチャン市で第3回「女性起業家セミナー」が開催されました。このセミナーは、現在活躍している女性起業家の経験の共有と、地域間の協力関係構築を目指し、ラオス日本人材開発センター(LJI)の主催で実施されています。2017年2月に開催した第1回を皮切りに、今回で3回目の開催となりました。第2回からは日本より講師をお呼びし、日本の女性起業家の経験が国境を越えラオスで発揮されています。
 

 セミナー冒頭ではラオス国立大学ソムシー学長から、本セミナーは日本からの経験を共有するとともに参加する起業家間の交流を促すプラットフォームとして非常に重要な働きをしている、と述べられました。実際に今回、参加者間で新たなビジネスについて相談する様子も見られ、本セミナーが着実に起業家の活動を盛り上げる場として機能している様子がうかがえました。

 
 今回は日本から岩下晃子(いわしたあきこ)さん、ラオスからはDalounny Douangpaseuthさんの2名をお招きしました。

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講演をする岩下さん

講演をするDalounnyさん

会場からは活発に質問も飛び交いました

笑顔がセミナーの成功を語る、ブンルワンLJI所長から閉会の挨拶

 
 岩下さんは、2015年に合同会社リルワールドを設立し、現在は代表として活躍されています。外国人のインバウンドが増加する中、レストランでの外国人受け入れ支援サービス「タベルコト」を軸に事業を展開し、2017年のかわさき起業家オーディションではかわさき起業家賞、日本起業家協会賞、会場応援賞を受賞されるなど、活躍の場を広げています。旅行会社時代に「レストランを選べない」という外国人の声をよく耳にした経験から、外国人の受け入れ態勢が不足しているレストランの現状に気づき事業をスタートした経緯や、レストラン単体へのサービスに始まり地域全体で外国人受け入れ体制を作るサービスへと事業を拡大する様子などが語られました。イメージしやすい話を軸に鍵となる考えが随所に盛り込まれた話に、来場者も目を輝かせながら聞き入っていました。


 もう一人の登壇者であるDalounnyさんは、ラオスで観光農園Phutawen Farmを経営しています。当初は有機農法を地域に広めるモデル農園として事業を始めたものの、周囲の農家に有機農法を学ぶインセンティブを提供できず失敗した話や、失敗を受け、アグロツーリズムの考えを取り入れて消費者と地域の生産者をつなぐ場として農園を位置づけ、現在は生産から加工まで大きく事業を展開するに至った話がなされました。失敗を元に改善し、成功するに至ったサクセスストーリーは多くの参加者の心を鼓舞した様子でした。


 セミナーの最後には、JICAラオス事務所の米山所長より挨拶があり、これからのJICAは政府だけでなく民間セクターも支援していくことが重要であることや、事業の成功にはInspire, Interaction, Innovationの3つのI(アイ)が重要であるとの話がありました。このセミナーを通し、日本やラオスで活躍する起業家からの知見を得てInspireされ、Inspireされたアイデアをぶつけて参加者同士でInteractionし、そして新たなInnovationが産まれていくことを後押しできればと思います。第4回以降の開催報告も楽しみにお待ちください。

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ブンルワンLJI所長、鈴木チーフアドバイザーと登壇者のお二方への記念品贈呈