ウズベキスタン日本センター・オープンビジネスフォーラム2018を開催

2018年9月28日

UJC高田共同所長のキー・ノート・アドレス。イノベーションとは何かという問いかけから、日本とのビジネスを通じたイノベーションへの期待を呼び掛ける。

 
 ウズベキスタン日本センター(UJC)では、9月25日、オープンビジネスフォーラム2018を開催しました。同フォーラムは、UJCのビジネスコース修了者を対象に、UJC、修了者間の関係強化や経営に関する知識の更新、さらには日本企業との取引・提携の促進などを目的として、毎年、恒例として開いているものです。「イノベーションと経営」をテーマとして掲げた今年のフォーラムには、115人の参加がありました。 

 ウズベキスタンでは、現在、ミルジョエフ大統領による「2018年は、起業活動とイノーベーション(革新的なアイデアや技術)の年」との掛け声のもと、積極的な経済改革が進められており、イノベーションはキーワードとなっています。こうしたなか、今年のフォーラムでは、新しい時代を切り開く経営をどのように進めていくかについて、UJCの日本人講師、ビジネスコースを修了した企業経営者から発表が行われました。 

藤田講師は、10年以上にわたり、ビジネスコース受講者と向き合ってきた。最近のウズベキスタンの急速な経済・社会の変化を挙げ、これに対応した企業経営ビジョンと戦略が必要と話す。

タシケント市内の大規模開発事業にも携わるムラッド・ナザーロフ氏は、ウズベキスタンで、現在、最も注目されるジネスマンの一人。ビジネスコース—Professional ManagementProgram初期の修了者でもある。

 UJCのビジネスコースで10年以上にわたりマーケティング分野の講義を担当する藤田講師からは、「社会・経済が急速に変わりつつあるウズベキスタンでは、新しい時代の顧客ニーズをつかみ、これにあった企業の経営ビジョン・戦略を描き、事業を行うことが不可欠」とのメッセージが参加者に送られました。また、生産管理分野を指導する玉田講師からは、「イノベーションもカイゼンもナレッジマネージメントが鍵」との発表がありました。

 これに続き、今回のフォーラムのテーマにふさわしい企業を経営する3人のビジネスコース修了者が登壇。現在、ウズベキスタンで最も注目されているビジネスマンの一人であるMurad Buildings(不動産デベロッパー)のナザーロフ社長は、「経営マネージメントの原点は、ビジョンである」と自らの思いを語りました。また、タシケント市内でタクシー配車サービスアプリのMY TAXIなどが人気のIT企業、NEWMAXパイジエフ社長は、「なぜビジネスにイノベーションが求められているのか」という考察を発表。ジャムなどの食品製造会社SAMO Productsのダダホジャーエフ社長からは、日本への研修旅行中に食べたゼリーの味が気に入り、材料のこんにゃく粉や真空包装のできる食品包装機を日本から輸入、果実入りのJAPAN JELLYを開発・販売したことを例に、幕張メッセでのFOODEX出展の経験なども含め、日本の製品、製法などを取り入れることで、新たな商品展開を図った経験が話されました。

 また、ゲストスピーカーとして登壇のJETROタシケント事務所 下社所長からは、日本で行われる産業展やJETROの行う日本とのビジネスマッチング事業について紹介のうえ、新たなビジネス展開のきっかけとして、こうした機会を積極的に活用することもご提案いただきました。

 イノベーションは、日本でも、経済再興や社会的課題への対応のキーワードとなっていますが、ウズベキスタンでは、新しい時代の到来への、希望に満ちた文脈のなかでイノベーションが語られています。本フォーラムも、参加したビジネスパーソンの熱気にあふれたものとなりました。