第27回ビジネスフォローアップセミナー開催~経営塾で学んだ知識の応用と実践~

2018年10月29日

 2018年10月6日(土)、経営塾の修了生より構成されているベトナム経営塾クラブとVJCCの共催により、「ビジネスフォローアップセミナー(以下BFS)」が行われました。BFSとは、修了生の工場を、現役の塾生や修了生が経営塾の講師や専門家と共に視察し、意見交換・情報共有を通じて経営に対する学びを深める場です。

VINAHASAにて記念撮影

 今回のBFSは、第3期修了生のハン社長が1994年に設立したVINAHASA社で開催され、戸田講師や梅沢総括、JICAやJETROの専門家、Hien所長をはじめとするVJCCハノイのスタッフ、経営塾クラブのチャン会長を筆頭に75名もの修了生・現役生が一堂に会しました。同社は家族経営で、ステンレス鋼を原材料としてキッチン用品などの幅広い商品を機械製造・販売している会社で、国内だけでなく、タイなど国外にも進出しています。ハン社長は「どんなに困難なことでも継続して勉強することが大事」ということを信条とし、経営塾で学んだ5Sや改善を導入してきました。しかし、人材育成やマネージメント、中国製と価格面での競争力の無さなどの課題も抱えています。

在庫管理の一部。経営塾で学んだことが活かされている

戸田講師の教えを実践し継続する、という決意を込めて命名された“TODA”商品の前で記念撮影をする戸田講師と副社長

 工場視察では、過不足が出ないように工夫された在庫管理や5Sにより改善された様子を確認できました。参加者は案内を務める副社長の説明を一生懸命メモに取りつつ管理の状態を写真に収めたり、疑問点を質問したりする姿が見られました。講師や専門家による現場指導も行われ、機械の配置や、従業員との信頼関係の築き方まで幅広い助言がなされていました。

 現場視察後は、意見交換が行われ、修了生や現役生から「もっとデザインに力を入れた新しい設計をすべき」など熱意のこもったコメントが寄せられました。最後に戸田講師の総評では、同社の2Sや販売意欲の不足を指摘し、これからの時代は三現主義をベースとした経営とITなどの新しい施策が必要になることが説かれました。さらに、「変化はチャンスで、変化にうまく対応して活かすことができた会社が生き残る。」など、力強い激励・助言がなされ、ハン社長が大きくうなずく様子も見られました。

 今回のBFSを経て、修了生も現役生も、学んだことや気づいたことをそれぞれが自分の会社経営に活かしていくことが期待されます。