ウズベキスタン日本留学フェア2018を開催

2018年11月15日

留学フェアで開会の挨拶をされる伊藤特命全権大使

 2018年11月5日、ウズベキスタン日本センター(UJC)は、名古屋大学ウズベキスタン事務所との共催で日本留学フェアを開催しました。今年は、共催である名古屋大学を始め、立命館アジア太平洋大学、名古屋経済大学、筑波大学、帝京大学、首都大学東京、和歌山大学、環太平洋大学、東京農工大学、南山大学のほか、理化学研究所北京事務所、日本学術振興会北京研究連絡センターの計10大学2機関がフェアに参加しました。

 平日の開催にもかかわらず、10時のオープニングに合わせ訪れた来場者で会場は瞬く間に人で溢れ、開会のアナウンスが聞き取れないほどの盛況ぶりでした。夕方5時の閉会までに、学生やその保護者など539名の方が会場を訪れ、各大学の発表に熱心に耳を傾ける姿や、たくさんの資料を片手に個別ブースで質問や相談を行う姿が見られました。

個別ブースで資料を手にスタッフに質問する来場者

 ウズベキスタン高等中等専門教育省を代表し、開会の挨拶をされた世界言語大学副学長で同大学付属言語教育イノベーションセンター所長のアジゾフ・ウルグベク氏は、ご自身も人材育成奨学計画(JDS)で筑波大への留学、修士課程を修了した経歴をお持ちであり、留学中の経験談を交え、学習環境の素晴らしさや充実した支援体制など、日本留学のメリットについて参加者に呼び掛けられました。
 
 今回の留学フェアの特徴としては、昨年の留学フェアで修士のプログラムに関し多くの質問が寄せられたことを踏まえ、各大学の発表を学士・修士と会場を2つに分けてそれぞれに特化した内容で実施したこと、また、本年10月に今回の参加大学である筑波大学が文部科学省の「日本留学海外拠点連携推進事業(ロシア・CIS 地域)」に採択されたことを受け、複数の大学の資料展示や配布、相談を受け付ける特設ブースが設置されたことがあげられます。

日本留学経験者による座談会

 ウズベキスタンでは、ここ数年、民間の語学学校や留学エージェントが次々にオープンしており、これまでは奨学金制度を利用した海外留学が主流であったのに対し、私費で外国の大学や語学学校に留学するケースが増えてきました。それと同時に、UJCにも日本の語学学校からの問い合わせや訪問が増え、留学の目的や手段、選択肢に多様性が出てきました。
 
 一方で、教育制度の変更による課題も顕在化しています。昨年、ウズベキスタンはこれまで12年としていた初等・中等教育期間を、11年の義務教育に定めました。その結果、日本の大学に入学するための資格要件である12年の教育課程修了に1年満たず、高校卒業後そのまま日本の大学に留学することが難しくなりました。一部の大学や語学学校では入学前の準備教育課程を設けたり、当該国の大学に1年以上在籍すれば入学資格とみなしたりする場合もありますが、費用面での負担増や一定の制約が生じることは避けられません。
 
 こうした背景においても、毎年500名を超える来場者の方が留学フェアに足を運んでくださるのは、それだけ多くの方が日本留学に高い関心を持ってくださっている表れでもあります。ウズベキスタンから日本に留学された方の中には、数は限られるものの、現在、ウズベキスタンの政治、経済、学術・文化の中心として活躍されている方もいらっしゃいます。留学生は将来の日本とウズベキスタンをつなぐ貴重な財産であるという認識のもと、関係機関の皆様の支援を頂きながら、UJCはこれからも日本留学に関する情報を発信してまいります。