北九州市長がVJCCを訪問

2019年5月17日

北橋市長(左)とヒエン所長(右)

 2019年5月13日、福岡県北九州市から北橋健治市長ら6名が、VJCC(ベトナム日本人材開発インスティチュート)を訪問されました。同市は、ベトナム北部に位置する湾岸都市・ハイフォン市と姉妹都市協定を結んでおり、水道分野での技術協力や市民文化交流など様々な交流・協力事業を行ってきました。今回、姉妹都市締結5周年を記念して、市長一行がハイフォン市を訪問されました。

 VJCCと北九州市は、ハイフォン市を通じて関係を強化してきました。その背景は、VJCCの看板事業である経営塾(※1)が、ハノイ(2009年に開始)及びホーチミン(2014年に開始)に続き、2016年からハイフォン市で開講されたことに由来します。経営塾では8か月目に日本研修が組まれ、過去二回、塾生約30名のベトナム人経営者が北九州市を訪問し、市長表敬を行っています。今月下旬には、ハイフォン第3期生が日本研修で北九州市を訪れ、市長表敬、市内企業の視察、また市内の中小企業とのビジネス商談会が予定されています。

会議室で行われた談義の様子

経営塾12期生を激励する北橋市長

 
 北橋市長は、北九州市での視察先としてTOTOや安川電機といった既にベトナムにも進出している同市のグローバル企業を紹介し、北九州市に来れば最新の展示館もあり、より具体的な体験ができると説明されました。また、現在、同市には約2,000名のベトナム人が住んでおり(うち約4割は留学生)、その数は12年連続で増加している点を踏まえ、両者は、ベトナム人の雇用が日本での少子高齢化に伴う人手不足に重要な役割を果たすこと、ベトナムでは社会人だけでなく学生の間でも日本式経営に興味を持つ人が増えていることなどを確認しました。
 またVJCCでは、2017年より日本式国際ビジネス学士課程(※2)を設置し、ベトナム人企業家に加え若手人材の育成にも取り組んでおり、年に一度Job Fairを開催し、日本の企業がベトナムで従業員を探す機会となっていることが説明されました。

 その後、市長はVJCCで行われている日本式国際ビジネス学士課程1年生の授業や経営塾ハノイ12期生の受講風景を見学され、学生達にエールを送られました。今回の談義をきっかけに、北九州市とVJCCとが更なる交流を深め、両者だけでなく日本の企業とベトナムの方々にとってもWin Winとなる関係を築いていくことが期待されています。

北橋市長を囲んで記念撮影

(※1)経営塾とは企業経営者・幹部を対象とした日本式経営の研修で、月5日間、9時から16時半まで6時間の授業及び実践を10か月にわたり実施するプログラム。「モノを作るまえにヒトを作れ」「会社は社会の公器たれ」という日本式の理念に基づく実践的プログラムが組まれ、これまで400社500名の卒塾生を輩出している。

(※2)日本式国際ビジネス学士課程とは、貿易大学の一学部として2017年9月にVJCC内に開設されたもの。授業はすべて英語で、関東学院大学や日系企業等の協力でビジネス計画を立案する教科など実践的プログラムが組まれている。現在85名の1年生及び70名の2年生が、国際的環境の中でビジネスを遂行する実践力の習得を目指し学業に励んでいる。