第5回「LJI女性起業家セミナー」開催

2019年7月18日

ラオス国立大学 ソムチャン副学長

 2019年6月26日(水)に、ラオス国ビエンチャン市で「女性起業家セミナー」が開催され、100名近い参加者をお迎えすることができました。このセミナーは、現在活躍している女性起業家の経験の共有と、地域間の協力関係構築を目指し、ラオス日本センター(LJI)の主催で実施されています。2017年2月に開催した第1回を皮切りに1年に2回開催されており、今回で通算5回目の開催となります。 
 セミナー冒頭では、ラオス国立大学ソムチャン副学長から、「この女性起業家セミナーは、すべての参加者に、ラオスと日本の事業展開についての交流と情報交換の場を提供し、ラオスと日本のさらなる協力を促す、重要なフォーラムの1つである」と期待を込めたメッセージを伝えていただきました。

在ラオス日本国大使館 久野公使

 
 そして、在ラオス日本国大使館久野公使から、「ジェンダー平等はSustainable Development Goals (SDGs)の5番目の目標に掲げられており、ラオスでも取り組むべき目標のひとつである。そして、今回のセミナーは女性がポテンシャルを活かして社会に進出するための良い機会となる。日本はラオスでの人材開発を今後も奨励していく」と激励の言葉を送っていただきました。

 セミナーには、他に、日本貿易振興機構(JETRO)岩上所長をはじめ、Lao National Chamber of Commerce and Industry (LNCCI)、Laos Development Bank (LDB)、Banking Institute等、様々な機関の方にお越しいただきました。
 また、今回の講演は日本から功能聡子(こうのうさとこ)さん、ラオスからスパポン スーナボンさんの2名をお招きし実施いたしました。

ブンルアン所長から記念品を受け取る功能さん

 功能さんは、2009年にARUNを設立し代表としてご活躍されています。ARUNは、途上国の社会起業家と日本の投資家をつなぐプラットフォームの構築を目指し活動しており、現在はカンボジア(5社)とインド(1社)の社会的企業に投資を行っています。講演では「Power for the Future」というテーマで、参集者同士が少人数で話し合う参加型の要素を取入れながら、社会的投資についてお話しいただきました。また、功能さんご自身の体験談から、モチベーションとビジョンの大切さを参加者に語りかけ、大きな共感を得ていました。

熱心に講演をするスパポンさん

 もう1人の登壇者であるスパポンさんは、ラオスで最初のインキュベーション事業(事業の創出や創業を支援するサービスや活動)を経営された方で、2014年3月に設立されたTOH-LAOの代表でもあります。TOH-LAOは現在30社以上の起業をサポートするなど、ラオスで実績のある会社です。今回は「Shaping Lao Economy by Thinking like a Startup」というテーマで、ラオスの物流・教育・農業などのセクターの現状と課題についての見解を述べた後、ラオスの新規事業(Startup)を参加者がイメージしやすいように具体例を挙げながら紹介してくださいました。

JICAラオス事務所 米山所長

 セミナーの最後には、JICAラオス事務所米山所長より挨拶があり、「ラオスのGlobal Gender Gap(世界男女格差指数)はかなり良く、男女格差が小さい国である。今後さらに女性起業家はラオス経済を牽引していくことができる」と女性の社会進出への期待を述べられ、また、「継続することが力になる。今後も女性起業家セミナーが開催されることを期待している。JICAとしても、今回のセミナーのような分野の異なる人々が交流する機会の提供をサポートしていく」と力強いメッセージをいただきました。

 終了後の懇親会でも講師と参加者が真剣に意見交換する姿があり、その中にはすでに起業されている女性も見られるなど、回を追うごとにセミナーの手応えを感じることができています。LJIとしては、今後も女性起業家セミナーを継続して開催するよう努めると共に、ラオスの女性の社会進出をサポートすることに尽力してまいります。

【画像】