VJCCが東洋大学理工学部と業務連携・協力に関する覚書の締結

2019年9月20日

 ベトナム日本人材開発インスティチュート(VJCC)は、2019年9月16日に、東洋大学理工学研究科(埼玉県川越市)と、業務連携・協力に関する覚書を締結しました。

覚書に署名し手にする東洋大学吉田善一理工学研究科長とVJCC ヒエン所長の様子

 東洋大学は、大学創始者でもある井上円了の思想「知徳兼全」を建学の精神として、海外の教育機関との連携に努めています。理工学研究科長及び井上円了研究センター長でもある吉田善一教授は、日本のものづくり哲学に則り、これからの学生に必要となる社会人としての基礎力と行動規範が身につく教材“Life in the Real World”を執筆され日本型ものづくり哲学を海外へ発信されています。

 他方、VJCCは2017年8月に日本式国際ビジネス学士課程(JIB: Japanese-style International Business Management ※)を設立し、日本式の経営理念、ものづくり精神を取り入れたカリキュラムを導入し学生の育成を始めました。この土台には、2001年から開始されたベトナム企業経営者向けの「経営塾」(※)の成功があり、VJCCが所属する貿易大学から経営塾のカリキュラムを活かし若い人材の育成にも取り組んでほしいという強い要望があり、JICAがこれに応え協力した背景があります。

署名する前の会議の様子

 両組織は、お互い、これらの活動に高い関心を示し、今後の相互の発展にとって協力関係を強化することに高い可能性を認め、今回の覚書締結に至りました。同覚書に基づき、2019年9月18日にVJCCで開催された国際会議「 Enhancing Business Development between Vietnam and Japan」に吉田教授が参加し論文発表をされました。また2020年3月には同教授による「Japanese-style Production system MONOZUKURI」の講義がJIB3年生に対して実施されます。また、さらに両機関の教職員および学生による調査・研究のための交流や共同研究プロジェクトの実施も行われる予定です。

(※1)JIBとは、貿易大学の一学部として2017年9月にVJCC内に開設されたもので、現在1年生84名、2年生83名及び3年生62名(留学中は外数)が在籍しています。国際ビジネスの総合的知識、日本式経営、ベトナム文化の3つの軸で構成されており、単に日本式経営を学ぶのではなく、ベトナム人の強みと融合させ、国際ビジネスの知識及び実践力を持つ人材の育成を目指しています。
(※2)経営塾とは、企業経営者や幹部を対象として行われる日本式経営の研修。ベトナム産業界を牽引する経営者の育成を目的としており、月5日間の授業及び実践が約10か月にわたり行われます。VJCCの看板事業でもある本プログラムは2009年に開始され、今年で10年目を迎えます。