VJCC ホーチミン 山本亘苗氏 ベトナム語版著書 出版記念講演会の開催!

2019年12月23日

 2019年11月17日(日曜日)と11月18日(月曜日)、それぞれホーチミン市とドンナイ省内にて、ベトナム日本人材開発インスティチュート(VJCC)が2009年から実施している「経営塾*」研修の講師を第1期から勤められている、元松下電送システム株式会社社長 山本亘苗(やまもとのぶたね)氏の「心に火をつける経営」ベトナム語版の出版記念講演会が開催されました。

講義を行う山本亘苗氏

 講演会当日は、山本氏の教えを受けた経営塾関係者をはじめ、まだ経営塾には参加していないが検討中の青年企業家達がのべ200名ほど集まり、山本氏の話に耳を傾けました。ホーチミン市内での講演会では、今回出版された2冊の書籍のベトナム語翻訳者である、Nguyen Anh Phong氏本人が、当日の通訳も務めました。

 本書籍は元々、「心に火をつける経営」というテーマで長年、山本氏が経営塾の講義の中で伝えてきたことを一冊の本にまとめたものです。この教えを忘れず多くの方に共有したいと考えたのが、ベトナム語版の出版を思い付いた元経営塾10期生のNguyen Ngoc Tuan氏とVJCCホーチミンの To Bình Minh支所長です。両氏はこの企画を山本氏にもちかけ、了承を得ると、原作となる山本氏のエッセイと講義内容をそれぞれベトナム語に翻訳し、Tuan氏をはじめとする経営塾生たちの全面出資によって出版にこぎつけました。特に2冊目となる、講義内容をまとめた書籍は、他のビジネスリーダーにも共有できるよう、一般書店でも発売を計画しています。

 同出版を記念した講演会では、書籍の内容を元に、山本氏から、経営者としての心構えとして大切な「心」についての講義がありました。山本氏は、「リーダーほど、まわりを明るく照らさなくてはならない、笑顔にしなくてはいけない」、「顧客を大切にする気持ちを持ち、特に現場で直接顧客と接する社員ほど大切にしなければならない」、という点を、時にユーモアも交えて強調しました。演中には、今回特別に、と山本氏は秘伝の座布団まわしの芸も披露し、来場者の拍手喝采を浴びました。文字通り、リーダー自ら、まわりを笑顔にすることの一例を示した形です。
今回、ホーチミンでの講演会に参加した元受講生のHoang Anh Phuong氏は「講義を受け、経営理念、社会や企業、家族に対する考え方が大きく変わり、先生がつけてくれた心の火は今も消えずにともっている。今日このように出版講演会に参加することができとても嬉しい」とコメントしました。また、ドンナイ青年企業家グループの幹部であり、ドンナイでの講演会を企画運営した元受講生のPham The Linh氏は、「青年企業家が多く活動するドンナイ省において、日本の企業文化をより広く仲間と共有したいと考え、今回の講演会を企画した」とその動機を語りました。

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参加者に生け花を教える山本恭子氏(中央)

 講義後は、山本氏の奥様である恭子氏が希望者向けに、華道教室を開催しました。参加者は日本では一般的に使われている鶴首と呼ばれる花瓶を模したワインのビンに、ガーベラやバラを生け、柳を模したワイヤーや折り紙の鶴などを思い思いに装飾し、それぞれ個性豊かな作品を作り上げました。講師を務められた恭子さんは「生け花は、数学のように正確さを求める必要はなく、自由かつユニークな発想でできるという魅力がある」と華道の魅力について語りました。参加者たちは自由に創り上げた作品を誇らしげに飾り、思い思いに写真を撮り、笑顔あふれる有意義な時間を過ごしました。

 VJCCでは、こうした様々な講演会・企画を通じて、今後も日本とベトナムの社会経済の発展に貢献していきます。

【山本亘苗氏のプロフィール】
1945年、三重県伊勢市生まれ。1969年、一橋大学卒業後、松下電器産業(株)入社。企業システム営業本部長などを経て、2000年より中村邦夫社長(当時)の陣頭指揮のもとに始まった「中村改革」のなかで、2001年、松下電送システム(株)社長に就任、経営再建とドメイン再編に参画。パナソニックコミュニケーションズ(株)副社長を経て、松下電器産業(株)常務役員(調達本部長・グローバルロジスティクス本部長)などを歴任(『私が学んだ、非常時の松下経営』より2009年)。2018年6月、新明和工業株式会社取締役退任。現在は、松下幸之助の考えや自身の豊富な経験談を元に国内外で講演会を行っている。経営塾日本研修の際は、日本で半日の「心に火をつける経営」をテーマに講義をされており、経営塾との繋がりも深い。

経営塾*:VJCCが実施するベトナム企業経営者・幹部に対して、企業経営に必要な実践的な知識を、約10ヶ月かけて学ぶ、体系的な研修制度。自らの力で課題を見つけ、解決策を考え、実践する力を養成することを目的としており、講義の他、ベトナムの事例を題材にしたグループディスカッション、企業訪問など多角的に学べる環境が提供される。講師は主にビジネス経験豊富な日本人の専門家であり、講義やコンサルティングを通じ、経営者の使命や企業の社会的責任含む日本式経営についても教えている。現在ハノイ / ホーチミン / ハイフォンで開講されている。

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講演会参加者グループ写真

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ドンナイ青年企業家アソシエーションのメンバーたちと   一番左:本出版を企画したTuan氏、左から2番目:講師の山本氏