VJCCホーチミン 現地講師による、企業内コンサルテーションサービス修了式の開催!

2020年2月6日

Tuan講師による工場内のチェックと指導の様子

 2019年12月14・21日にベトナム日本人材開発インスティチュートホーチミン(以下VJCC HCMC)では、2019年1月から約1年をかけて開講した、ロイヤルグループカンパニー(以下ロイヤル社)に対する企業内コンサルテーションサービスの修了式を開催しました。同サービスは、VJCCの自立発展性の見地から独自資本で企画・実施している研修プログラムで、VJCCが地場企業に対し、ベトナム人講師・企業コンサルタントを派遣し、企業内で「5S・カイゼン」「プロフェッショナルサービスのアップグレード」「マーケティング」等についての講義や指導を行う、より実践的なコースとなっています。現在VJCC HCMCでは、各地場企業に対し、年間23回のコースを開講しています。各受注企業からは、企業全体のスキルアップ、意識の向上に役立った、と好意的な反応を頂いています。

Tran Huu Anh Tuan講師による1年間の研修のまとめ

 ロイヤル社は、タイルやレンガを製造する企業で、創業25年、1000人を超える従業員を抱えています。ベトナム全土に2つの大規模生産工場を持ち、今回VJCCのコンサルテーションサービスは同社の両工場において、主に、5S、カイゼンの分野で実施されました。同社は、VJCCが2009年から実施している「経営塾」*にも計7名の幹部を参加させるなど、学ぶ意欲の高い企業です。

 しかしながら、同社をもってしても、本コンサルテーションサービスが開始された1年前には、モノが乱雑に置かれ、場所によっては作業者に危険を及ぼす可能性もある等、課題の多い状況でした。こうした中、VJCCが派遣した、5S ・カイゼン分野の第一人者である、ベトナム人講師のTran Huu Anh Tuan氏は、ベトナム人の気質、企業体質等をよく理解しながら、根気強く、時には叱咤激励しながら、同社の状況を文字通り「改善」していきました。今回の修了式で、同氏は、「この1年間でロイヤル社は大きく変わった。皆が一生懸命カイゼンに努めたおかげで、製品の質も向上し売り上げも伸びている。引き続き5S・カイゼンに努めてほしい」と今後の同社の持続的な取り組みに期待を述べました。

各チームリーダーによる5S・カイゼン取り組みに対するプレゼンの様子

 同社は、1年の殆どを、週7日、一日24時間稼働というフル回転の状況で操業しています。従業員は皆、日々の業務に忙殺される中、5S・カイゼンに取り組む必要がありました。時には講師に叱られながらも、チームを組んで、どのように改善したらいいのか、どのように整理整頓したらいいのかを皆で知恵を出し合い、協力しあいながら少しずつ取り組んだ結果、写真のとおり、劇的な変化を遂げることができました。その結果、皆がより効率的に、楽に、かつ安全に作業ができるようになり、また、何より全てが整理整頓された気持ちのいい職場環境の中で誇りを持って作業することができるようになり、現場の笑顔も増えていったといいます。
ロイヤル社の全社を挙げての必死の取り組みの成果は、今後、5S・カイゼンに着手したくてもどうしたらいいかわからないと悩む多くの地場企業に対し、ひとつのモデルケースとして広く共有できるものと考えます。

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 VJCCでは今後も、様々な分野の現地講師・専門家と協力しながら、地場企業の抱える様々な課題やニーズに応えるべく、役立つコースを開発・実施していく予定です。

 経営塾*: ベトナム企業経営者・幹部に対して、企業経営に必要な実践的な知識を、10ヶ月かけ学ぶ、体系的な研修塾。自らの力で課題を見つけ、解決策を考え、実践する力を養成することを目的としており、講義の他、部おナムの事例を題材にしたグループディスカッション、企業訪問など多角的なアプローチがとられている。講師は主にビジネス経験豊富な日本人の専門家であり、講義やコンサルティングを通じ、日本的精神をはじめ、経営者の使命や企業の社会的責任についても教えている。

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