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調査研究
『日本の社会保障の経験 -社会保障後発国としての制度整備過程と途上国への教訓の観点から-

/ Development of Japan's Social Security System -An Evaluation and Implications for Developing Countries-


日本の社会保障の経験

2004年7月発行




全文 (PDF/628KB)
サマリーペーパー(要約) (PDF/156KB)

表紙、英文 (PDF/632KB)
和文 (PDF/400KB)



本ハンドブックは、JICA(国際協力機構)が2003年に実施した調査研究「ソーシャル・セーフティ・ネット(Social Safety Net :SSN)基礎研究」報告書である「途上国のソーシャル・セーフティ・ネットの確立に向けて」のうち、「日本の経験」に焦点を当てた部分を編集・増補したものです。

健康保険や年金制度といった恒常的な社会保障制度を中心に日本が辿った社会保障制度整備の経験を示し、戦前戦後の自国の社会体制の変化、他国の制度の長所を取り入れた日本独自の社会保障システムを構築してきた経験といった観点から今後の経済発展を見据える開発途上国にも有益な教訓を拾い上げる視座を提供することを目的としています。
今後開発途上国への社会保障分野への支援を行う際のひとつの技術移転ツールとして活用されることを念頭に、日本語、英語版を合冊として編集して取りまとめました。
日本は第二次世界大戦後まで第一次産業従事者が全人口の半数以上を占めており、産業構造が開発途上国に近い状態から西欧の制度を自国の社会体制に沿う形で取り入れ、社会保障制度の整備を進めてきました。
これは、ある程度の経済発展を経たうえで社会保障制度を整備していった西欧諸国と異なる日本独特の経験といえます。
そうした特徴から、日本の経験は長所・短所の両面を含めて途上国にとって欧米諸国にはない「後発国家における社会保障整備」あるいは「非西欧圏における社会保障」の独特なモデルとしての価値をもつものと考えられます。
また、経済発展の比較的早い段階に「国民皆保険」を実現したことが、その後の経済発展に貢献した側面が大きいという点も、途上国にとっては重要なメッセージとなり得ます。

社会保障制度は当該国の社会経済状況に応じた仕組みが求められるため、日本の制度を他国にそのまま転用することが不適当なことは言を待ちません。
しかしながら、上述の戦前戦後の社会体制の変化、経済発展の状況を踏まえつつ他国の制度の長所を取り入れつつ日本独自の社会保障システムを構築してきた経験は、長所、短所ともに今後の経済発展を見据える開発途上国にも有益な教訓になり得るものと信じます。

本ハンドブックが、一人でも多くの開発途上国の社会保障分野の専門家の手に渡り、願わくは社会保障制度の構築の一助となれば幸いです。