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IMF-JICA合同国際会議でユニバーサル・ヘルス・カバレッジについて発表—牧本上席研究員

2020年2月19日

アジア12カ国の財務省や中央銀行などの政策担当者らが参加

2020年2月13日、JICAと国際通貨基金(IMF)の合同国際会議がJICA市ヶ谷ビルで開催され、JICA研究所の牧本小枝上席研究員らがアジア諸国とIMFからの参加者に対して発表を行いました。

今回のテーマは、「発展するアジア:包摂的かつ持続可能な成長達成のための健全な財政管理(Developing Asia: Achieving Inclusive and Sustainable Growth with Sound Fiscal Management)」。アジア12カ国の財務省や中央銀行などの政策担当者らが一堂に会し、3つのセッションが行われました。

包摂的な経済成長と持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)達成に向けたコストやニーズ、投資について取り上げたセッション1では、「SDGs推進への投資をより多くより賢明に:ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の取り組み(Invest More, Invest Better to Support the SDGs: Lessons from Universal Health Coverage)」において、JICAの戸部誠国際協力専門員がモデレーターを担当し、JICA研究所の牧本小枝上席研究員がエジプト財務省やラオス保健省の代表とともに登壇しました。

JICA研究所の牧本小枝上席研究員がユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の取り組みを発表

牧本上席研究員は、2019年に大阪で開催されたG20での初の財務・保健大臣合同会議や国連UHCハイレベル会合を振り返り、「UHCは、健康と人的資本の基盤であると同時に、包摂的な経済成長、SDGs達成の基盤である」と述べました。現在、保健セクターは各国の経済成長を牽引するセクターの一つであり、世界のGDPの11%に当たる7.7兆USドルが支出され、大きな経済的利益や雇用の機会ももたらしていると指摘。その一方で、20~40%の保健サービスは有効に提供されておらず、質の向上と効率化を目指した改革を推進する組織づくりや、人口高齢化や技術革新で増加する保健医療財源の安定的確保のために国家レベルで財務省と保健省の連携が重要だと強調しました。

ラウンドテーブルに参加したJICAの中田亮輔チーフエコノミスト(左端)

エジプトの財務省主導で導入した健康保険制度や、ラオスのUHCに向けた保健セクター改革や効率性向上への取り組みについての発表を受け、続くディスカッションでは、省庁間の対話ギャップ、民間投資の影響、医療にとどまらず健康の社会的決定要因(水・衛生などの環境や予防)への投資なども含めて取り組む必要性など、持続可能な保健財政の実現に向けた関係機関の協調のあり方が協議されました。

最後のセッション3では、IMFの李昌鏞(イ・チャンヨン)アジア太平洋局長がモデレーターを務めるラウンドテーブルが行われ、アフガニスタン、フィリピン、ラオスの代表と共に、JICAの中田亮輔チーフエコノミストが参加しました。ファイナンスの透明性からテクノロジー、気候変動、ジェンダー不平等に至るまで、幅広い分野について各国の実情を踏まえた議論が行われ、今回の国際会議が締めくくられました。

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