研究プロジェクト「持続的な平和に向けた国際協力の再検討:状況適応型の平和構築とは何か」第1回執筆者会合を開催

2019年9月19日

持続的な平和構築支援について執筆者間で活発に議論が交わされた

2019年8月1日、JICA研究所の研究プロジェクト「持続的な平和に向けた国際協力の再検討:状況適応型の平和構築とは何か」の第1回執筆者会合がJICA研究所で開かれました。

第1セッションでは、JICA研究所の武藤亜子主任研究員が同プロジェクトの背景を紹介。現在も世界各地で続く紛争の解決に向け、国際機関や二国間援助機関がどのように持続的な平和への取り組みを進めているか明らかにすることが目的だと説明しました。

続いてJICA研究所のサライヴァ・ルイ研究員が、現代の紛争の特徴と傾向、国連の「平和の持続」アジェンダ、平和構築を巡る学術的な議論について発表しました。さらに、「平和構築を巡る言説は多岐にわたるため、本日の会合で、参加者との議論を通じ、本研究プロジェクト共通の研究の枠組みをできるだけ共有したい」と述べました。

第2セッションでは、ノルウェー国際問題研究所(NUPI)のセドリック・デ・コニング上級研究員が「状況適応型の平和構築」の概念を紹介し、紛争に見舞われた社会の複雑な状況を強調したほか、平和構築を進める上での従来型アプローチと状況適応型アプローチを比較しました。防衛大学校の武田康裕教授は、「平和の持続」の概念や、現代社会における暴力が意味するものをより一層明らかにする必要性に加え、状況適応型アプローチを通じて、紛争を引き起こした直接的、間接的な原因に迫る重要性を指摘しました。さらに大阪大学の松野明久教授は、「状況適応型の平和構築」が膠着状態にある紛争の解決にとりわけ有用となり得る柔軟な概念として生まれたと述べました。他の執筆者からは、国際的な平和構築支援についてや、研究プロジェクトの概念的枠組みに関する質問がありました。

執筆者間で積極的に意見を交わしたことにより、研究プロジェクトの事例研究の基盤となる概念的枠組みに対する理解を深めることができました。