○債権管理細則
(平成15年10月1日細則(経)第5号)
改正
平成18年4月1日細則(総)第8号
平成20年4月1日細則(総)第5号
平成20年11月6日細則(債)第50号
平成21年3月31日細則(債)第12号
平成21年12月4日細則(債)第32号
平成22年7月2日細則(債)第35号
平成23年3月31日細則(債)第23号
平成23年5月17日細則(債)第28号
平成28年3月7日細則(債)第10号
平成29年3月27日細則(総)第5号
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この細則は、独立行政法人国際協力機構会計規程(平成18年規程(経)第3号。以下「規程」という。)第34条第3項の規定に基づき、独立行政法人国際協力機構(以下「機構」という。)の債権の保全、回収、内容の変更及び消滅について必要な事項並びに債権の発生の原因となる契約に関し、その内容とすべき基本的事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この細則において「債権」とは、独立行政法人国際協力機構法(平成14年法律第136号)第13条第1項第2号の規定により機構が貸し付け又は出資した資金に係る債権並びに出納命令役及び現金出納役の職務に係る債権を除く、金銭の給付を目的とする機構のすべての権利をいう。
2 この細則において「債権管理事務」とは、機構の債権について、債権者として行うべき保全、回収、内容の変更及び消滅に関する事務のうち、弁済の受領に関する事務並びに金銭及び物品管理細則(平成15年細則(経)第7号)に定める動産の保管に関する事務以外のものをいう。
3 この細則において「承認権者」とは、管理部担当理事(債権管理を担当する者)をいう。ただし、独立行政法人国際協力機構法附則第3条第1項第5号及び第6号に基づき管理・回収を行っている債権についての「承認権者」は、管理部長とすることができる。
(他の規程との関連)
第3条 機構の債権管理事務の処理については、規程、会計細則(平成18年細則(経)第5号。以下「会計細則」という。)及び法令その他に特別の定めがある場合を除くほか、この細則の定めるところによる。
第2章 債権管理の機関
(債権管理役)
第4条 債権の管理は、規程第8条第7項及び同規程第34条第2項に基づき、債権管理役がこれを行う。
(管理事務の総括)
第5条 管理部長は、債権管理事務の適正を期するため、債権の現在額をとりまとめるとともに、事務処理手続の整備及び当該事務の処理について、必要な調整を行うものとする。
(業務担当部長等)
第6条 本部においては、債権の発生に関する行為を所掌する部局の長(以下「業務担当部局長」という。)は、その所掌する債権について、第12条、第14条、第15条及び第21条に該当する事案が生じたときは、当該債権の保全、契約変更等のために必要な準備を行い、債権管理役の決裁を得て、必要な措置をとるものとする。
(管理事務の引継)
第7条 債権管理役は、債務者の住所の変更その他の事情により必要があると認められるときは、承認権者の承認を得て、所掌債権に係る債権管理事務の全部又は一部を他の債権管理役に引き継ぐことができる。
第3章 債権管理の準則
(債権発生等に関する通知)
第8条 契約担当役は、機構に債権が発生し、又は機構に債権が帰属する原因となる契約その他の行為を行った場合には、遅滞なく、当該債権に係る債権管理役に通知しなければならない。ただし、本部においては、契約担当役に代わり、業務担当部局長が債権管理役に通知するものとする。
2 前項の場合において、債権の性質が債権金額の全部を発生と同時に納付するものであるときは、債権の発生及び収納に係る書類を債権管理役へ送付することにより通知に代えることができる。
3 第1項の通知は、機構が職員等に対して毎月支給する給与から控除して徴収できる債権については、当該債権の合計額によることができる。
(帳簿の備付け及び記載)
第9条 債権管理役は、契約担当役又は業務担当部局長の通知に基づいて、その所掌に属すべき債権が発生し、又は機構に帰属したときは、遅滞なく、債務者の住所及び氏名、債権金額並びに履行期限その他債権の管理に必要と認められる事項を調査し、確認のうえ、これを債権の種類に応じて作成する債権管理簿に記載しなければならない。ただし、前条第2項又は第3項によることができる場合には、通知に係る書類をもってこれに代えることができる。
(履行の請求及び督促)
第10条 債権管理役は、その所掌に属する債権について、履行期限までに弁済を受けることができるよう、規程第19条に基づく債務者に対する履行の請求を出納命令役(分任出納命令役を含む。以下同じ。)に依頼しなければならない。
2 債権管理役は、その所掌に属する債権について、その全部又は一部が履行期限を経過してもなお履行されない場合には、債務者に対してその履行を督促することを出納命令役に依頼しなければならない。
(任意売却)
第10条の2 債権管理役は、その所掌に属する債権について、債権の回収上有利であると認められる場合には、承認権者の承認を得て、債務者の任意に基づく担保の処分による債権への充当を認めることができる。ただし、債務者の任意に基づく担保の処分により債務が完済する場合には承認権者の承認を要さない。
(債権の譲渡)
第10条の3 債権管理役は、その所掌に属する債権について、回収上有利であると認められる場合には、承認権者の承認を得て、第三者に対する債権の譲渡を認めることができる。
(債務の引受け)
第10条の4 債権管理役は、その所掌に属する債権について、回収上有利であると認められる場合には、承認権者の承認を得て、第三者による債務の引受けを認めることができる。ただし、当該債務の引受けが、重畳的債務引受けとなる場合には承認権者の承認を要さない。
(強制履行の請求等)
第11条 債権管理役は、その所掌に属する債権で履行期限(第21条の規定により償還方法の変更を行った場合には、これにより新たに設定された履行期限)を経過した債権について、第10条第2項の規定による督促が行われた後、相当の期間を経過してもなお履行されない場合には、承認権者の承認を得て、次に掲げる措置をとるものとする。ただし、承認権者が特に必要と認める事情がある場合には、これを猶予することができる。
(1) 担保の付されている債権(保証人の保証がある債権を含む。)については、当該債権の内容に従い、その担保を処分し、若しくは裁判所に対して競売その他の担保権の実行の手続を求め、又は保証人に対して保証の履行を請求すること。
(2) 債務名義のある債権(次号の措置により債務名義を取得したものを含む。)については、裁判所に対して強制執行の手続を求めること。
(3) 前2号に該当しない債権(第1号に該当する債権で、同号の措置をとってもなお履行されないものを含む。)については訴訟手続(非訟事件の手続を含む。)による履行の請求を行うこと。
(履行期限の繰上)
第12条 債権管理役は、その所掌に属する債権について履行期限を繰り上げることができる理由が生じたときは、遅滞なく、第10条第1項の措置をとらなければならない。ただし、第21条第1項各号のいずれかに該当する場合その他特別の理由がある場合は、この限りでない。
(貸付元利金等の弁済充当の順序)
第13条 債権管理役は、弁済のなされた金額が支払われるべき債権の総額に満たないときは、この弁済金を順次に費用、立替金、延滞損害金、利息、元本の順に充当するものとする。ただし、特別の理由があると認められる場合には、管理部長の承認を得てこの順序を変更することができる。
(債権の申出)
第14条 債権管理役は、その所掌に属する債権について、次に掲げる理由が生じたことを知った場合において、機構が債権者として配当の要求その他債権の申出をすることができるときは、直ちに、そのための措置をとらなければならない。
(1) 債務者が強制執行を受けたこと。
(2) 債務者が租税その他の公課について滞納処分を受けたこと。
(3) 債務者の財産について競売の開始があったこと。
(4) 債務者が破産の宣告を受けたこと。
(5) 債務者の財産について企業担保権の実行手続の開始があったこと。
(6) 債務者である法人が解散したこと。
(7) 債務者について相続の開始があった場合において、相続人が限定承認をしたこと。
(8) 第4号から前号までに定める場合のほか、会社更生手続、民事再生手続等により債務者の総財産についての清算が開始されたこと。
(その他の保全措置)
第15条 債権管理役は、その所掌に属する債権を保全するため、機構の内部規程又は契約書の定めるところに従い、債務者に対し、担保の提供若しくは保証人の保証を求め、又は必要に応じて増担保の提供若しくは保証人の変更その他担保の変更を求めなければならない。
2 債権管理役は、その所掌に属する債権を保全するために必要があるときは、裁判所に対し、仮差押え又は仮処分の申立てをしなければならない。
3 債権管理役は、その所掌に属する債権を保全するため必要がある場合において、債務者が故意に行った財産の減少を目的とする法律行為の取消を裁判所に請求しなければならない。
4 債権管理役は、その所掌に属する債権を保全するため必要がある場合において、債権者として債務者に属する権利を行うことができるときは、債務者に代位して当該権利を行うために必要な措置をとらなければならない。
5 債権管理役は、その所掌に属する債権が時効によって消滅することとなるおそれがあるときは、時効を中断するために必要な措置をとらなければならない。
(担保の保全)
第16条 債権管理役は、その所掌に属する債権について担保が提供されたときは、遅滞なく、担保権の設定について、登記、登録その他の第三者に対抗できる要件を備えるために必要な措置をとらなければならない。
(担保及び証拠物件等の保存)
第17条 債権管理役は、その所掌に属する債権について、債権者として占有すべき金銭以外の担保物及び専ら債権又は債権の担保に係る事項の立証に供すべき書類その他の物件を善良な管理者の注意をもって整備し、かつ、保存しなければならない。
2 前項の場合において、有価証券は、銀行又は信託会社に保護預けをしなければならない。
(請求停止)
第18条 債権管理役は、その所掌に属する債権で履行期限後相当の期間を経過してもなお完全に履行されていないものについて、次の各号のいずれかに該当し、第21条に規定する償還方法の変更によってもこれを履行させることが著しく困難又は不適当であると認められるときは、承認権者の承認を得て、以後当該債権について、保全及び回収に関する事務を要しないものとして整理することができる。ただし、第2号から第4号の各号においては、差し押さえることができる財産の価額(第4号においては相続財産)又は担保の付されている債権について担保権を実行した価額が強制執行の費用及び優先債権等の金額の合計額を超えない場合に限る。
(1) 無資力債務者(生活保護法(昭和25年法律第144号)の規定による生活扶助若しくは生活扶助以外の扶助を受けている者又はこれに準ずる程度の生活状態にある者をいう。)であって、その有する資産の状況等を斟酌しても当該借入金の償還が困難であると認められる場合
(2) 法人である債務者がその事業を休止し、将来その事業を再開する見込みが全くないと認められる場合(当該法人の債務につき弁済の責に任ずべき他の者があり、その者についてこの条各号に掲げる事情がない場合を除く。)
(3) 債務者の所在が不明である場合
(4)  債務者が死亡した場合において、相続人のあることが明らかでない場合
(5) 債権金額が少額で、回収に要する費用に満たないと認められる場合
2 債権管理役は、前項の措置をとった後、事情の変更等によりその措置を維持することが不適当となったことを知ったときは、承認権者の承認を得て、直ちに、その措置を取り止めなければならない。
3  第1項第1号及び前項の規定は、貸付金に係る債権について、債務者が当該貸付金の使途に従って第三者に貸付を行ったものについて準用する。この場合における請求停止については、債務者が当該第三者に対する貸付金について請求停止をすることを条件としなければならない。
(相殺等)
第19条 債権管理役は、その所掌に属する債権について、法令の規定により当該債権と相殺し、又はこれに充当することができる機構の債務があることを知ったときは、直ちに、当該債務に係る出納命令役に対し、相殺又は充当すべきことを請求しなければならない。
2 出納命令役は、その所掌に属する支払金に係る債務について、前項の請求があったときその他法令の規定により当該債務と相殺し、又はこれを充当することができる機構の債権があることを知ったときは、遅滞なく、相殺又は充当するとともに、その旨を当該債権に係る債権管理役に通知しなければならない。
3 債権管理役は、前項の通知を受けた場合を除き、その所掌に属する債権と機構の債務との間に相殺が行われたことを知ったときは、直ちに、その旨を当該債務に係る出納命令役に通知しなければならない。
(消滅に関する通知)
第20条 現金出納役、契約担当役及び業務担当部局長は、その職務上債権が消滅したことを知ったときは、遅滞なく、その旨を当該債権に係る債権管理役に通知しなければならない。
第4章 債権の内容の変更、免除等
(償還方法の変更)
第21条 債権管理役は、その所掌に属する債権について次の各号のいずれかに該当する場合には、承認権者の承認を得て、その償還方法(履行期限を含む。以下同じ。)を変更することができる。
(1) 債務者が無資力に近い状態にあるとき。
(2) 債務者が当該債務を当初の償還方法に従い履行することが困難であり、かつ、償還方法を変更することが回収上有利であると認められるとき。
(3) 債務者について災害、盗難その他の事故が生じたことにより、債務者が当該債務を当初の償還方法に従い履行することが困難であるため償還方法の変更をすることがやむを得ないと認められるとき。
(4) 損害賠償金又は不当利得による返還金に係る債権について、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。
(5) 貸付金に係る債権について、債務者が当該貸付金の使途に従って第三者に貸付を行った場合において、当該第三者に対する貸付金に関し、第1号から第3号までのいずれかに該当する事由があることその他特別の事情により、当該第三者に対する貸付金の回収が著しく困難であるため、当該債務者がその債務を当初の償還方法に従い履行することが困難であるとき。
2 債権管理役は、履行期限経過後においても前項の規定により償還方法を変更することができる。この場合において、既に発生した延滞損害金は徴収すべきものとする。
3 債権管理役は、分割して弁済させることとなっている債権について償還方法を変更する場合において、特に必要と認める場合には、当該履行期限後に弁済することとなっている金額に係る償還方法についてもあわせて変更することができる。
(履行期限を延長する期間)
第22条 債権管理役は、その所掌に属する債権について履行期限の延長をする場合には、承認権者の承認を得て、履行期限(履行期限後に履行期限の延長をする場合には、当該履行期限の延長をする日)から5年(前条第1項第1号又は第5号に該当する場合には、10年)以内において、その延長に係る履行期限を定めるものとする。ただし、さらに履行期限の延長をすることを妨げない。
(償還方法の変更に代わる和解)
第23条 債権管理役は、前条の規定により償還方法の変更をしようとする場合において、民事訴訟法(平成8年法律第109号)第275条の和解によることを相当と認めるときは、承認権者の承認を得て、その手続をとるものとする。
(更生計画案等に対する同意)
第24条 債権管理役は、その所掌に属する債権について、破産法(平成16年法律第75号)の規定により債権者集会において申立てのあった強制和議の条件、民事再生法(平成11年法律第215号)の規定により債権者集会の決議若しくは書面による決議に付された若しくは付されるべき再生計画案若しくは変更計画案(同意再生の場合にあっては裁判所に提出された再生計画案)又は会社更生法(平成14年法律第154号)若しくは金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成8年法律第95号)の規定により関係人集会の決議に付された更生計画案若しくは変更計画案又は会社法(平成17年法律第86号)の規定による会社の整理案若しくは特別清算人から申出された協定案(以下「更生計画案等」という。)が、これらの法律の規定に違反しないものであり、かつ、その内容が債務者が遂行することができる範囲内において機構の不利益を最少限度にするように定められていると認められる場合に限り、承認権者の承認を得て、これに同意し、又は賛成することができる。
(和解及び調停)
第25条 債権管理役は、その所掌に属する債権について法律上の争いがある場合において、その争いを解決するためにやむを得ず、かつ、機構にとって当該債権の回収上有利と認められる範囲内において、承認権者の承認を得て、裁判上の和解(以下「和解」という。)に応じ、又は民事調停法(昭和26年法律第222号)による調停(以下「調停」という。)に応ずることができる。
(免除)
第26条 債権管理役は、債務者が無資力に近い状態にあるため履行期限の延長をした債権について、当初の履行期限(当初の履行期限後に履行期限の延長をした場合には、最初に履行期限の延長をした日)から10年を経過した後において、債務者が無資力状態にあり、かつ、弁済することができる見込みがないと認められる場合には、承認権者の承認を得て当該債権並びにこれに係る利息及び延滞損害金の全部又は一部を免除することができる。
2 前項の規定は、第21条第1項第5号に掲げる理由により償還方法の変更をした貸付金に係る債権で、同号に規定する第三者が無資力に近い状態にあることに基づいて当該償還方法の変更をしたものについて準用する。この場合における免除については、債務者が当該第三者に対する貸付金について免除をすることを条件としなければならない。
3 債権管理役は、第24条に基づく更生計画案等に同意し、又は前条に基づく和解若しくは調停に応ずることにより債権を免除しなければならない場合は、承認権者の承認を得て、当該債権並びにこれに係る利息及び延滞損害金の全部又は一部を免除することができる。
(債権のみなし消滅の整理)
第27条 債権管理役は、その所掌に属する債権について、前条の規定によるほか、次の各号のいずれかに掲げる事由が生じたときは、承認権者の承認を得て、当該債権の全部又は一部が消滅したものとみなし整理することができるものとする。
(1) 当該債権につき消滅時効が完成し、かつ、債務者がその援用をする見込みがあること。
(2) 債務者である法人の清算が結了したこと(当該法人の債務につき弁済の責に任ずべき他の者があり、その者について第1号から第4号までに掲げる事由がない場合を除く。)。
(3) 債務者が死亡し、その債務について限定承認があった場合において、その相続財産の価額が強制執行をした場合の費用並びに他の優先して弁済を受ける債権及び機構以外の者の権利の金額の合計額を超えないと見込まれること。
(4) 破産法第253条、会社更生法第204条その他の法令の規定により債務者が当該債権につきその責任を免れたこと。
(5)  債権の存在につき法律上の争いがある場合において、勝訴の見込みがないこと。
(延滞損害金に関する特則)
第28条 債権管理役は、機構の債権(利息を付することとなっている債権及びその他定めのある場合を除く。以下この条において同じ。)に係る延滞損害金について、履行期限内に弁済されなかった当該債権の金額が1,000円未満である場合には、これを免除することができる。
2 債権管理役は、弁済金額の合計額が当該債権の全部に相当する金額に達することとなった場合において、その時までに付される延滞損害金の額が100円未満であるときは、当該延滞損害金の額に相当する金額を免除することができる。
3 債権管理役は、前2項のほか、延滞損害金の金額が少額で、かつ、延滞した事由がやむを得ないと認めることができる場合には、当該延滞損害金を免除することができる。
第5章 債権に関する契約等の内容
(債権の減免等)
第29条 契約担当役は、その契約等において債権の減免及び償還方法の変更についての定めをしてはならない。
(債権保全のための契約等の内容)
第30条 契約担当役は、その契約の内容を定めようとする場合には、原則として次に掲げる事項についての定めをしなければならない。
(1) 債務者は、履行期限までに債務を弁済しないときは、延滞損害金として一定の基準により計算した金額を機構に納付しなければならないこと。
(2) 分割して弁済させることとなっている債権については、債務者が分割された弁済金額についての履行を怠ったときは、当該債権の全部又は一部について、履行期限を繰り上げることができること。
(3) 担保の付されている債権について、担保の価額が減少し、又は保証人を不適当とする事情が生じたときは、債務者は、機構の請求に応じ、増担保の提供又は保証人の変更その他担保の変更をしなければならないこと。
(4) 債権の保全上必要があるときは、債務者又は保証人に対し、その業務又は資産の状況に関して、質問し、帳簿書類その他の物件を調査し、又は参考となるべき報告若しくは資料の提出を求めること。
(5) 債務者が前号に掲げる事項についての定めに従わないときは、債権の全部又は一部について、履行期限を繰り上げることができること。
第31条 前条の場合において、当該債権が機構の貸付金(使途の特定しないものを除く。)に係るものであるときは、契約担当役は、同条各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項についての定めをするものとする。
(1) 債務者は、当該貸付金を他の使途に使用してはならないこと、又は当該貸付金を他の使途に使用する場合には、機構の承認を受けなければならないこと。
(2) 債務者は、当該貸付金の貸付の対象である事務又は事業(以下「貸付事業等」という。)に要する経費の配分その他貸付事業等の内容で、当該契約で特に定めるもの(以下「貸付事業等の内容」という。)の変更をする場合には、機構の承認を受けなければならないこと。
(3) 債務者は、貸付事業等を中止し、又は廃止する場合には、機構の承認を受けなければならないこと。
(4) 債務者は、貸付事業等が予定の期間内に完了しない場合又は貸付事業等の遂行が困難となった場合には、すみやかに機構に報告して、その指示に従わなければならないこと。
(5) 債務者は、貸付事業等により取得し、又は効用の増加した財産で、当該貸付の契約で定めるものを、当該契約で定める期間内に、貸付の目的に反して使用し、処分し、又は担保に供する場合(債務者がその債務の全部を履行した場合を除く。)には、機構の承認を受けなければならないこと。
(6) 債務者は、当該貸付の契約で定めるところにより、貸付事業等の遂行の状況に関し、機構に報告しなければならないこと。
(7) 債務者は、貸付事業等が完了した場合(貸付事業等の廃止の承認を受けた場合を含む。)には、当該貸付の契約で定めるところにより、貸付事業等の成果を記載した実績報告を機構に提出しなければならないこと。
(8) 債務者は、機構により前号に規定する実績報告に係る貸付事業等の成果が当該貸付金の貸付の目的及び貸付事業等の内容に適合していないと認められた場合には、その指示に従わなければならないこと。
(9) 第4号又は前号に規定する指示による場合のほか、次に掲げる場合には、当該債権の全部又は一部について、履行期限を繰り上げることができること。
ア 債務者が前各号に掲げる事項についての定めに従わないとき。
イ 債務者が当該貸付の契約で定める期間内に貸付金を貸付の目的に従って使用しないとき。
ウ その他債務者が当該貸付の契約の定めに従って誠実に貸付事業等を遂行しないとき。
(10) 債務者は、第4号若しくは第8号に規定する指示により、又は前号の規定により履行期限を繰り上げられたときは、機構が定める金額の範囲内で一定の基準により計算した金額を機構に納付しなければならないこと。
(11) 債務者は、機構の貸付金をその財源の全部又は一部とし、かつ、当該貸付金の貸付の使途に従って第三者に貸付金(使途の特定しないものを除く。)の貸付を行う場合には、当該貸付の契約において、第1号から第9号までに掲げる事項に準ずる定めをしなければならないこと。
第6章 償却
(償却の基準)
第32条 債権管理役は、その所掌に属する債権が、次の各号のいずれかに該当すると認められる場合のほか、法令の規定による整理手続の決定により切り捨てられることとなった場合には、当該債権の償却の基準となる回収不能額を算定するものとする。
(1) 第18条第1項各号に基づき請求を停止する債権として分類整理した債権のうち、元本の全部又は一部
(2) 第26条各項(前号により償却されたものを除く。)に基づく免除によって消滅した債権のうち、元本
(3) 第27条各号(第1号及び前号により償却されたものを除く。)に基づく消滅したものとみなして整理した債権のうち、元本の全部又は一部
(4) 債権の存在につき法律上の争いがある場合において、裁判所の判決により不存在が確定し、又はそれに準じることが存在する場合、元本の全部又は一部
2 機構は、前項の規定により回収不能と算定された額を償却する。
第7章 雑則
(端数処理)
第33条 債権の計算において、1円未満の端数が生じた場合には、これを切り捨てるものとする。外国通貨建て債権の計算において、当該外国通貨の最小単位に満たない端数が生じた場合も同様とする。
(帳簿等の様式及び実施手続き)
第34条 帳簿、書類の様式、その他この細則の実施に必要な事務手続きは、管理部長が別に定めるところによる。
(特例)
第35条 外国における法律その他特別の事情により、この細則により難い場合には、管理部長の承認を得て別の取り扱いをすることができる。
附 則
この細則は、平成15年10月1日から施行する。
附 則(平成18年4月1日細則(総)第8号)
この細則は、平成18年4月1日から施行する。
附 則(平成20年4月1日細則(総)第5号)
1 この細則は、平成20年4月1日から施行する。
2 この細則の施行に伴い、第1条から第27条までの規定により改正される各細則の規定により、当該各細則の実施に係る細目の決定を理事長から授権又は委任される者(以下「授権者」という。)が異なることとなる場合であって、この細則の施行の際、現に制定済の準内部規程等の細目(以下「準内部規程等」という。)があるときは、当該準内部規程等に相当する準内部規程等が新たな授権者により別途制定されるまでの間、現に制定済の準内部規程等を当該新たな授権者により制定されたものとみなす。
附 則(平成20年11月6日細則(債)第50号)
この細則は、平成20年11月6日から施行する。
附 則(平成21年3月31日細則(債)第12号)
この細則は、平成21年3月31日から施行する。
附 則(平成21年12月4日細則(債)第32号)
この細則は、平成21年12月4日から施行する。
附 則(平成22年7月2日細則(債)第35号)
この細則は、平成22年7月2日から施行する。
附 則(平成23年3月31日細則(債)第23号)
この細則は、平成23年3月31日から施行する。
附 則(平成23年5月17日細則(債)第28号)
この細則は、平成23年5月17日から施行する。
附 則(平成28年3月7日細則(債)第10号)
この細則は、平成28年3月7日から施行する。
附 則(平成29年3月27日細則(総)第5号)
この細則は、平成29年4月1日から施行する。