○技術協力に関する日本国政府とエクアドル共和国政府との間の協定
(平成7年1月10日外務省告示第8号) |
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平成4年6月25日にキートで、技術協力に関する日本国政府とエクアドル共和国政府との間の協定の署名が行われ、同協定は、平成6年10月20日に効力を生じた。
技術協力に関する日本国政府とエクアドル共和国政府との間の協定
日本国政府及びエクアドル共和国政府は、技術協力の促進により両国間に存在する友好関係を一層強化することを希望し、また両国の経済的及び社会的発展の促進によりもたらされる相互の利益を考慮して、次のとおり協定した。
技術協力に関する日本国政府とエクアドル共和国政府との間の協定
日本国政府及びエクアドル共和国政府は、技術協力の促進により両国間に存在する友好関係を一層強化することを希望し、また両国の経済的及び社会的発展の促進によりもたらされる相互の利益を考慮して、次のとおり協定した。
第1条 両政府は、それぞれの国の現行法令に従い、両国間の技術協力を促進するよう努力する。
第2条 両政府は、この協定に基づき、両政府間で合意する個別の技術協力計画を実施するため、相互の協力を促進するとともに相互支援を行い、また、このために外交上の経路を通じて別途の取極を文書により行う。
第3条 日本国政府は、日本国の現行法令に従い、かつ、前条にいう取極に基づき、自己の負担で次の形態による技術協力を行う。
(a) | 日本国における技術訓練のためにエクアドル国民を受け入れること。 |
(b) | 日本人専門家(以下「専門家」という。)をエクアドル共和国に派遣すること。 |
(c) | 経済及び社会開発計画の調査を行うため、日本の調査団(以下「調査団」という。)をエクアドル共和国に派遣すること。 |
(d) | 設備、機械及び資材をエクアドル共和国政府に供与すること。 |
(e) | 両政府間で相互に合意するその他の形態の技術効力をエクアドル共和国政府に対して行うこと。 |
第4条 エクアドル共和国政府は、前条に規定する日本の技術協力の結果としてエクアドル国民が取得した技術及び知識がエクアドル共和国の経済的及び社会的発展に寄与することを確保する。
第5条 日本国政府が専門家及び調査団を派遣する場合には、エクアドル共和国政府は、自己の負担で次の措置をとる。
(a) | 専門家及び調査団の任務遂行に必要な土地及び事務所その他の施設を提供し、かつ、それらの運営費及び維持費を負担すること。 | |
(b) | 専門家及び調査団の相手方となるエクアドル人要員並びに専門家及び調査団の任務遂行に必要な支援要員を提供すること。 | |
(c) | 専門家に係る次の諸経費を事情の許す限り負担すること。 | |
(i) | 通勤費 | |
(ii) | 国内の公用出張旅費及び諸手当 | |
(iii) | 公用通信費 | |
(d) | 専門家及びその家族に対して適当な住宅の確保につき便宜を提供し、また、事情が許す限り無料の住宅を提供すること。 | |
(e) | 専門家及びその家族並びに調査団の構成員に対して無料の公共医療便宜を提供すること。 |
第6条
1 | エクアドル共和国政府は、次の措置をとる。 | ||
(a) | 専門家及び調査団の構成員につき、海外から送金される給与及び手当に対して又はこれらに関連して課される所得税その他の課徴金を免除すること。 | ||
(b) | 専門家及びその家族並びに調査団の構成員につき、次のものの輸入に関し、輸入許可証の取得要件及び領事手数料、関税、租税その他類似の課徴金を免除すること。 | ||
(i) | 専門家及びその家族並びに調査団の構成員の携帯荷物 | ||
(ii) | 専門家及びその家族並びに調査団の構成員が用いるためにエクアドル共和国に持ち込まれる身回品、家財及び消費財 | ||
(iii) | 専門家1名につき自動車1台(国際機関の使節団又は事務所の長若しくは構成員に対して適用される条件であってこの協定の署名の日に有効なものに従う。) | ||
(iv) | エクアドル共和国政府は、エクアドル共和国内の国際機関の使節団又は事務所の長若しくは構成員に対し(iii)にいう条件より有利な条件を適用した場合には、当該有利な条件を専門家に対して直ちに適用する。 | ||
2 | エクアドル共和国政府は、また、次の措置をとる。 | ||
(a) | 専門家及びその家族並びに調査団の構成員に対して、その任期中、エクアドル共和国に入国し、同国から出国し及び同国に滞在することを許可し、かつ、外国人登録義務及び領事手数料を免除すること。 | ||
(b) | 専門家及び調査団の任務遂行に際し、関係当局が必要な便宜を供与することを確保するために、専門家及びその家族並びに調査団の構成員に対して身分証明書を交付すること。 | ||
(c) | 専門家及び調査団に対して、その任務遂行上必要なその他の措置をとること。 | ||
3 | 専門家及びその家族並びに調査団の構成員は、エクアドル共和国において同様の任務を遂行している第三国又は国際機関の専門家及びその家族並びに調査団の構成員に与えられているものより不利でない特権、免除及び便宜を与えられる。 |
第7条 エクアドル共和国政府は、専門家及び調査団の構成員に対する請求が、それらの者のエクアドル共和国における任務の遂行に起因して生じ、その遂行の過程で生じ、又はその遂行に関連して生じた場合には、その請求に関する責任を負う。ただし、その請求が専門家又は調査団の構成員の重大な過失又は故意から生じたことについて両政府が合意する場合は、この限りでない。
第8条
1 | 日本国政府がエクアドル共和国政府に供与する設備、機械及び資材は、陸揚港においてc・i・f建てでエクアドル共和国の関係当局に引き渡された時にエクアドル共和国政府の財産となる。これらの設備、機械及び資材は、別途の合意がある場合を除き、供与された目的のために使用される。 |
2 | エクアドル共和国政府は、1にいう設備、機械及び資材に関し、輸入許可証の取得要件及び領事手数料、関税、租税その他類似の課徴金を免除する。 |
3 | 1にいう設備、機械及び資材のエクアドル共和国内における輸送のための費用並びにそれらの維持及び修理のための費用は、エクアドル共和国政府が負担する。 |
4 | 専門家及び調査団がその任務を遂行するために携行する設備、機械及び資材は、別途の合意がある場合を除き、日本国政府の財産である。 |
専門家及び調査団は、設備、機械及び資材の輸入に際し、これらの設備、機械及び資材に対してエクアドル共和国において課される領事手数料、関税、租税その他類似の課徴金及び輸入許可証の取得要件を免除される。 |
第9条 専門家及び調査団の構成員は、エクアドル共和国政府が指定する機関を通じ、同政府と緊密に連絡を保つものとする。
第10条
1 | エクアドル共和国政府は、日本国政府による技術協力の実施機関である国際協力事業団(以下「JICA」という。)の駐在員及び職員(以下「駐在員等」という。)を受け入れ、また、エクアドル共和国におけるJICA事務所(以下「事務所」という。)の開設を認める。 | |
2 | 駐在員等は、エクアドル共和国において第2条にいう個別の技術協力計画を実施するための調査、関係機関との連絡調整等の任務を遂行する。 | |
3(1) | エクアドル共和国政府は、駐在員等及びその家族に対して次の措置をとる。 | |
(a) | 駐在員等及びその家族に対する特権、免除及び便宜に関し、第6条を準用すること。 | |
(b) | 駐在員等がその任務の遂行のためにエクアドル共和国に持ち込む設備、機械及び資材に関し、エクアドル共和国において課される領事手数料、関税、租税その他類似の課徴金及び輸入許可証の取得要件を免除すること。 | |
(c) | 駐在員等の任務の遂行のための経費であって海外から送金されるものに対して又はこれに関連して課される所得税その他の課徴金を免除すること。 | |
(2) | エクアドル共和国政府は、また、事務所に対して次の措置をとる。 | |
(a) | 事務所の活動のために必要な設備、機械、自動車その他の物品の輸入に対して又はこれに関連してエクアドル共和国において課される領事手数料、関税、租税その他類似の課徴金及び輸入許可証の取得要件を免除すること。 | |
(b) | 事務所の活動のための経費であって海外から送金されるものに対して又はこれに関連して課される所得税その他の課徴金を免除すること。 | |
(3) | 駐在員等及びその家族並びに事務所は、エクアドル共和国において同様の任務を遂行している第三国又は国際機関による技術協力の実施機関の駐在員及びその家族並びに事務所に与えられているものより不利でない特権、免除及び便宜を与えられる。 |
第11条 日本国政府及びエクアドル共和国政府は、この協定から又はそれに関連して生ずることがあるいかなる事項についても相互に協議する。
第12条
1 | この協定の規定は、この協定が効力を生ずる前から両政府間で実施されている個別の技術協力計画にも適用され、また、当該計画を実施するためにエクアドル共和国に滞在中の専門家及びその家族、調査団の構成員、駐在員等及びその家族並びに当該計画を実施するためにエクアドル共和国に持ち込まれた設備、機械及び資材にも適用される。 |
2 | この協定の終了は、両政府が明示的に別途の合意をしない限り、実施中の個別の技術協力計画が完了する日までの間当該計画に影響を与えるものではなく、また、当該計画に関する任務を遂行するためにエクアドル共和国に滞在中の専門家及びその家族、調査団の構成員並びに駐在員等及びその家族に対して与えられる特権、免除及び便宜に影響を与えるものではない。 |
第13条
1 | この協定は、日本国政府がエクアドル共和国政府からこの協定の効力発生のために必要な国内手続を終了した旨の文書による通告を受領した日に効力を生ずる。 |
2 | この協定は、1年間効力を有するものとし、いずれか一方の政府が他方の政府に対し少なくとも6箇月の予告をもって協定を終了させる意思を書面により通告しない限り、毎年自動的に1年ずつ更新される。 |
以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの協定に署名した。 |
1992年6月25日にキートで、ひとしく正文である日本語及びスペイン語により本書2通を作成した。 |
日本国政府のために |
板橋毅一 |
エクアドル共和国政府のために |
ディエゴ・コルドベス |