○技術協力に関する日本国政府とペルー共和国政府との間の基本協定
(昭和55年4月18日外務省告示第150号) |
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昭和54年8月20日にリマで、技術協力に関する日本国政府とペルー共和国政府との間の基本協定の署名が行われ、この協定は、昭和55年2月15日に効力を生じた。
技術協力に関する日本国政府とペルー共和国政府との間の基本協定
日本国政府及びペルー共和国政府は、技術協力の促進により両国間に存在する友好関係を一層強化することを希望し、また、両国の経済的及び社会的発展を促進することがもたらす相互の利益を考慮して、次のとおり協定した。
技術協力に関する日本国政府とペルー共和国政府との間の基本協定
日本国政府及びペルー共和国政府は、技術協力の促進により両国間に存在する友好関係を一層強化することを希望し、また、両国の経済的及び社会的発展を促進することがもたらす相互の利益を考慮して、次のとおり協定した。
第1条 両政府は、それぞれの国の現行法令に従い、両国間の技術協力を促進するよう努力する。
第2条 日本国政府は、この協定の目的を達成するため、日本国の現行法令に従い、かつ、第3条にいう取極により、自己の負担で次の形態による技術協力を行う。
(a) | 日本国における技術訓練のためにペルー共和国の国民を受け入れること。 |
(b) | 日本国の専門家をペルー共和国に派遣すること。 |
(c) | 設備、機械及び資材をペルー共和国政府に供与すること。 |
(d) | ペルー共和国の経済的及び社会的開発計画の調査を行うための調査団をペルー共和国に派遣すること。 |
(e) | 相互に合意することのあるその他の形態の技術協力 |
[第3条]
第3条 両政府は、第2条にいう技術協力を行うため、外交経路を通じ、個別の技術協力計画を実施するための別途の取極を文書により行う。
[第2条]
第4条 ペルー共和国政府は、第2条に規定する日本国の技術協力の結果としてペルー共和国の国民が取得した技術及び知識が経済的及び社会的発展に寄与することを確保する。
[第2条]
第5条 日本国政府が専門家を派遣する場合(このような専門家を以下「専門家」という。)には、ペルー共和国政府は、特定の計画に責任を有する実施機関を通じ、自己の負担で次の措置をとる。
(a) | 専門家の任務遂行に必要な事務所その他の施設を提供し、かつ、それらの維持費を負担すること。 | |
(b) | 専門家の任務遂行に必要な現地要員(専門家の相手方となるペルー側要員及び、必要な場合には、適当な通訳を含む。)を提供すること。 | |
(c) | 職務又は現地の環境条件から生ずる事故又は疾病に対する無料の医療便宜を供与すること。 | |
(d) | ペルー共和国内における公用出張のための旅費を負担すること。 | |
(e) | ペルー共和国内における公用通信のための経費を負担すること。 | |
(f) | 現地の条件に従い、かつ、責任を有する実施機関の財政能力の範囲内で、次の経費を負担すること。 | |
(i) | 通勤費 | |
(ii) | 専門家及びその家族のための適当な家具付住宅 |
第6条
1 | 専門家は、海外から送金される給与に対し又はそれに関連して課される所得税その他の課徴金を免除される。 | |
2 | 専門家は、次のものの輸入に関し、輸入許可証及び為替証明書の取得要件並びに領事手数料、関税、財産及び役務に対する税その他の課徴金を免除される。ただし、特定の役務の提供の対価である料金は、この限りでない。 | |
(a) | 専門家及びその家族の携帯荷物 | |
(b) | ペルー共和国の現行法令に従い、専門家及びその家族が最初の住居設営のために携行し又は「別送荷物」として持ち込む身回品及び家財並びに専門家及びその家族がその使用のために持ち込む消費財であって必要性に応じた量のもの | |
3 | 専門家は、ペルー共和国の現行法令に従い、2年ごとに、ペルー共和国において生産される自動車1台を財産及び役務に対する税を免除されて購入することができるものとし、その自動車は、購入の後2年の期間を経過した後は、関税及び内国税を免除されて売却することができる。 | |
4 | 専門家は、2にいう携帯荷物、身回品、家財及び消費財並びに3にいう自動車の輸出について、輸出許可証の取得要件及び関税その他の課徴金を免除される。 | |
5 | ペルー共和国政府は、また、次の措置をとる。 | |
(a) | 申請があり次第、専門家及びその家族に対し入国及び出国の公用査証を発給すること。 | |
(b) | 専門家の任務に必要な便宜を与えるために専門家及びその家族に対し身分証明書を交付すること。 | |
6 | 専門家及びその家族に対して与えられるその他の特権、免除及び便宜は、ペルー共和国において同様の任務を遂行している第三国又は国際機関の専門家に与えられているものより不利でないものとする。 |
第7条 ペルー共和国政府は、専門家の任務の遂行に起因し、その遂行中に発生し、又はその遂行に関連する請求が専門家に対して生じた場合には、その請求に関する責任を負う。ただし、両政府がその請求が専門家の故意又は重大な過失から生じたことを合意した場合は、この限りでない。
第8条 専門家は、ペルー共和国政府が指定する機関を通じ、同政府と緊密に連絡を保つものとする。
第9条
1 | 日本国政府がペルー共和国政府に設備、機械及び資材を供与する場合には、これらは、荷卸しを行う港又は空港においてc・i・f建てでペルー共和国政府の関係当局に引き渡された時にペルー共和国政府の財産となる。これらの設備、機械及び資材は、供与された目的のために使用される。 |
2 | ペルー共和国政府は、1にいう設備、機械及び資材につき輸入許可証及び為替証明書の取得要件並びに領事手数料、関税、財産及び役務に対する税その他の課徴金を免除する。 |
3 | 1にいう設備、機械及び資材のペルー共和国内における輸送のための費用並びにその維持及び修理のための費用は、ペルー共和国政府が負担する。 |
4 | 専門家及び第2条(d)にいう調査団がそれらの任務を遂行するために携行する設備、機械及び資材は、別途の合意がある場合を除き日本国政府の財産である。 |
前記の専門家及び調査団は、ペルー共和国において設備、機械及び資材に課される内国税その他の課徴金を免除され、かつ、設備、機械及び資材の輸入に関し、輸入許可証及び為替証明書の取得要件並びに領事手数料、関税、財産及び役務に対する税その他の課徴金を免除される。 | |
専門家及び調査団は、設備、機械及び資材の再輸出に関し、輸出許可証の取得要件及び関税その他の課徴金を免除される。 | |
5 | 4にいう設備、機械及び資材のペルー共和国内における輸送のための費用は、ペルー共和国政府が負担する。 |
[第2条]
第10条
1 | ペルー共和国政府は、この協定に基づいて日本国政府が行う技術協力の実施機関である国際協力事業団の駐在員及び職員(以下「駐在員等」という。)を受け入れる。 |
2 | 駐在員等は、第3条にいう個別の技術協力計画の実施のために調査、関係機関との連絡調整等の任務を遂行する。 |
3 | 駐在員等は、第6条の規定に従い専門家に対して与えられる特権、免除及び便宜と同様の特権、免除及び便宜を享受する。 |
4 | 駐在員等は、任務を遂行するために必要な設備、機械及び資材につき、ペルー共和国においてそれらに課される内国税その他の課徴金を免除され、かつ、それらの輸入に関し、輸入許可証及び為替証明書の取得要件並びに領事手数料、関税、財産及び役務に対する税その他の課徴金を免除される。 |
駐在員等は、前記の設備、機械及び資材の再輸出に関し、輸出許可証の取得要件及び関税その他の課税金を免除される。 |
第11条 両政府は、この協定から又はそれに関連して生ずることがあるいかなる事項についても、外交経路を通じ相互に協議する。
第12条
1 | この協定は、日本国政府がペルー共和国政府からこの協定の効力発生のために必要な国内手続を終了した旨の文書による通告を受領した日に効力を生ずる。 |
2 | この協定は、1年間効力を有するものとし、いずれか一方の政府が他方の政府に対し少なくとも6箇月の予告をもって協定を終了させる意思を書面により通告しない限り、毎年自動的に1年ずつ更新される。 |
第13条 この協定の終了は、第3条にいう取極に基づいて実施中の計画に影響を与えるものではなく、また、同計画に関する任務を遂行するためにペルー共和国に滞在する専門家、その家族、調査団、駐在員等の特権、免除及び便宜に関しこの協定によって定められた地位に影響を与えるものではない。
以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの協定に署名した。 | |
1979年8月20日にリマで、ひとしく正文である日本語及びスペイン語により本書2通を作成した。 | |
日本国政府のために | ペルー共和国政府のために |
園田 直 | カルロス・ガルシア・ベドーヤ |
[第3条]