令和元年八月二十二日にフリータウンで、技術協力及び青年海外協力隊の事業に関する日本国政府とシエラレオネ共和国政府との間の協定の署名が行われ、同協定は、同日に効力を生じた。
令和元年九月九日 外務大臣 河野太郎
令和元年九月九日 外務大臣 河野太郎
○技術協力及び青年海外協力隊の事業に関する日本国政府とシエラレオネ共和国政府との間の協定
(令和元年9月9日外務省告示第139号) |
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日本国政府及びシエラレオネ共和国政府は、
両国間に存在する友好関係を技術協力及び青年海外協力隊員(以下「協力隊員」という。)の活動の促進により一層強化することを希望し、
それぞれの国の経済開発及び社会開発を促進することにより得られる相互の利益を考慮して、次のとおり協定した。
両国間に存在する友好関係を技術協力及び青年海外協力隊員(以下「協力隊員」という。)の活動の促進により一層強化することを希望し、
それぞれの国の経済開発及び社会開発を促進することにより得られる相互の利益を考慮して、次のとおり協定した。
第1条 両政府は、両国間の技術協力及び青年海外協力隊の事業を促進するよう努める。
第2条 この協定に基づいて行われる技術協力の個別の計画を規律する別個の取決めは、両政府の権限のある当局の間で合意される。日本国政府の権限のある当局は外務省であり、シエラレオネ共和国政府の権限のある当局は外務国際協力省である。
第3条
1 | 次の形態による技術協力は、日本国の現行の法令及び前条に規定する取決めに従い、独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」という。)により、JICAの負担で行われる。 | |
(a) | 技術訓練をシエラレオネ国民に提供すること。 | |
(b) | JICAからの専門家(以下「JICA専門家」という。)をシエラレオネ共和国に派遣すること。 | |
(c) | 幅広い技術及び豊かな経験を有する日本人ボランティア(以下「日本人シニア海外ボランティア」という。)をシエラレオネ共和国に派遣すること。 | |
(d) | シエラレオネ共和国の経済開発及び社会開発に係る計画に関する調査を行うため、日本国の調査団(以下「日本国の調査団」という。)をシエラレオネ共和国に派遣すること。 | |
(e) | 設備、機械及び資材をシエラレオネ共和国政府に供与すること。 | |
(f) | 両政府間の相互の同意によって決定されるその他の形態の技術協力をシエラレオネ共和国政府に対して行うこと。 | |
2 | 協力隊員は、両政府の権限のある当局の間で合意する別個の派遣計画により、日本国の現行の法令に従いJICAによりシエラレオネ共和国に派遣される。また、協力隊員の任務の遂行に必要な設備、機械及び資材は、JICAにより使用に供される。
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第4条 シエラレオネ共和国政府は、前条に規定する日本国の技術協力及び青年海外協力隊の事業の結果としてシエラレオネ国民が取得した技術及び知識並びに供与された設備、機械及び資材がシエラレオネ共和国の経済開発及び社会開発に寄与すること並びに軍事目的に使用されないことを確保する。
第5条
1 | JICAがJICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団及び協力隊員を派遣する場合には、シエラレオネ共和国政府は、次のことを行う。 | |||
(1) | (a) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員に対し、国外から送金される給与及び手当に対して又は当該給与及び手当に関連して課される租税(所得税を含む。)及び課徴金を免除すること。 | ||
(b) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア及び日本国の調査団の構成員並びにこれらの者の家族の構成員並びに協力隊員に対し、次のものの輸入に関し、領事手数料、租税(関税を含む。)及び課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得要件を免除すること。 | |||
(i) | 携帯荷物 | |||
(ii) | 身回品、家財及び消費財 | |||
(iii) | シエラレオネ共和国に派遣されるJICA専門家一名につき一台、JICA専門家の一家族につき一台、日本人シニア海外ボランティア一名につき一台、日本人シニア海外ボランティアの一家族につき一台及び協力隊員一名につき一台の自動車 | |||
(c) | シエラレオネ共和国に自動車を輸入しないJICA専門家及び日本人シニア海外ボランティア並びにこれらの者の家族並びに協力隊員に対し、当該JICA専門家及び日本人シニア海外ボランティア並びにこれらの者の家族並びに協力隊員が自動車を現地購入する場合には、JICA専門家一名につき一台、JICA専門家の一家族につき一台、日本人シニア海外ボランティア一名につき一台、日本人シニア海外ボランティアの一家族につき一台及び協力隊員一名につき一台の自動車に対して課される租税(付加価値税を含む。)及び課徴金を免除すること。 | |||
(d) | JICA専門家及び日本人シニア海外ボランティア並びにこれらの者の家族並びに協力隊員に対し、⒝(ⅲ)及び⒞に規定する自動車の登録料を免除すること。 | |||
(2) | (a) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団及び協力隊員の任務の遂行に必要とされる適当な事務所その他の施設(電話及びファクシミリの役務を含む。)を自己の負担で提供し、かつ、当該施設の運営費及び維持費を負担すること。 | ||
(b) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団及び協力隊員の任務の遂行に必要な現地要員(必要な場合には、英語を解する適当な通訳を含む。)並びにJICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団及び協力隊員の相手方となる当該任務の遂行に必要なシエラレオネ人の要員を自己の負担で提供すること。 | |||
(c) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア及び協力隊員に係る次の諸経費を負担すること。 | |||
(i) | 通勤費 | |||
(ii) | シエラレオネ共和国内の公用出張旅費 | |||
(iii) | 公用通信費 | |||
(d) | JICA専門家及び日本人シニア海外ボランティア並びにこれらの者の家族の構成員並びに協力隊員に対し、適当な住宅の確保につき便宜を提供すること。 | |||
(e) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア及び日本国の調査団の構成員並びにこれらの者の家族の構成員並びに協力隊員に対し、医療上の便宜を提供すること。 | |||
(3) | (a) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア及び日本国の調査団の構成員並びにこれらの者の家族の構成員並びに協力隊員に対し、任期中、シエラレオネ共和国に入国し、同国から出国し、及び同国に滞在することを許可し、外国人登録要件に係る手続に関する便宜を与え、並びに領事手数料を免除すること。 | ||
(b) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員の任務の遂行に必要な全ての政府機関の協力を確保するため、JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員に対して身分証明書を発給すること。 | |||
(c) | JICA専門家及び日本人シニア海外ボランティア並びにこれらの者の家族の構成員並びに協力隊員に対し、自動車運転免許証の取得のための便宜を与えること。 | |||
(d) | 協力隊員に対し、その任務の遂行に必要な無線通信機の設置及び使用を許可すること。 | |||
(e) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団及び協力隊員の任務の遂行に必要なその他の措置をとること。 | |||
2 | 1に規定する自動車が、その後シエラレオネ共和国内において、租税(関税を含む。)の免除又は同様の特権を受ける権利を有しない個人又は団体に売却され、又は譲渡される場合には、当該自動車に対して当該租税が課される。
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3 | シエラレオネ共和国政府は、JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア及び日本国の調査団の構成員並びにこれらの者の家族の構成員並びに協力隊員に対し、シエラレオネ共和国において同様の任務を遂行しているいかなる第三国又は国際機関の専門家、シニアボランティア及び調査団の構成員並びにこれらの者の家族の構成員並びに協力隊員に類するボランティアに与えられているものよりも不利でない特権、免除及び便宜を与える。 |
第6条 シエラレオネ共和国政府は、JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員又は協力隊員の任務の遂行に起因し、当該任務の遂行中に発生し、又は当該任務の遂行に関連して当該JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員又は協力隊員に対する請求が生じた場合には、当該請求について責任を負う。ただし、当該請求が当該JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員又は協力隊員の重大な過失又は故意から生じたことについて両政府が合意する場合は、この限りでない。
第7条
1 | (1) | JICAがシエラレオネ共和国政府に対して設備、機械及び資材を供与する場合には、シエラレオネ共和国政府は、当該設備、機械及び資材の輸入に関し、領事手数料、租税(関税を含む。)及び課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得要件を免除する。当該設備、機械及び資材は、陸揚港において保険料及び運賃込みの条件でシエラレオネ共和国政府の権限のある当局に引き渡された時にシエラレオネ共和国政府の財産となる。 |
(2) | JICAがシエラレオネ共和国政府に対して設備、機械及び資材を供与する場合には、シエラレオネ共和国政府は、当該設備、機械及び資材の現地購入に関し、租税(付加価値税を含む。)及び課徴金を免除する。 | |
(3) | ⑴及び⑵に規定する設備、機械及び資材は、両政府の権限のある当局の間に別段の合意がある場合を除くほか、第二条に規定する取決めに定める目的のために使用される。 | |
(4) | ⑴及び⑵に規定する設備、機械及び資材のシエラレオネ共和国内における輸送のための費用並びにこれらの交換、維持及び修理のための費用については、シエラレオネ共和国政府が負担する。 | |
2 | (1) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員の任務の遂行に必要な設備、機械及び資材であってJICAが用意するものは、両政府の権限のある当局の間に別段の合意がある場合を除くほか、引き続きJICAの財産とする。 |
(2) | シエラレオネ共和国政府は、JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員に対し、⑴に規定する設備、機械及び資材の輸入に関し、領事手数料、租税(関税を含む。)及び課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得要件を免除する。 | |
(3)
| シエラレオネ共和国政府は、JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員に対し、⑴に規定する設備、機械及び資材の現地購入に関し、租税(付加価値税を含む。)及び課徴金を免除する |
第8条 シエラレオネ共和国政府は、その指定する機関を通じ、JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員と密接な連絡を維持する。
第9条
1 | 日本国から派遣され、この協定に基づく技術協力の計画及び青年海外協力隊の事業に関連してJICAにより与えられる任務をシエラレオネ共和国において遂行する駐在員、職員並びに日本人シニア海外ボランティア及び協力隊員の調整員(以下それぞれ「JICA駐在員」、「JICA職員」及び「JICA調整員」という。)を置く海外事務所(以下「JICA事務所」という。)をJICAがシエラレオネ共和国において維持することができることが確認される。 | |||
2 | シエラレオネ共和国政府は、次のことを行う。 | |||
(1) | (a) | JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員に対し、国外から送金される給与及び手当に対して又は当該給与及び手当に関連して課される租税(所得税を含む。)及び課徴金を免除すること。 | ||
(b) | JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員並びにこれらの者の家族の構成員に対し、次のものの輸入に関し、領事手数料、租税(関税を含む。)及び課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得要件を免除すること。 | |||
(i) | 携帯荷物 | |||
(ii) | 身回品、家財及び消費財 | |||
(iii) | シエラレオネ共和国に派遣されるJICA駐在員一名につき一台、JICA駐在員の一家族につき一台、JICA職員一名につき一台、JICA職員の一家族につき一台、JICA調整員一名につき一台及びJICA調整員の一家族につき一台の自動車 | |||
(c) | シエラレオネ共和国に自動車を輸入しないJICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員並びにこれらの者の家族に対し、当該JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員並びにこれらの者の家族が自動車を現地購入する場合には、JICA駐在員一名につき一台、JICA駐在員の一家族につき一台、JICA職員一名につき一台、JICA職員の一家族につき一台、JICA調整員一名につき一台及びJICA調整員の一家族につき一台の自動車に対して課される租税(付加価値税を含む。)及び課徴金を免除すること。 | |||
(d) | JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員並びにこれらの者の家族に対し、⒝(ⅲ)及び⒞に規定する自動車の登録料を免除すること。 | |||
(e) | JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員並びにこれらの者の家族の構成員に対し、任期中、シエラレオネ共和国に入国し、同国から出国し、及び同国に滞在することを許可し、外国人登録要件に係る手続に関する便宜を与え、並びに領事手数料を免除すること。 | |||
(f) | JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員に対し、身分証明書並びにJICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員を送迎するために空港及び海港に出入国手続地点を越えて入るための特別通行証を発給すること。 | |||
(g) | JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員並びにこれらの者の家族の構成員に対し、自動車運転免許証の取得のための便宜を与えること。 | |||
(h) | JICA調整員に対し、その任務の遂行に必要な無線通信機の設置及び使用を許可すること。 | |||
(i) | JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員の任務の遂行に必要なその他の措置をとること。 | |||
(2) | (a) | JICA事務所に対し、JICA事務所の活動に必要な設備、機械及び資材(自動車を含む。)の輸入に関し、領事手数料、租税(関税を含む。)及び課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得要件を免除すること。 | ||
(b) | JICA事務所に対し、JICA事務所の任務の遂行に必要な設備、機械及び資材(自動車を含む。)の現地購入に関し、租税(付加価値税を含む。)及び課徴金を免除すること。 | |||
(c) | JICA事務所に対し、⒜及び⒝に規定する自動車の登録料を免除すること。 | |||
(d) | JICA事務所に対し、国外から送金されるJICA事務所の経費に対して又は当該経費に関連して課される租税(所得税を含む。)及び課徴金を免除すること。 | |||
3 | 2に規定する自動車が、その後シエラレオネ共和国内において、租税(関税を含む。)の免除又は同様の特権を受ける権利を有しない個人又は団体に売却され、又は譲渡される場合には、当該自動車に対して当該租税が課される。
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4 | シエラレオネ共和国政府は、JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員並びにこれらの者の家族の構成員並びにJICA事務所に対し、シエラレオネ共和国において同様の任務を遂行しているいかなる第三国又は国際機関の駐在員、職員及び調整員並びにこれらの者の家族の構成員並びに事務所に与えられているものよりも不利でない特権、免除及び便宜を与える。
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第10条 シエラレオネ共和国政府は、シエラレオネ共和国に滞在中のJICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員、JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員並びにこれらの者の家族の構成員並びに協力隊員の安全を確保するために必要な措置をとる。
第11条 両政府は、この協定から又はこの協定に関連して生ずることのあるいかなる事項についても相互に協議する。
第12条
1 | この協定の規定は、この協定の効力発生の後、この協定の効力発生の前に開始した技術協力の個別の計画にも適用され、かつ、シエラレオネ共和国に滞在中のJICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員、JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員並びにこれらの者の家族の構成員であって当該計画に関連するもの並びに当該計画に関連する設備、機械及び資材にも適用される。
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2 | この協定の終了は、両政府間の相互の同意により別段の決定が行われる場合を除くほか、実施中の技術協力の個別の計画及び青年海外協力隊の事業が完了する日までの間当該計画及び当該事業に影響を及ぼすものではなく、また、当該計画及び当該事業に関連する自己の任務を遂行するためにシエラレオネ共和国に滞在中のJICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員、JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員並びにこれらの者の家族の構成員並びに協力隊員に与えられる特権、免除及び便宜に影響を及ぼすものでもない。
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第13条
1 | この協定は、署名の日に効力を生ずる。 |
2 | この協定は、一年間効力を有するものとし、いずれか一方の政府が他方の政府に対しこの協定を終了させる意思を書面により少なくとも六箇月の予告をもって通告しない限り、毎年自動的に一年ずつ更新される。
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以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの協定に署名した。
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二千十九年八月二十二日にフリータウンで、ひとしく正文である日本語及び英語により本書二通を作成した。
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日本国政府のために |
姫野勉 |
シエラレオネ共和国政府のために
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ナビラ・ファリダ・チュニス |