○技術協力に関する日本国政府とエジプト・アラブ共和国政府との間の協定
昭和58年6月15日にカイロで、技術協力に関する日本国政府とエジプト・アラブ共和国政府との間の協定の署名が行われ、この協定は、昭和59年1月31日に効力を生じた。
技術協力に関する日本国政府とエジプト・アラブ共和国政府との間の協定
日本国政府及びエジプト・アラブ共和国政府は、技術協力の促進により両国間に存在する友好関係を一層強化することを希望し、また、両国の経済的及び社会的発展を促進することがもたらす相互の利益を考慮して、次のとおり協定した。
(a) | 日本国における技術訓練のためにエジプト国民を受け入れること。 |
(b) | 日本国の専門家(以下「専門家」という。)をエジプト・アラブ共和国に派遣すること。 |
(c) | エジプト・アラブ共和国の経済及び社会開発計画の調査を行うため、日本の調査団(以下「調査団」という。)をエジプト・アラブ共和国に派遣すること。 |
(d) | 設備、機械及び資材をエジプト・アラブ共和国政府に供与すること。 |
(e) | 両政府間で相互に合意することのあるその他の形態の技術協力をエジプト・アラブ共和国政府に対し行うこと。 |
(a) | 専門家の任務遂行に必要な事務所その他の施設を提供すること。 |
(b) | 専門家の任務遂行に必要な現地要員(専門家の相手方となるエジプト人要員及び、必要な場合には、適当な通訳を含む。)を提供すること。 |
(c) | 専門家に係る次の諸経費を負担すること。 |
| (i) | 通勤費 |
| (ii) | エジプト・アラブ共和国内の公用出張旅費 |
| (iii) | 公用通信費 |
(d) | 事情が許す限りの適当な住居を提供し及び医療上の便宜を供与すること。 |
1(1) | エジプト・アラブ共和国政府は、次のことを行う。 |
| (a) | 専門家及び調査団の構成員につき、海外から送金される給与及び手当に関し、エジプト・アラブ共和国の法令に基づき納付すべきものとされている所得税その他の財政課徴金を免除すること。 |
| (b) | 専門家及びその家族につき、その最初の到着後6箇月以内に行う次のものの輸入に関し、エジプト・アラブ共和国の法令に基づき納付すべきものとされている領事手数料、関税、内国税その他類似の課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得義務を免除すること。 |
| | (i) | 身回品及び家財 |
| | (ii) | エジプト・アラブ共和国に1年以上派遣される専門家1名につき自動車1台 |
(2) | 前記の自動車については、当該自動車がその後エジプト・アラブ共和国内において、関税その他の租税の免除又は同様の特権を有しない個人又は団体に売却又は譲渡される場合には、当該関税その他の租税が支払われなければならない。 |
2 | エジプト・アラブ共和国政府は、次の措置をとる。 |
| (a) | 専門家及びその家族並びに調査団の構成員に対し、その任期中、エジプト・アラブ共和国に入国し、同国から出国し及び同国に滞在することを許可し、かつ、領事手数料を免除すること。 |
| (b) | 専門家による任務の遂行を容易にするため、専門家に対し身分証明書を交付すること。 |
1 | 日本国政府がエジプト・アラブ共和国政府に設備、機械及び資材を供与する場合、これらのものは、陸揚港においてc・i・f建てでエジプト・アラブ共和国政府の関係当局に引き渡された時にエジプト・アラブ共和国政府の財産となる。これらの設備、機械及び資材は、別途の合意がない限り供与された目的のために使用される。 |
2 | エジプト・アラブ共和国政府は、1にいう設備、機械及び資材に関して、領事手数料、関税、内国税その他類似の課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得義務を免除する。 |
3 | 1にいう設備、機械及び資材のエジプト・アラブ共和国内における輸送のための費用は、エジプト・アラブ共和国政府が負担する。 |
4 | 専門家及び調査団の構成員がその任務を遂行するために携行する設備、機械及び資材は、別途の合意がない限り日本国政府の財産である。 |
| 専門家及び調査団の構成員は、設備、機械及び資材の輸入に関し、これらの設備、機械及び資材に対してエジプト・アラブ共和国において課される領事手数料、関税、内国税その他類似の課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得義務を免除される。ただし、これらの設備、機械及び資材がエジプト・アラブ共和国に最初に到着した時にエジプト・アラブ共和国政府の関係当局に登録されることを条件とする。 |
1 | エジプト・アラブ共和国政府は、日本国政府による技術協力の実施機関である国際協力事業団(以下「JICA」という。)の駐在員及び職員(以下「駐在員等」という。)が、この協定に基づく技術協力計画の実施に関連して、JICAにより与えられる任務をエジプト・アラブ共和国において遂行することに同意する。任命される職員の数は、両政府の関係当局の間で合意される。 |
2 | 駐在員等及びその家族は、第5条及び第7条4において専門家に与えられる特権、免除及び便宜と同様の特権、免除及び便宜を享受する。ただし、これらの者がエジプト・アラブ共和国の国民又は永住者である場合は、この限りでない。 |
3 | 駐在員等は、任務の遂行のためにエジプト・アラブ共和国に持ち込む設備、機械及び資材に関し、エジプト・アラブ共和国において課される領事手数料、関税、内国税その他類似の課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得義務を免除される。 |
4 | 駐在員等は、任務の遂行のための経費であって海外から送金されるものに対し又はこれに関連して課される所得税その他の財政課徴金を免除される。 |
1 | この協定の規定は、この協定が効力を生ずる前に両政府間で実施されている個別の技術協力計画にも適用され、また、当該計画を実施するためにエジプト・アラブ共和国に滞在中の専門家及びその家族、調査団の構成員、JICAの駐在員等並びに当該計画を実施するためにエジプト・アラブ共和国に持ち込まれた設備、機械及び資材にも適用される。 |
2 | この協定の終了は、両政府が明示的に別途の合意をしない限り、実施中の個別の技術協力計画の完了の日まで当該計画に影響を与えるものではなく、また、当該計画に関する任務を遂行するためにエジプト・アラブ共和国に滞在中の専門家及びその家族、調査団の構成員並びにJICAの駐在員等及びその家族に与えられる特権、免除及び便宜に影響を与えるものではない。 |
1 | この協定は、日本国政府がエジプト・アラブ共和国政府からこの協定の効力発生のための憲法上の手続を了した旨の文書による通告を受領した日に効力を生ずる。 |
2 | この協定は、1年間効力を有するものとし、いずれか一方の政府が他方の政府に対し少なくとも6箇月の予告をもって協定を終了させる意思を書面により通告しない限り、毎年自動的に1年ずつ更新される。以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの協定に署名した。 |
1983年6月15日にカイロで、英語により本書2通を作成した。 |
日本国政府のために |
中江要介 |
エジプト・アラブ共和国政府のために |
アリ・シャウキ・エル・ハディデイ |
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