○技術協力に関する日本国政府とイエメン共和国政府との間の協定
平成5年11月9日に東京で、技術協力に関する日本国政府とイエメン共和国政府との間の協定の署名が行われ、同協定は、同日に効力を生じた。
技術協力に関する日本国政府とイエメン共和国政府との間の協定
日本国政府及びイエメン共和国政府は、技術協力の促進により両国間に存在する友好関係を一層強化することを希望し、また、両国の経済的及び社会的発展を促進することがもたらす相互の利益を考慮して、次のとおり協定した。
(a) | 日本国における技術訓練のためにイエメン国民を受け入れること。 |
(b) | 日本国の専門家(以下「専門家」という。)をイエメン共和国に派遣すること。 |
(c) | イエメン共和国の経済開発及び社会開発に係る計画の調査を行うため、日本国の調査団(以下「調査団」という。)をイエメン共和国に派遣すること。 |
(d) | 設備、機械及び資材をイエメン共和国政府に供与すること。 |
(e) | 両政府間で相互に合意することのあるその他の形態の技術協力をイエメン共和国政府に対し行うこと。 |
(a) | 専門家及び調査団の任務遂行に必要な適当な事務所その他の施設を提供し、かつ、それらの運営費及び維持費を負担すること。 |
(b) | 専門家及び調査団の任務遂行に必要な現地要員(専門家及び調査団の相手方となるイエメンの要員及び、必要な場合には、適当な通訳を含む。)を提供すること。 |
(c) | 専門家に係る次の諸経費を負担すること。 |
| (i) | 通勤費 |
| (ii) | イエメン共和国内の公用出張旅費 |
| (iii) | 公用通信費 |
(d) | 現地の条件及びイエメン共和国政府の関係当局の財政事情が許す限り専門家及びその家族に対し無料の住宅を提供すること。 |
(e) | 現地の条件及びイエメン共和国政府の関係当局の財政事情が許す限り専門家及びその家族並びに調査団の構成員に対し無料の医療上の便宜を与えること。 |
1(1) | イエメン共和国政府は、次のことを行う。 |
| (a) | 専門家及び調査団の構成員につき、海外から送金される給与及び手当に対し又はこれらに関連して課される所得税その他の課徴金を免除すること。 |
| (b) | 専門家及びその家族並びに調査団の構成員につき、次のものの輸入に関し、領事手数料、関税、租税その他類似の課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得要件を免除すること。 |
| | (i) | 携帯荷物 |
| | (ii) | 専門家及びその家族用としてイエメン共和国に持ち込まれる身回品、家財及び消費財 |
| | (iii) | イエメン共和国に派遣される専門家1名につき自動車1台 |
(2) | 前記の自動車がその後イエメン共和国内において関税及び租税の免除又は同様の特権を有しない個人又は団体に売却又は譲渡される場合には、当該自動車に係る関税及び租税が支払われなければならない。 |
2 | イエメン共和国政府は、次の措置をとる。 |
| (a) | 専門家及びその家族並びに調査団の構成員に対し、その任期中、イエメン共和国に入国し、同国から出国し及び同国に滞在することを許可し、外国人登録義務手続のための便宜を与え、かつ、領事手数料を免除すること。 |
| (b) | 専門家及び調査団の任務遂行に必要とされるすべての政府機関の協力を確保するために、専門家及びその家族並びに調査団の構成員に対し身分証明書を交付すること。 |
| (c) | 専門家に対し、自動車の運転免許証の取得のための便宜を与えること。 |
| (d) | 専門家及び調査団に対し、その任務遂行上必要なその他の措置をとること。 |
3 | イエメン共和国政府は、専門家及びその家族並びに調査団の構成員に対し、イエメン共和国において同様の任務を遂行している第三国又は国際機関の専門家及びその家族並びに調査団の構成員に与えられているものより不利でない特権、免除及び便宜を与える。 |
1 | 日本国政府がイエメン共和国政府に設備、機械及び資材を供与する場合、これらのものは、陸揚港においてc・i・f建てでイエメン共和国政府の関係当局に引き渡された時にイエメン共和国政府の財産となる。これらと設備、機械及び資材は、別途の合意がない限り供与された目的のために使用される。 |
2 | イエメン共和国政府は、1にいう設備、機械及び資材に関して、領事手数料、関税、租税その他類似の課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得要件を免除する。 |
3 | 1にいう設備、機械及び資材のイエメン共和国内における輸送のための費用並びにこれらの補充、維持及び修理のための費用は、イエメン共和国政府が負担する。 |
4 | 専門家及び調査団の構成員がその任務を遂行するために携行する設備、機械及び資材は、別途の合意がない限り日本国政府の財産である。 |
| 専門家及び調査団の構成員は、それらの設備、機械及び資材の輸入に関し、領事手数料、関税、租税その他類似の課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得要件を免除される。 |
1 | イエメン共和国政府は、日本国政府による技術協力の実施機関である国際協力事業団(以下「JICA」という。)が、イエメン共和国においてJICAの海外事務所(以下「事務所」という。)を設置することを認め、また、日本国から派遣されこの協定に基づく技術協力計画に関連してJICAにより与えられる任務をイエメン共和国において遂行する駐在員及び職員(以下「駐在員等」という。)を受け入れる。 |
2 | イエメン共和国政府は、駐在員等及びその家族並びに事務所に対し、以下の特権、免除及び便宜を与える。 |
| (1) | 駐在員等及びその家族に対し |
| | (a) | 第6条に基づき専門家及びその家族並びに調査団の構成員に与えられる特権、免除及び便宜と同様の特権、免除及び便宜 |
| | (b) | 駐在員等の任務の遂行に必要な設備、機械及び資材の輸入に関して、領事手数料、関税、租税その他類似の課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得要件の免除 |
| | (c) | 駐在員等の任務の遂行のための経費であって海外から送金されるものに対し又はこれに関連して課される所得税その他の課徴金の免除 |
| (2) | 事務所に対し |
| | (a) | 事務所の活動に必要な設備、機械、自動車及び資材の輸入に関して、領事手数料、関税、租税その他類似の課徴金並びに輸入許可書及び為替証明書の取得要件の免除 |
| | (b) | 事務所の経費であって海外から送金されるものに対し又はこれに関連して課される所得税その他の課徴金の免除 |
3 | イエメン共和国政府は、駐在員等及びその家族並びに事務所に対し、イエメン共和国において同様の任務を遂行している第3国又は国際機関の駐在員及びその家族並びに事務所に与えられているものより不利でない特権、免除及び便宜を与える。 |
1 | この協定の規定は、この協定が効力を生ずる前に両政府間で実施されている個別の技術協力計画にも適用され、また、当該計画を実施するためにイエメン共和国に滞在中の専門家及びその家族、調査団の構成員並びに当該計画を実施するためにイエメン共和国に持ち込まれた設備、機械及び資材にも適用される。 |
2 | この協定の終了は、両政府が明示的に別途の合意をしない限り、実施中の個別の技術協力計画の完了の日まで当該計画に影響を与えるものではなく、また、当該計画に関する任務を遂行するためにイエメン共和国に滞在中の専門家及びその家族、調査団の構成員並びに駐在員等及びその家族に与えられる特権、免除及び便宜に影響を与えるものではない。 |
1 | この協定は、署名の日に効力を生ずる。 |
2 | この協定は、1年間効力を有するものとし、いずれか一方の政府が他方の政府に対し少なくとも6箇月の予告をもって協定を終了させる意思を書面により通告しない限り、毎年自動的に1年ずつ更新される。 |
以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの協定に署名した。 |
1993年11月9日に東京で、英語により本書2通を作成した。 |
日本国政府のために | イエメン共和国政府のために |
羽田 孜 | アブドルカリーム・アル・イリヤーニ |
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