○技術協力に関する日本国政府とアルゼンティン共和国政府との間の協定
昭和54年10月11日に東京で、技術協力に関する日本国政府とアルゼンティン共和国政府との間の協定の署名が行われ、この協定は、昭和56年8月11日に効力を生じた。
技術協力に関する日本国政府とアルゼンティン共和国政府との間の協定
日本国政府及びアルゼンティン共和国政府は、技術協力の促進により両国間に存在する友好関係を一層強化することを希望し、また、両国の経済的及び社会的発展を促進することがもたらす相互の利益を考慮して、次のとおり協定した。
(a) | 日本国における技術訓練のためにアルゼンティン共和国の国民を受け入れること。 |
(b) | 日本国の専門家をアルゼンティン共和国に派遣すること。(このような専門家を以下「専門家」という。) |
(c) | 設備、機械及び資材をアルゼンティン共和国政府に供与すること。 |
(d) | アルゼンティン共和国の経済的及び社会的開発計画の調査を行うための調査団をアルゼンティン共和国に派遣すること。(このような調査団を以下「調査団」という。) |
(e) | 両政府間で合意することのあるその他の形態の技術協力 |
(a) | アルゼンティン共和国における協力計画の実施に当たって専門家任務遂行に必要な土地及び施設を提供すること。 |
(b) | アルゼンティン共和国における協力計画を実施するために必要な(a)にいう土地及び施設の運営費及び維持費を負担すること。 |
(c) | 専門家及びその家族に対し、現地の条件及びアルゼンティン共和国の受入れ機関の財政能力を考慮して家具付き住宅を提供し、かつ、これらの者に対し、職務又は現地の環境条件から生ずる事故又は疾病に対する無料の医療便宜を提供すること。 |
(d) | 専門家の通勤費及び公用通信費並びにアルゼンティン共和国内の公用出張の場合にはそのための交通費及び必要雑費を負担すること。 |
(e) | アルゼンティン共和国における協力計画の実施のために必要な補助要員及び必要な場合には通訳を提供すること。 |
(f) | アルゼンティン共和国の専門家が適当な時期に専門家に代って適切に任務を遂行することを確保するために必要な措置をとること。 |
1 | アルゼンティン共和国政府は、また、次の措置をとる。 |
| (a) | 専門家及びその家族に対し、査証料を免除し、かつ、いつでも自由にアルゼンティン共和国に入国し又は同国から出国することを許可すること。 |
| (b) | 専門家がこの協定及び第2条にいう取極の実施のために提供する役務につき日本国から送金される給与に対して課される所得税その他の課徴金を免除すること。 |
| (c) | 専門家に対し、この協定及び第2条にいう取極に従って委託された任務を遂行するために必要な援助がアルゼンティン共和国政府の関係当局によって与えられる旨を記した身分証明書を交付すること。また、専門家と同居するその家族に対してもその身分を記した身分証明書を交付すること。 |
| (d) | 専門家に対し、専門家及び専門家と同居するその家族の身回品(家具、家庭用品及び必要な取換部品を含む。)及び消費財の持込み及び持出しに関して、輸入許可証及び為替証明書の取得要件並びに領事手数料、輸出税、輸入税その他の税及び課徴金を免除すること。 |
| (e) | (i) 専門家に対し、1家族につき自動車1台の持込みに関して、輸入許可証及び為替証明書の取得要件並びに領事手数料、輸入税その他の税及び課徴金を免除すること。 |
| | このようにして持ち込まれた自動車は、その持込みの後4年の期間を経過した後は、無税で売却し又は譲渡することができるものとし、また、その持込みの後2年の期間を経過した後は、アルゼンティン共和国の法令に定める税の支払を条件として売却し又は譲渡することができる。当該自動車は、再輸出される場合には、輸出許可証の取得要件及び輸出税その他の税及び課徴金を免除される。 |
| (ii) | (i)にいう自動車の持込みを行わない専門家に対し、アルゼンティン共和国において製造された自動車(以下「国産自動車」という。)1台を、アルゼンティン共和国の法令に基づいて課される税を支払うことなく購入することを許可すること。 |
| | このようにして購入された国産自動車は、その購入の後2年の期間を経過した後は無税で、その購入の後1年の期間を経過した後2年の期間を経過するまでは当該国産自動車を購入するときに課されたであろう税の50%を支払うことにより、また、その購入の後1年の期間を経過するまでは前記の税の全額を支払うことにより、売却し又は譲渡することができる。 |
2 | 専門家及びその家族に対して与えられる特権、免除及び便宜は、アルゼンティン共和国において同様の任務を遂行している第3国又は国際機関の専門家に与えられている特権、免除及び便宜により不利なものであってはならない。 |
1 | 第3条(c)の規定に従って供与される設備、機械及び資材は、荷卸しを行う港又は空港においてc・i・f建てでアルゼンティン共和国政府の関係当局に引き渡された時にアルゼンティン共和国政府の財産となる。これらの設備、機械及び資材は、供与された目的のために使用される。 |
2 | 1にいう設備、機械及び資材のアルゼンティン共和国の領域における輸送のための費用並びにそれらの維持及び修理のための費用は、アルゼンティン共和国政府が負担する。 |
3 | アルゼンティン共和国政府は、1にいう設備、機械及び資材に関して、輸入許可証及び為替証明書の取得要件並びに領事手数料、輸入税その他の税及び課徴金を免除する。 |
4 | 専門家及び調査団がその任務を遂行するために携行する設備、機械及び資材は、別途の合意がある場合を除き日本国政府の財産である。 |
| 専門家及び調査団は、アルゼンティン共和国においてこれらの設備、機械及び資材に対して課される内国税その他の課徴金を免除され、かつ、これらの設備、機械及び資材の持込みに関して、輸入許可証及び為替証明書の取得要件並びに領事手数料、輸入税その他の税及び課徴金を免除される。 |
| 専門家及び調査団は、これらの設備、機械及び資材の再輸出に関して、輸出許可証の取得要件並びに輸出税その他の税及び課徴金を免除される。 |
5 | 4にいう設備、機械及び資材のアルゼンティン共和国の領域における輸送のための費用は、アルゼンティン共和国政府が負担する。 |
1 | 日本国政府は、同政府がこの協定に基づいて実施する技術協力の実施機関として国際協力事業団を指定し、アルゼンティン共和国政府は、アルゼンティン共和国の領域において、国際協力事業団に対しその具体的任務の遂行に必要な法的能力を認める。 |
2 | 国際協力事業団は、協力計画の実施のために調査及び関係機関との調整の任務を遂行する駐在員及び職員(以下「駐在員等」という。)をアルゼンティン共和国に派遣する。 |
| これらの職員の数は、両政府の関係当局の合意により定められる。 |
3 | 駐在員等に対する特権、免除及び便宜については、第6条の規定を準用する。 |
4 | 駐在員等は、アルゼンティン共和国においてその任務を遂行するために持ち込む必要のある設備、機械及び資材に対して課される内国税その他の課徴金を免除され、かつ、これらの設備、機械及び資材の持込みに関して、輸入許可証及び為替証明書の取得要件並びに領事手数料、輸入税その他の税及び課徴金を免除される。 |
| 駐在員等は、前記の設備、機械及び資材の再輸出に関して、輸出許可証の取得要件並びに輸出税その他の税及び課徴金を免除される。 |
1 | この協定は、日本国政府がアルゼンティン共和国政府からアルゼンティン共和国の憲法上必要とされる手続を完了した旨の文書による通告を受けた日に効力を生ずる。 |
2 | この協定は、1年間効力を有するものとし、いずれか一方の政府が他方の政府に対し少なくとも6箇月の予告をもって協定を終了させる意思を書面により通報しない限り、毎年自動的に1年ずつ更新される。 |
3 | この協定の終了は、第2条にいう取極に基づいて実施中の計画並びに同計画に関する任務を遂行するためにアルゼンティン共和国に滞在する専門家、その家族、調査団及び駐在員等の特権、免除及び便宜に関してこの協定が定める地位に影響を与えるものではない。 |
以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの協定に署名した。 |
1979年10月11日に東京で、ひとしく正文である日本語及びスペイン語により本書2通を作成した。 |
日本国政府のために | アルゼンティン共和国のために |
園田 直 | カルロス・ワシントン・パストール |
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