○技術協力に関する日本国政府とパラグァイ共和国政府との間の協定
昭和54年2月8日にアスンシオンで、技術協力に関する日本国政府とパラグァイ共和国政府との間の協定の署名が行われ、この協定は、昭和54年7月24日に効力を生じた。
技術協力に関する日本国政府とパラグァイ共和国政府との間の協定
日本国政府及びパラグァイ共和国政府は、技術協力の促進により両国間に存在する友好関係を一層強化することを希望し、また、両国の経済的及び社会的発展を促進することがもたらす相互の利益を考慮して、次のとおり協定した。
(a) | 日本国における技術訓練のためにパラグァイ国民を受け入れること。 |
(b) | 日本人専門家をパラグァイ共和国に派遣すること。 |
(c) | 設備、機械及び資材をパラグァイ共和国政府に供与すること。 |
(d) | パラグァイ共和国の経済的及び社会的開発計画の調査を行うための調査団をパラグァイ共和国に派遣すること。 |
(e) | 相互に合意することのあるその他の形態の技術協力 |
1 | 日本国政府が専門家を派遣する場合(このような専門家を以下「専門家」という。)には、パラグァイ共和国政府は、自己の負担で次の措置をとる。 |
| (a) | 専門家の任務遂行に必要な事務所その他の施設を提供し、かつ、それらの維持費を負担すること。 |
| (b) | 専門家の任務遂行に必要な現地要員(専門家の相手方となるパラグァイ人要員及び、必要な場合には、適当な通訳を含む。)を提供すること。 |
| (c) | 次の諸経費を負担すること。 |
| | (i) | 通勤費 |
| | (ii) | パラグァイ共和国内の公用出張旅費 |
| | (iii) | 公用通信費 |
2 | パラグァイ共和国政府は、専門家及びその家族に対し次のものを提供する。 |
| (a) | 適当な家具付き住宅 |
| (b) | 職務又は現地の環境条件から生ずる事故又は疾病に対する無料の医療便宜 |
1 | 専門家は、海外から送金される給与に対し又はそれに関連して課される所得税その他の課徴金を免除される。 |
2 | 専門家及びその家族は、次のものの輸入に関し、輸入許可書及び為替証明書の取得要件並びに領事手数料、関税その他の課徴金を免除される。ただし、特定の役務の提供の対価である料金は、この限りでない。 |
| (a) | 専門家及びその家族の携帯荷物 |
| (b) | 専門家及びその家族用としてパラグァイ共和国に持ち込まれる身回品、家財及び消費財 |
| (c) | 専門家用として専門家名義でパラグァイ共和国に輸入される自動車1台。自動車の輸入許可は、日本国大使館の申請があり次第パラグァイ共和国外務省により発給される。専門家は、前記に従い自動車1台を輸入する代わりに、パラグァイで生産された自動車1台をパラグァイ共和国において自動車に課される内国税その他の課徴金なしに購入することができる。パラグァイ共和国において輸入若しくは購入された自動車は、同国の現行法令に従って売却又は譲渡することができる。 |
3 | 専門家及びその家族は、2にいう携帯荷物、身回品、家財、消費財及び自動車の輸出について、輸出許可書の取得要件及び関税その他の課徴金を免除される。 |
4 | パラグァイ共和国政府は、また、次の措置をとる。 |
| (a) | 申請があり次第、専門家及びその家族に対し入国及び出国の査証を無料で発給すること。 |
| (b) | 専門家の任務遂行に必要なすべての政府機関の協力を確保するために専門家及びその家族に対し身分証明書を交付すること。 |
5 | 専門家及びその家族は、パラグァイ共和国において同様の任務を遂行している第三国又は国際機関の専門家に与えられているものより不利でないその他の特権、免除及び便宜を与えられる。 |
1 | 日本国政府がパラグァイ共和国政府に設備、機械及び資材を供与する場合、これらは荷卸しを行う港又は空港においてc・i・f建てでパラグァイ共和国政府の関係当局に引き渡された時にパラグァイ共和国政府の財産となる。これらの設備、機械及び資材は、供与された目的のために使用される。 |
2 | パラグァイ共和国政府は、1にいう設備、機械及び資材につき輸入許可書及び為替証明書の取得要件並びに領事手数料、関税その他の課徴金を免除する。 |
3 | 1にいう設備、機械及び資材のパラグァイ国内における輸送のための費用並びにそれらの補充のための費用は、パラグァイ共和国政府が負担する。 |
4 | 専門家及び第2条(d)にいう調査団がそれらの任務を遂行するために携行する設備、機械及び資材は、別途の合意がある場合を除き日本国政府の財産である。 |
| これらの設備、機械及び資材は、パラグァイ共和国において内国税その他の課徴金を免除され、かつ、これらの設備、機械及び資材の輸入に際し、輸入許可書及び為替証明書の取得要件並びに領事手数料、関税その他の課徴金を免除される。 |
| これらの設備、機械及び資材は、再輸出に関し、輸出許可書の取得要件及び関税その他の課徴金を免除される。 |
5 | 4にいう設備、機械及び資材のパラグァイ国内における輸送のための費用は、パラグァイ共和国政府が負担する。 |
1 | パラグァイ共和国政府は、本協定に基づいて日本国政府が行う技術協力の実施機関である国際協力事業団の駐在員及び職員(以下「駐在員等」という。)を受け入れる。 |
2 | 駐在員等は、パラグァイにおける第3条にいう個別の技術協力計画の実施のために調査及び関係機関との連絡調整等の任務を遂行する。 |
3 | 駐在員等に対する特権、免除及び便宜については、第6条を準用する。 |
4 | 駐在員等は、任務を遂行するために必要な設備、機械及び資材につき、パラグァイ共和国においてそれらに課される内国税その他の課徴金を免除され、かつ、それらの輸入に際し、輸入許可書及び為替証明書の取得要件並びに領事手数料、関税その他の課徴金を免除される。 |
| 駐在員等は、前記の設備、機械及び資材の再輸出に際し、輸出許可書の取得要件及び関税その他の課徴金を免除される。 |
1 | この協定は、日本国政府がパラグァイ共和国政府からこの協定の効力発生のために必要な国内手続を終了した旨の文書による通告を受領した日に効力を生ずる。 |
2 | この協定は、1年間効力を有するものとし、いずれか一方の政府が他方の政府に対し少なくとも6箇月の予告をもって協定を終了させる意思を書面により通告しない限り、毎年自動的に1年ずつ更新される。 |
以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの協定に署名した。 |
1979年2月8日にアスンシオンで、ひとしく正文である日本語及びスペイン語により本書2通を作成した。 |
日本国政府のために | パラグァイ共和国政府のために |
内藤 武 | アルベルト・ノゲス |
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