○日本国政府とパラグァイ共和国政府との間の移住協定
(昭和34年10月26日外務省告示第105号)
改正
平成2年9月18日外務省告示第426号
 昭和34年7月22日にアスンシオンで次のとおりの日本国政府とパラグァイ共和国政府との間の移住協定が署名された。日本国政府は、同協定がパラグァイ共和国の憲法上の規定に従つて批准された旨の通告を昭和34年10月26日に受領した。よつて、同協定は、その第11条の規定に従い、同日に効力を生じた。
 日本国政府とパラグァイ共和国政府との間の移住協定
 日本国政府及びパラグァイ共和国政府は、両国民の間の友好関係を一層緊密にすることを希望し、及びパラグァイへの日本人の移住が両国に与える利益にかんがみ、その移住を促進することが相互の利益であることを確信し、次のとおり協定した。
1 この協定によつてパラグァイへの入国が認められる日本人移住者(以下「日本人移住者」という。)の数は、この協定の効力発生の日から、年齢のいかんを問わず8万5千人(85,000人)とする。
2 日本人移住者は、3,500人を最大限度とするほぼ均等の年間割当によりパラグァイに入国するものとする。日本人移住者の基準年間割当(2,833-4人)の一部又は全部が送出されなかつたときは、その割当の残余は、最大限度が定められている前記の年間割当とは別に、次年度以降において使用することができる。
1 この協定の目的を達成するため、日本・パラグァイ移住混合委員会(以下「混合委員会」という。)をアスンシオン市に設置する。
2 混合委員会は、各政府がそれぞれ3人ずつ指名する6人の委員で構成される。
3 混合委員会の主たる目的は、この協定に基く移住に関する5年ごとの基本計画(日本人移住者の種類、移住地及び定着の方法に関する計画を含む。)を作成すること及び日本人移住者に関する他のすべての問題を協議することとする。
1 パラグァイ共和国政府は、混合委員会が作成して両政府が承認した移住に関する5年ごとの基本計画の実施のため、日本国政府又はその指定する移住取扱団体が日本人移住者の入植に必要な土地(私有地であると国有地であるとを問わない。)を購入するに当り、法令の範囲内であらゆる便宜を与えるものとする。
2 購入する土地の面積は、1家族当り約50ヘクタールとして計算する。
1 パラグァイ共和国政府は、日本人移住者の自用品及び日本人移住者がその職業に応じて携行するすべての機械、器具及び用具につき、関税その他輸入品に対し課せられるすべての税金及び課徴金を免除する。
2 パラグァイ共和国政府は、さらに、日本国政府又はその指定する移住取扱団体が、パラグァイ共和国政府と事前に協議した上で、日本人移住者の使用又は移住地における使用のため、すべての機械、器具及び用具(トラクター、ブルドーザー、トラック及びジープを含む。)を、第三者に販売しないという保証の下に、関税その他輸入品に対し課せられるすべての税金及び課徴金の免除を受けて自己の負担で導入することを許可する。
1 この協定に基く移住により形成された日本人農業移住地は、現行の規則に従つてパラグァイ共和国の教育制度を遵守し、かつ、可能なときからスペイン語で教育を行うことを条件として、私立日本人学校を設けることができる。
2 パラグァイ共和国政府は、前記の学校に対し、教員の派遣その他の可能な援助を与えるものとする。
 以上の証拠として、正当に委任された日本国政府及びパラグァイ共和国政府の代表者は、この協定に署名した。
 1959年7月22日にアスンシオン市で、ひとしく正文である日本語及びスペイン語により本書二通を作成した。
 日本国政府のために 
  黒田音四郎
 パラグァイ共和国政府のために 
  ラウル・サペナ・パストール