○信用格付細則
(平成20年10月1日細則(情)第45号)
改正
平成22年3月5日細則(情)第4号
平成23年3月31日細則(情)第11号
平成24年9月28日細則(総)第36号
平成26年8月18日細則(総)第21号
平成29年3月27日細則(総)第5号
令和2年6月25日細則(総)第13号
(目的)
第1条
この細則は、独立行政法人国際協力機構信用格付規程(平成20年規程(情)第51号。以下「規程」という。)第6条の規定に基づき、独立行政法人国際協力機構(以下「機構」という。)における信用格付に係る事務を円滑かつ効率的に実施するために必要な事項を定めることを目的とする。
(定義)
第2条
この細則における用語の定義は、この細則中に定める場合を除き、規程に定めるところによる。
(ソブリン債務者)
第3条
規程第3条第1号にいうソブリン債務者は、次の者とする。
(1)
外国政府、外国中央銀行並びに外国の政府機関及び政府系金融機関(ただし、当該国政府が機構に対し、当該機関による債務不履行に際し、当該機関の設立根拠法等を根拠として、当該機関への提訴又はその資産の清算等の手続を経ずして、直接かつ即時に当該債務の履行に無条件に責任を持つことが法的に確認できるものに限る。)
(2)
外国の連邦を構成する国、州、市町村及びこれらに準ずる地方公共団体(以下「外国地方公共団体」という。)並びに外国地方公共団体の設立する機関及び金融機関(ただし、当該外国地方公共団体が機構に対し、当該機関による債務不履行に際し、当該機関の設立根拠法等を根拠として、当該機関への提訴又はその資産の清算等の手続を経ずして、直接かつ即座に当該債務の履行に無条件に責任を持つことが法的に確認できるものに限る。)。ただし、前号に該当するものを除く。
(信用格付対象の例外)
第4条
規程第2条第2項の規定に基づき、次の者については信用格付の付与を猶予することができる。
(1)
次条第2項の格付付与期限後3箇月以内に機構における与信残高が消滅することが確実と見込まれる債務者
(2)
保証人(ただし、機構が当該保証人の信用力に依拠せずに出融資を実施している場合に限る。)
(3)
財務信託に係る受託金融機関
(4)
仮払金、前払金及び保証金に係る債務者
(5)
その他金融リスク管理担当特命審議役が、審査部長と協議の上、信用格付の付与を省略又は猶予することが信用リスク管理上支障ないと認める債務者
2
規程第2条第2項の規定に基づき、債務者のうち、有償資金協力勘定における当該債務者向けの与信の全額がソブリン債務者によって保証されているものについては格付を付与せず、当該保証人に対して付与された格付を活用する。
3
規程第2条第2項の規定に基づき、ソブリン債務者のうち、外国中央銀行並びに外国の政府機関及び政府系金融機関については格付を付与せず、当該機関の所在する外国政府に対して付与された格付を活用し、外国地方公共団体の設立する機関及び金融機関については格付を付与せず、当該機関の所在する外国地方公共団体に対して付与された格付を活用する。
(信用格付の付与)
第5条
ソブリン債務者に対する信用格付は、次条に定めるもののほか、すべての信用格付対象について、少なくとも1年に1回以上格付を付与するものとする。ただし、審査部は必要性を勘案の上、任意のソブリン債務者について任意の時点で審査を行い、信用格付を付与することができる。
2
非ソブリン債務者に対する信用格付は、少なくとも1年に1回以上付与し、うち1回については、審査部長が特に困難と認めるときを除き、債務者の通期決算期末日の翌日から6箇月以内に付与する。
(有償資金協力勘定に係る信用格付の再審査)
第6条
有償資金協力勘定において、次のいずれかに該当する事由が発生した場合は、当該ソブリン債務者の信用格付を再審査するものとする。この場合においては、特に困難と認められるときを除き、再審査の開始から2箇月以内に信用格付を付与するものとする。
(1)
機構のソブリン債務者向け債権に関し、3箇月以上の延滞(ただし、既にパリクラブ等の国際的枠組に基づき当該債務支払繰延の対象となっている債務に係る延滞を除く。)が発生し、若しくは解消した場合又は債務救済が要請された場合
(2)
機構以外の債権者のソブリン債務者向け債権に関し、3箇月以上の延滞(ただし、債務支払繰延契約の締結前において既にパリクラブ等の国際的枠組に基づき当該債務支払繰延の対象となっている債務に係る延滞を除く。)が発生し、若しくは解消した場合又は債務救済が要請された場合
(3)
その他次条第2項の規定により外国地方公共団体に対し第一次格付を行う部等又は審査部がソブリン債務者の債務履行に影響を及ぼすような政治・経済状況の変化が認められると判断した場合
2
有償資金協力勘定において、次のいずれかの事由が発生した場合は、当該非ソブリン債務者の信用格付を再審査するものとする。この場合においては、特に困難と認められるときを除き、再審査の開始から2箇月以内に信用格付を付与するものとする。
(1)
機構の非ソブリン債務者向け債権に関し、延滞が発生し、若しくは解消した場合又は融資条件の緩和が要請された場合
(2)
機構以外の債権者の非ソブリン債務者向け債権に関し、延滞が発生し、若しくは解消した場合又は融資条件の緩和が要請された場合
(3)
非ソブリン債務者が、法的・形式的な経営破綻に陥った場合
(4)
その他規程第4条第1項第2号に定める第一次格付担当部等又は審査部が非ソブリン債務者の債務履行に影響を及ぼすような財務状況又は業況の変化が認められると判断した場合
3
第1項各号の事由については、当該ソブリン債務者を担当する部等(以下「国担当部等」という。)及び審査部が、前項各号の事由については、当該非ソブリン債務者向け案件を担当する部等及び審査部が、協力してその発生を監視し、当該債務者に関する情報を共有するものとする。
4
第1項又は第2項の規定により信用格付の再審査を開始した債務者の、再審査による信用格付決定までの間の信用格付は、再審査開始直前のものを適用する。
(有償資金協力勘定に係る信用格付の実施体制、手順及び関連資料)
第7条
有償資金協力勘定に係る信用格付付与は、次の各号に定める債務者の種類に応じて、当該各号に定めるところにより行う。
(1)
ソブリン債務者に係る信用格付 審査部が格付を付与する都度、審査部長が別に定めるソブリン債務者信用格付決定書を金融リスク管理担当特命審議役に提出する。
(2)
非ソブリン債務者に係る信用格付 第一次格付担当部等が第一次格付を付与する都度、審査部長が別に定める非ソブリン債務者信用格付決裁文書を審査部に提出する。審査部は第二次格付を付与した後、審査部長が別に定める非ソブリン債務者信用格付決定書を金融リスク管理担当特命審議役に提出する。
2
規程第4条第1項第1号及び前項第1号の規定にかかわらず、第3条第2号に定める外国地方公共団体の信用格付は、当該債務者の担当部等が第一次格付を行い、審査部が第二次格付を行うものとする。この場合において、第一次格付担当部等は、第一次格付を付与する都度、審査部長が別に定める外国地方公共団体信用格付決裁書を審査部に提出し、審査部は、第二次格付を付与した後、審査部長が別に定める外国地方公共団体信用格付決定書を金融リスク管理担当特命審議役に提出する。
(有償資金協力勘定に係る信用格付関係部等の協議等)
第8条
審査部は、有償資金協力勘定に係るソブリン債務者の信用格付を付与しようとするときは、必要に応じ国担当部等から当該ソブリン債務者に関する客観的事実に係る情報を求めるものとする。国担当部等はこれに応じ、審査部による信用格付の参考となる意見を提示するものとする。
2
審査部は、有償資金協力勘定に係る非ソブリン債務者の第二次格付を付与しようとするときは、第一次格付担当部等に対して、必要に応じ追加資料の提出を求めることができる。この場合、第一次格付担当部等は速やかにこれに応じなければならない。
3
審査部が、第一次格付と異なる第二次格付を付与しようとするときは、第一次格付担当部等に事前に通知し、判定事由につき協議を行わなければならない。当該協議にあたっては、審査部及び第一次格付担当部等は、当該債務者に関する客観的事実に係る認識の共有化に努めるものとする。審査部は、当該協議内容を当該債務者に係る信用格付決裁書に記載するものとする。
(開発投融資に係る信用格付の実施体制、手順及び関連資料)
第9条
開発投融資の対象出融資案件に係る信用格付は、管理部が、第11条第2項に定めるマニュアルに従って付与する。
2
管理部が、前項の規定により、審査部が信用格付を付与している債務者に対し信用格付を付与するときは、審査部に対し当該債務者の信用格付に係る情報を求めるものとする。
3
審査部は、前項の規定により管理部が情報の提供を求めたときは、当該情報を提供しなければならない。
(信用格付システム)
第10条
ソブリン債務者の信用格付は、原則として、信用格付システムを活用して行うものとする。
2
審査部は、信用格付システムの管理責任者として、その運用を行う。
(信用格付マニュアル)
第11条
規程及びこの細則に定めるもののほか、信用格付の円滑な実施のため、参照すべき事項及び事務処理要領については、審査部長が別に定める。
2
前項の規定にかかわらず、開発投融資の出融資案件に係る信用格付の円滑な実施のため、参照すべき事項及び事務処理要領については、管理部長が別に定める。
附 則
この細則は、平成20年10月1日から施行する。
附 則(平成22年3月5日細則(情)第4号)
この細則は、平成22年4月1日から施行する。
附 則(平成23年3月31日細則(情)第11号)
この細則は、平成23年4月1日(以下、「施行日」という。)から施行する。ただし、この細則による改正後の「信用格付細則」に基づく準内部規程については、この細則の施行日前に制定手続きを行うことができる。この場合において、当該準内部規程は、施行日以降の当該事務を所掌する金融リスク管理担当審議役の名義で制定する。
附 則(平成24年9月28日細則(総)第36号)
この細則は、平成24年9月28日から施行する。
附 則(平成26年8月18日細則(総)第21号)
この細則は、平成26年8月18日から施行する。
附 則(平成29年3月27日細則(総)第5号)
この細則は、平成29年4月1日から施行する。
附 則(令和2年6月25日細則(総)第13号)
この細則は、令和2年6月25日から施行する。