令和元年十月四日にルアンダで、技術協力及び青年海外協力隊の事業に関する日本国政府とアンゴラ共和国政府との間の協定の署名が行われ、同協定は、令和三年七月六日に効力を生じた。
 令和三年八月二日                 外務大臣 茂木 敏充
○技術協力及び青年海外協力隊の事業に関する日本国政府とアンゴラ共和国政府との間の協定
(令和3年8月2日外務省告示第255号)
日本国政府及びアンゴラ共和国政府は、
両国間に存在する友好関係を技術協力及び青年海外協力隊員(以下「協力隊員」という。)の活動の促進により一層強化することを希望し、
それぞれの国の経済開発及び社会開発を促進することにより得られる相互の利益を考慮して、次のとおり協定した。
1  次の形態による技術協力は、日本国の現行の法令及び前条に規定する取決めに従い、独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」という。)により、JICAの負担で行われる。
 (a)  技術訓練をアンゴラ国民に提供すること。
 (b)  JICAからの専門家(以下「JICA専門家」という。)をアンゴラ共和国に派遣すること。
 (c)  幅広い技術及び豊かな経験を有する日本人ボランティア(以下「日本人シニア海外ボランティア」という。)をアンゴラ共和国に派遣すること。
 (d)  アンゴラ共和国の経済開発及び社会開発に係る計画に関する調査を行うため、日本国の調査団(以下「日本国の調査団」という。)をアンゴラ共和国に派遣すること。
 (e)  設備、機械及び資材をアンゴラ共和国政府に供与すること。
 (f)  両政府間の相互の同意によって決定されるその他の形態の技術協力をアンゴラ共和国政府に対して行うこと。
2 協力隊員は、両政府の権限のある当局の間で合意する別個の派遣計画により、日本国の現行の法令に従いJICAによりアンゴラ共和国に派遣される。また、協力隊員の任務の遂行に必要な設備、機械及び資材は、JICAにより使用に供される。
1  JICAがJICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団及び協力隊員を派遣する場合には、アンゴラ共和国政府は、この協定に適合するアンゴラ共和国の現行の法令に従って、次のことを行う。
 (1) (a)  JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員に対し、国外から送金される給与及び手当に対して又は当該給与及び手当に関連して課される租税(所得税を含む。)及び課徴金を免除すること。
  (b)  JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア及び日本国の調査団の構成員並びにこれらの者の家族並びに協力隊員に対し、次のものの輸入に関し、領事手数料、租税(関税を含む。)及び課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得要件を免除すること。
   (ⅰ)  携帯荷物
   (ⅱ)  見回品、家財及び消費財
   (ⅲ)  アンゴラ共和国に派遣されるJICA専門家一名につき一台、JICA専門家の一家族につき一台、日本人シニア海外ボランティア一名につき一台、日本人シニア海外ボランティアの一家族につき一台及び協力隊員一名につき一台の自動車
  (c)  アンゴラ共和国に自動車を輸入しないJICA専門家及び日本人シニア海外ボランティア並びにこれらの者の家族並びに協力隊員に対し、当該JICA専門家及び日本人シニア海外ボランティア並びにこれらの者の家族並びに協力隊員が自動車を現地購入する場合には、JICA専門家一名につき一台、JICA専門家の一家族につき一台、日本人シニア海外ボランティア一名につき一台、日本人シニア海外ボランティアの一家族につき一台及び協力隊員一名につき一台の自動車に対して課される租税(付加価値税を含む。)及び課徴金を免除すること。
  (d)  JICA専門家及び日本人シニア海外ボランティア並びにこれらの者の家族並びに協力隊員に対し、(b)(ⅲ)及び(c)に規定する自動車の登録料を免除すること。
 (2) (a)  JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団及び協力隊員の任務の遂行に必要とされる適当な事務所その他の施設(電話及びファクシミリの役務を含む。)を自己の負担で提供し、かつ、当該施設の運営費及び維持費を負担すること。
  (b)  JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団及び協力隊員の任務の遂行に必要な現地要員(必要な場合には、適当な通訳を含む。)並びにJICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団及び協力隊員に協力する相手方となる当該任務の遂行に必要なアンゴラ人の要員を自己の負担で提供すること。
  (c)  現地の条件及びアンゴラ共和国政府の関係当局の財政事情が許す限り、JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア及び協力隊員に係る次の諸経費を負担すること。
   (ⅰ)  通勤費
   (ⅱ)  アンゴラ共和国内の公用出張旅費
   (ⅲ)  公用通信費
  (d)  JICA専門家及び日本人シニア海外ボランティア並びにこれらの者の家族並びに協力隊員に対し、適当な住宅の確保につき便宜を提供すること。
  (e)  JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア及び日本国の調査団の構成員並びにこれらの者の家族並びに協力隊員に対し、医療上の便宜を提供すること。
 (3) (a)  JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア及び日本国の調査団の構成員並びにこれらの者の家族並びに協力隊員に対し、任期中アンゴラ共和国に入国し、同国から出国し、及び同国に滞在すること並びに領事手数料が免除される外国人として登録することを許可すること。
  (b)  JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア日本国の調査団の構成員及び協力隊員の任務の遂行に必要な全ての政府機関の協力を確保するため、JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員に対して身分証明書を発給すること。
  (c)  JICA専門家及び日本人シニア海外ボランティア並びにこれらの者の家族並びに協力隊員について、自動車運転免許証の取得の手続を円滑にすること。
  (d)  協力隊員に対し、その任務の遂行に必要な無線通信機の設置及び使用を許可すること。
  (e)  JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団及び協力隊員の任務の遂行に必要なその他の措置をとること。
2 1に規定する自動車が、その後アンゴラ共和国内において、租税(関税を含む。)の免除又は同様の特権を受ける権利を有しない個人又は団体に売却され、又は譲渡される場合には、当該自動車に対して当該租税が課される。
3 アンゴラ共和国政府は、JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア及び日本国の調査団の構成員並びにこれらの者の家族並びに協力隊員に対し、アンゴラ共和国において同様の任務を遂行しているいかなる第三国又は国際機関の専門家、シニアボランティア及び調査団の構成員並びにこれらの者の家族並びに協力隊員に類するボランティアに与えられているものよりも不利でない特権、免除及び便宜を与える。
1 (1)  JICAがアンゴラ共和国政府に対して設備、機械及び資材を供与する場合には、アンゴラ共和国政府は、この協定に適合するアンゴラ共和国の現行の法令に従って、当該設備、機械及び資材の輸入に関し、領事手数料、租税(関税を含む。)及び課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得要件を免除する。当該設備、機械及び資材は、陸揚港において保険料及び運賃込みの条件でアンゴラ共和国政府の権限のある当局に引き渡された時にアンゴラ共和国政府の財産となる。
 (2)  JICAがアンゴラ共和国政府に対して設備、機械及び資材を供与する場合には、アンゴラ共和国政府は、この協定に適合するアンゴラ共和国の現行の法令に従って、当該設備、機械及び資材の現地購入に関し、租税(付加価値税を含む。)及び課徴金を免除する。
 (3)  (1)及び(2)に規定する設備、機械及び資材は、両政府の権限のある当局の間に別段の合意がある場合を除くほか、第二条に規定する取決めに定める目的のために使用される。
 (4)  (1)及び(2)に規定する設備、機械及び資材のアンゴラ共和国内における輸送のための費用並びにこれらの交換、維持及び修理のための費用については、アンゴラ共和国政府が負担する。
2 (1)  JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員の任務の遂行に必要な設備、機械及び資材であってJICAが用意するものは、両政府の権限のある当局の間に別段の合意がある場合を除くほか、引き続きJICAの財産とする。
 (2)  アンゴラ共和国政府は、この協定に適合するアンゴラ共和国の現行の法令に従って、JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員に対し、(1)に規定する設備、機械及び資材の輸入に関し、領事手数料、租税(関税を含む。)及び課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得要件を免除する。
 (3)  アンゴラ共和国政府は、この協定に適合するアンゴラ共和国の現行の法令に従って、JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員に対し、(1)に規定する設備、機械及び資材の現地購入に関し、租税(付加価値税を含む。)及び課徴金を免除する。
1  アンゴラ共和国政府は、JICAがアンゴラ共和国において海外事務所(以下「JICA事務所」という。)を開設し、及び維持することを認め、また、日本国から派遣され、この協定に基づく技術協力計画及び青年海外協力隊の事業に関連してJICAにより与えられる任務をアンゴラ共和国において遂行する駐在員、職員並びに日本人シニア海外ボランティア及び協力隊員の調整員(以下それぞれ「JICA駐在員」、「JICA職員」及び「JICA調整員」という。)を受け入れる。
2  アンゴラ共和国政府は、この協定に適合するアンゴラ共和国政府の現行の法令に従って、次のことを行う。
 (1) (a)  JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員並びにこれらの者の家族に対し、国外から送金される給与及び手当に対して又は当該給与及び手当に関連して課される租税(所得税を含む。)及び課徴金を免除すること。
  (b)  JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員並びにこれらの者の家族に対し、次のものの輸入に関し、領事手数料、租税(関税を含む。)及び課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得要件を免除すること。
  (ⅰ)  携帯荷物
  (ⅱ)  見回品、家財及び消費財
  (ⅲ)  アンゴラ共和国に派遣されるJICA駐在員一名につき一台、JICA職員一名につき一台、JICA調整員一名につき一台、JICA駐在員の一家族につき一台、JICA職員の一家族につき一台及びJICA調整員の一家族につき一台の自動車
  (c)  アンゴラ共和国に自動車を輸入しないJICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員並びにこれらの者の家族に対し、当該JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員並びにこれらの者の家族が自動車を現地購入する場合には、JICA駐在員一名につき一台、JICA職員一名につき一台、JICA調整員一名につき一台、JICA駐在員の一家族につき一台、JICA職員の一家族につき一台及びJICA調整員の一家族につき一台の自動車に対して課される租税(付加価値税を含む。)及び課徴金を免除すること。
  (d)  JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員並びにこれらの者の家族に対し、(b)(ⅲ)及び(c)に規定する自動車の登録料を免除すること。
  (e)  JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員並びにこれらの者の家族に対し、任期中アンゴラ共和国に入国し、同国から出国し、及び同国に滞在すること並びに領事手数料が免除される外国人として登録することを許可すること。
  (f)  JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員に対して身分証明書を発給すること。
  (g)  国の安全、公の秩序又は公衆衛生に考慮を払うことを条件として、JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員による空港及び海港におけるJICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員の送迎を円滑にすること。
  (h)  JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員並びにこれらの者の家族について、自動車運転免許証の取得の手続を円滑にすること。
  (i)  JICA調整員に対し、その任務の遂行に必要な無線通信機の設置及び使用を許可すること。
  (j)  JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員の任務の遂行に必要なその他の措置をとること。
 (2) (a)  JICA事務所に対し、JICA事務所の活動に必要な設備、機械及び資材(自動車を含む。)の輸入に関し、領事手数料、租税(関税を含む。)及び課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得要件を免除すること。
  (b)  JICA事務所に対し、JICA事務所の任務の遂行に必要な設備、機械及び資材(自動車を含む。)の現地購入に関し、租税(付加価値税を含む。)及び課徴金を免除すること。
  (c)  JICA事務所に対し、(a)及び(b)に規定する自動車の登録料を免除すること。
  (d)  JICA事務所に対し、国外から送金されるJICA事務所の経費に対して又は当該経費に関連して課される租税(所得税を含む。)及び課徴金を免除すること。
3   2に規定する自動車が、その後アンゴラ共和国において、租税(関税を含む。)の免除又は同様の特権を受ける権利を有しない個人又は団体に売却され、又は譲渡される場合には、当該自動車に対して当該租税が課される。
4  アンゴラ共和国政府は、JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員並びにこれらの者の家族並びにJICA事務所に対し、アンゴラ共和国において同様の任務を遂行しているいかなる第三国又は国際機関の駐在員、職員及び調整員並びにこれらの者の家族並びに事務所に与えられているものよりも不利でない特権、免除及び便宜を与える。
1  この協定の規定は、この協定の効力発生の後、この協定の効力発生の前に両政府の権限のある当局の間の相互の同意によって開始した個別の技術協力計画にも適用され、かつ、アンゴラ共和国に滞在中のJICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員、JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員並びにこれらの者の家族であって当該計画に関連するもの並びに当該計画に関連する設備、機械及び資材にも適用される。
2  この協定の終了は、両政府間の相互の同意により別段の決定が行われる場合を除くほか、実施中の個別の技術協力計画及び青年海外協力隊の事業が完了する日までの間当該計画及び当該事業に影響を及ぼすものではなく、また、当該計画及び当該事業に関連する自己の任務を遂行するためにアンゴラ共和国に滞在中のJICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員、JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員並びにこれらの者の家族並びに協力隊員に与えられる特権、免除及び便宜に影響を及ぼすものでもない。
1  この協定は、日本国政府がアンゴラ共和国政府からこの協定の効力発生のために必要な国内手続を完了した旨の書面による通告を受領した日に効力を生ずる。
2  この協定は、一年間効力を有するものとし、いずれか一方の政府が他方の政府に対しこの協定を終了させる意思を書面により少なくとも六箇月の予告をもって通告しない限り、毎年自動的に一年ずつ更新される。
 以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの協定に署名した。
 二千十九年十月四日にルアンダで、ひとしく正文である日本語、ポルトガル語及び英語により本書二通を作成した。解釈に相違がある場合には、英語の本文による。
 日本国政府のために
    澤田洋典
 アンゴラ共和国政府のために
    ドミンゴス・クストディオ・ヴィエイラ・ロペス