JICAの国際協力出前講座は、学生や市民の皆さま開発途上国の現状や国際協力の必要性を理解していただくため、JICAのボランティア経験者が講師となって現地での体験を伝えるものです。
学校や国際交流協会からの需要は年々高まっており、依頼側の希望講演内容や対象者も多様化しています。
この出前講座を、小学生から大人まで、さまざまな立場の人たちに、どうすれば「よりわかりやすく、国際協力の必要性を伝えられるか。」、「自分らしく活動体験を伝えられるか。」を学ぶための、JICAボランティア経験者を対象とした講座です。
「JICAボランティアで体験したことを多くの人に伝えたい!」と思う方は、ぜひ一度参加してみてください。
講演のための話術だけでなく、コミュニケーション技術、プレゼンテーション能力のアップにもつながることはうけあいです。
「ぐるるるるるる」、「ぐふぐふっ」、「くほっくほっ」と場内にゴリラ語が流れ、参加者は、ゴリラダンスを踊り、絵本の朗読を真剣に聞いています。しかも参加者は、子供ではなく大人たちです。
これは、帰国したJICAボランティアを対象に行ったセミナーの1コマ。「あなたの海外での経験をぜひ、子供たちに話してください。」そう言われたら、あなたならどうしますか?
JICA兵庫には、学校を始め多くの方々から「JICAボランティアで活動していた人の体験談を聞きたい。」という声が寄せられます。とはいえ、文化も全く違う海外の体験を、経験したことのない人にわかりやすく伝えるのは至難の技です。
そこで、JICA兵庫では、JICA大阪との共催で帰国ボランティアを対象としたセミナーを開催しました。題して「体験談の伝え方講座 書く技術、話す技術」。
「膨大な資料から何をどう伝えるか。」参加者は熱心にメモをとっていました。
歌や踊りを織り交ぜて、子供たちの心を惹きつけよう!
第1回目の1月17日、講師として招いたのは、読売新聞大阪本社で論説委員を務めている永田広道さん。新聞記者といえば、見聞きしたことを文章にまとめるプロです。実際にご自身で取材したネパールの記事を例に挙げながら、人を惹きつける文章の書き方や記録・記憶の整理術について参加者37人に講演しました。
続いて、絵本作家の伏原納知子さんと体育・ダンス講師の森岡美紀さんが講演を行いました。伏原さんは、コンゴ民主共和国で暮らした経験があり、アフリカを舞台にした絵本を発表しています。友人である森岡さんと共に京都市内を中心に小学校で絵本・歌・踊りを通じて国際理解教育を実践しています。今回は、参加者がその授業を体験しました。それが本文冒頭の一幕です。集中力が長く続かない小学校低学年には絵本で興味を持たせたりダンスや歌が有効であることや、楽しみながら学ぶ方法など、出前講座のヒントになることがたくさんありました。写真のスライドショーやパワーポイントとは違ったプレゼンテーションの方法を学びました。
第2回目は、3月20日に大阪市立生涯学習センターで開催し、77人が参加しました。第2回目のテーマは「話す」ことです。講師としてイギリス出身の落語家ダイアン吉日さんをお招きしました。ダイアンさんは、落語や着物などの日本文化に魅了され、今は英語落語家として活躍しています。ユーモアを交えながら話すご自身の異文化体験は、私たちもはっと気付かされる内容でした。JICAボランティアとして赴任した時は、異文化体験の連続です。日本と外国の違いや共通点を見つめることで、お互いの良いところも見えてきます。帰国したボランティアには、体験談でそのようなことを伝え、両者の架け橋となることも期待されています。
最後に登場した講師は、青年海外協力隊OBの西原昇さんです。西原さんは、ジンバブエで「映像」という職種の活動していました。映像の撮り方や見せ方の基本について、動いている対象物に対しては止まって撮影する、アングルを決めてから撮影に入る、話や写真よりも映像で見せた方が効果的な事例など、どれも大切ですぐに使える内容でした。
JICA国際協力出前講座などで人前で話す機会の多い帰国ボランティアの方のためにこれからも「体験談の伝え方講座」を開催しますので、帰国ボランティアの皆さん、どうぞご参加ください。JICA兵庫では、これからも「心に届く体験談」をめざして、帰国ボランティアのスキルアップを図っていきます。
参加型学習のワークショップには、多くの気づきがありました。
参加型手法を取り入れた出前講座模擬授業を体験中です。
プレゼンテーションを成功に導くための様々な要素を教えてもらいました。
2008年2月24日と3月15日にJICA国際協力出前講座「伝え方講座」を実施しました。JICA国際協力出前講座とは、学生や市民の皆さんに開発途上国の現状や国際協力の必要性を理解していただくため、JICAボランティアOBが講師となって現地での体験を伝えるものです。本講座は、講師となるJICAボランティアOBの皆さんに体験談をより効果的に聞き手に伝える技術を身につけてもらうことを目的として行っているものです。
2月24日の講座には、青年海外協力隊OB12人が参加しました。当日は、柳学園中学高等学校で日々異文化理解教育を実践している山中信幸先生に授業の組み立て方や注意点について講義していただきました。講義内では、参加者自身が考え、気づきにつながるといった参加型学習のワークショップを、異文化理解をテーマにした教材を用いて開催しました。その後、青年海外協力隊OB岡佐保子さんによる出前講座の模擬授業を行いました。体験談の中にうまくクイズを取り入れるなど工夫を凝らした岡さんの授業は、大変参考になりました。参加者からは、「自分自身で応用しながら活用しようと思います。」、「自分が実際に行う時のイメージをしやすくなりました。」などの声が聞かれ非常に好評でした。
3月15日の講座には、青年海外協力隊OB12人、シニア海外ボランティアOB8人、日系社会青年ボランティア1人、日系社会シニアボランティアOB2人が参加しました。当日は、特にプレゼンテーションの技能向上を目的として、NPO法人国際プレゼンテーション協会の数々の研修プログラムでご活躍の脇谷聖美さんを講師として招いて実施しました。講義では、「パソコンを用いるだけがプレゼンテーションではない。」として、コミュニケーションの基本から、事前準備のコツ、話の組み立て方に至るまで、わかりやすく説明していただきました。この講座で得た知識は、出前講座にとどまらず、様々な場面で応用できることでしょう。また、人前で話をするのが苦手だと言っていた受講者が、参加後には「自分も出前講座をやってみたくなりました。」と感想を寄せるなど、さっそく本講座の効果が得られました。
参加した皆さんには、プレゼンテーションスキルアップのみならず、自分の活動を見直す良い機会となったようです。これからも楽しく参加できて、参考になる「伝え方講座」を企画しますので、ボランティアOBのみなさん、どうぞご期待ください!
2月24日
3月15日
写真から読み取れることを参加者が話し合っています。
ファシリテーターの香月氏が写真の背景について解説しています。実状を聞いて参加者の反応は…。
2005年8月12日に、JICA国際協力出前講座「伝え方講座」※(第2回)を実施しました。
今回の「伝え方講座」は、協力隊活動の体験を伝える方法の一つとしてフォトランゲージの手法を紹介しました。当日は、青年海外協力隊OB20名とシニア海外ボランティア2名が参加しました。
はじめに、(財)神戸国際協力交流センター配置の川池国際協力推進員から出前講座を成功に導くための基本を説明しました。(「伝え方講座」(第1回)実施分レジュメ(PDF/762KB)をご参照ください。)その後、(社)青年海外協力協会(以下、JOCA)近畿支部長の香月龍太郎氏がファシリテーターとなってフォトランゲージのワークショップを行いました。フォトランゲージとは写真を使って行う参加型学習方法の一つです。写真から読み取れる特徴について参加者全員が自由な発想をもって話し合い、写真を読み解くなかから、いろいろな気づきが生まれます。今回は、フォトランゲージの教材として、JOCAが青年海外協力隊の活動に基づいて作成した「地球生活体験学習教材」を使用しました。同教材を活用し協力隊員が活動体験から悩んだこと、驚いたことを通じて、その先に見えるものを皆で一緒に考えます。
ワークショップでは、6グループに分かれてルーマニアの子供たちが写っている3枚の写真から読み取れることを話し合い、その内容を各グループの代表者が発表しました。その後、ファシリテーターの香月氏が写真に写っている子供たちの実際の状況を説明すると、実状と参加者が話し合った内容とが大きく違うことに驚かされ、写真から読み取ることができなかった子供たちの置かれている厳しい現実と、自分たちをとりまく環境とを照らし合わせて多くのことを考えさせられました。香月氏は、体験をただ単に伝えるのではなく、開発途上国での生活を1つのものさしとして、日本に暮らす自分たちの生活を考えるきっかけを与えるような講座を組み立てることが重要だと強調していました。
参加者の皆さんは、今回のワークショップを体験して、写真を使って効果的にメッセージを伝える方法を学んだようです。自分の写真で実践してみたいという声も多くありました。今回の手法を次回の出前講座に活かしていただきたいと思います。
※JICA国際協力出前講座とは、学生や市民の皆さんに開発途上国の現状や国際協力の必要性を理解していただくため、JICAボランティアOBなどが講師となって現地での体験を伝えるものです。「伝え方講座」は、講師となるJICAボランティアOBの皆さんのプレゼンテーションスキルアップを目的として行っています。
模擬授業で手作りの紙芝居を披露する的場OB
迫力ある岩佐OBの模擬授業に、皆引き込まれました。
楽しくグループワークが進みます。
グループワークで話し合った内容を発表。さて、今回の講座の成果は?
2005年3月21日にJICA国際協力出前講座「伝え方講座」を実施しました。JICA国際協力出前講座とは、学生や市民の皆さんに開発途上国の現状や国際協力の必要性を理解していただくため、JICAボランティアOBが講師となって現地での体験を伝えるものです。今回の講座は、講師となるJICAボランティアOBの皆さんのプレゼンテーションスキルアップを目的として行いました。当日は、青年海外協力隊OB8名、シニア海外ボランティアOB3名、日系社会シニアボランティアOB1名が参加しました。
午前中の講義は、講演対象者別のアドバイスや、事前準備の仕方など、国際協力出前講座を成功に導くためのヒント満載の講義を行いました。
午後は、青年海外協力隊OBによる出前講座の模擬授業とグループワークを行いました。お二人の講師による模擬授業は、それぞれの個性が活かされた素晴らしい講演でした。どちらも聴衆を惹きつけるための工夫に溢れていて、大変参考になりました。
グループワークでは、3グループに分かれて、仮想の依頼講演内容に基づいた講演のプログラミングをしてもらいました。
それぞれのグループで話し合った結果の発表では、今回の講座の成果が表れていたように思えます。
参加者の皆さんにとって、プレゼンテーションスキルアップのみならず、意見交換・情報共有の良い場ともなったようです。次回も楽しく参加できて、参考になる「伝え方講座」を企画しますので、どうぞご期待ください!