美加の台小学校に到着した時には、児童たちが花のゲートでお迎えしてくれました
2011年1月27日から3月9日まで「デジタルデバイド解消に向けた情報コミュニティのためのICT活用コーディネータ育成」研修が実施され、アジア(スリランカ、ミャンマー)、アフリカ(モーリシャス、ルワンダ)、南米(ブラジル)の5カ国から6名の研修員が参加しました。それぞれの研修員は、インターネットなどの情報通信技術を活用した「情報コミュニティ」設置に必要な技術を日本で学び、自国でそれらを普及させるコーディネータとして活躍することが期待されています。
そして、2月25日、研修プログラムの一つとして河内長野市立教育メディアセンターを訪問し、梅田昌二先生の案内のもと、隣接する美加の台小学校で活用されているICT(情報通信技術)を見学しました。
河内長野市立教育メディアセンターは、平成14年に教育現場における情報通信機器等の共有化と活用支援のための施設として設立されました。高度情報通信ネットワーク社会が進展していく中で、子どもたちが、コンピュータやインターネットを活用し、情報社会に主体的に対応できる「情報活用能力」を育成することが重要です。それに対応すべく、ICTを活用した「わかる授業」「魅力ある授業」を積極的に推進しています。
エチオピア田中隊員による遠隔授業の見学
河内長野市立教育メディアセンターはインターネットを使ったテレビ会議システムを保有しており、以前からそれを利用して世界各国で活動するJICAボランティアが小・中学生に向けて各国の様子などを伝える遠隔授業を国際理解教育の一環として実施しています。
今回は、美加の台小学校と千葉県の小学校、そしてJICAエチオピア事務所の3ヵ所をインターネットでつなぎ、エチオピアで活動する青年海外協力隊田中剛隊員(職種:理数科教師)が遠隔授業を実施。その様子をJICA研修員が見学しました。研修員の一人は、「日本の小学生がエチオピアについて、このように(現地から画面を通して生中継で)学んでいることに驚いた。」と言い、ICT(情報通信技術)活用の一例に感心していました。
モロッコ札場隊員と交流し、テレビ会議を体験しました
続いて、同じく青年海外協力隊員としてモロッコで活動する札場計江隊員(職種:体育)とメディアセンターをつなぎ、研修員たち自身が札場隊員と言葉を交わして交流を実施。研修員たちは、札場隊員にモロッコでの生活の様子やパソコンやインターネットの利用状況を尋ね、海外で活動するJICAボランティアの実態についても理解を深めていました。
まとめとして、本テレビ会議システムの具体的な利用方法について梅田先生に講義いただいた研修員たちは自国とメディアセンターをつないで同様の取組を行うことを約束していました。
メディアセンターの方々とJICA研修員たち
その他、研修員たちは、算数の授業における電子黒板や計算ソフトの活用例、英語の授業におけるパソコン・プロジェクターを通した映像の活用例などを見学し、教育現場における具体的なICT活用事例を学びました。
また、見学の中で、児童たちから歓迎の歌や演奏を受けるなど、日本の小学生との交流も実現し、その元気で温かい歓迎ぶりに感激しました。
半日の訪問でしたが、研修生たちにとっても美加の台小学校の児童たちにとっても、楽しく、学びの多い時間となったようです。
この研修事業の受入機関は以下の通りです。