日本の伝統技能の体験を通じて技能者との交流を図りました。
障害者雇用企業を訪問し、障害者による生産現場から5Sも学びました。
アクションプランの発表後は、活発な意見交換が行われました。
アフリカの英語圏9か国(ウガンダ・エチオピア・ガーナ・シエラレオネ・ジンバブエ・タンザニア・ナミビア・ボツワナ・リベリア)から20人の青年を受入れ、2010年度に続き「職業訓練教育コース」の研修を実施しました。
県内の多様な職業訓練教育機関や企業などを訪問し、国際用語となっている「カイゼン」があらゆる分野の作業効率をあげるのに有効であることを現場の視察から学んだほか、自国にはない障害者向けの職業訓練教育、高等学校での高度な技術教育や子供向け職業体験施設、リサイクルへの取組みなどが印象に残ったようでした。また、熟練技能者の指導による日本の伝統技能の体験を通じ、指導者に必要な資質を学んだという声も聞かれました。
研修員からは、「高等学校での技術教育や子供向けの職業体験施設を見学し、若年から職業意識を持たせることは有益であると感じた。」といった意見や、「訓練施設や企業等で障害者の職業訓練が行われており、障害者の社会参加が経済発展にも寄与していることに感銘を受けた。」との声が多く聞かれ、訪問した障害者の訓練施設では生徒たちと肩を寄せ合い交流する研修員たちの姿が印象的でした。また、政府が無料で求職者向けのサービスを行う「ハローワーク」の機能にも関心が集まり、アクションプラン(注)でもそれらの実現に向けた意欲的な発表がなされました。
訪問先の方々には非常に温かく受入れていただき、研修員たちは職業訓練に関する理解を深めるとともに、日本人の勤勉さ・誠実さ・礼儀正しさや、時間を守るといった姿から日本経済が発展した背景を肌で感じたようでした。
帰国後に研修員から届いたメールによると、研修で学んだことの実践に向け提案書を作成するなど早速それぞれの職場で活躍しているようです。今後も末永くこの研修で築いた絆と学びを大切にし、職業訓練教育を通じ産業の発展を担うリーダーとして活躍することを願っています。
(注)研修員が学んだ内容を自国で活用するために作成する実行計画
公益財団法人兵庫県国際交流協会
協力課 課長補佐 岡本 有希子