追手門学院大学 国際教養学部 3回生
杉村 聡志
※2011年度までは、旧JICA大阪と旧JICA兵庫が、別々に業務を行っていました。以下の記事は、当時のものをそのまま掲載していますので、ご了承ください。
私は8月22日から9月2日までの2週間の間、JICA大阪でインターンシップを経験させて頂きました。私がこのインターンシップを志望したきっかけは、大学の先生からの紹介です。最初はせっかくの機会をいただいたので、自分の視野を広げるという目的で参加してみようと思っていました。しかし、そのあとに国際協力にすごく興味を持つ出来事がありました。それは、東日本大震災で被災した方達に各国から沢山の支援が送られてきたというニュースでした。そのニュースを知り、色々な国の人達が日本の事を思ってくれているという事がすごく嬉しかったので、その事がきっかけで国際協力に大きく興味を持ちました。しかし、今まで専門的に勉強してきたわけではなかったので、何も国際協力について知らない状態でした。そこでインターンシップを通して、どんな国際協力があるのか、日本はどんな国際協力をしているのか、他にも国際協力について色々な事を学び、自分の進路や好奇心を広げる事になると思い参加しました。
私がこのインターンシップで学んだ事は大きく3つあります。
1つ目は、日本が国際協力をする理由です。困っている人を放っておけない道徳的理由、お互い助け合うという相互依存の理由、環境問題に取り組むという理由、戦後日本も支援をしてもらったので、そのお返しという理由の4つがある事を学びました。この事を学んだ事で、自分の国際協力についての視野がすごく広がりました。今までは、日本は道徳的な理由だけで国際協力をしていると思っていました。しかし、今回、相互依存の重大性を知り、国際協力は日本にとって本当に必要不可欠な事と思いました。また、環境問題を解決する助けになる事、そして、戦後、沢山の支援を現在の途上国と呼ばれる国からしてもらった事など、本当に興味深い事ばかりを学ばせて頂きました。
2つ目は、JICAや国際協力について広く色々な方達に認知してもらうというのは難しいという事を実感しました。一度、JICA事業の広報の為に教員の方々が集まるイベントに行きました。そこで、パンフレットの配布をお手伝いしたのですが、殆どのパンフレットが残ってしまいました。JICAを少しでも知っている方や、国際協力に興味のある方は取って行って下さるのですが、あまり関心の無い方や、JICAの名前を知らない方は通り過ぎてしまう方が多かったです。私はそれがすごく残念でした。殆どの先生方が小・中学校の先生方だったので、そういう方がもっと興味を持って授業などに取り入れて欲しいと思いました。私のように大学に入ってから国際協力に興味を持つよりも、小・中学生の頃から興味を持っていたら自分の選択肢が広がっていただろうなと思ったからです。それを知ってからJICA大阪が行なっている中学生の施設見学やイベントなどは、大人から子供まで国際協力に興味を持って貰える大事な事業であるという実感が出てきました。
3つ目は、日本の抱える問題について知った事です。このインターンシップの期間中に途上国からの研修員の方達に同行し琵琶湖へ行きました。琵琶湖には、水質汚染の問題や外来魚が増えている事など沢山の問題がある事を知りました。しかし、琵琶湖に行くのは初めてでしたし、環境についても知識が無かったので、多くを学ぶ事は出来ませんでした。しかし、途上国の方は自国の事のように真剣に勉強されていました。琵琶湖の問題も大きく言えば日本の抱える問題であるので、日本人として私は知っていなければならない事だと思いました。今まで世界の問題にもそうですが、日本の問題についてもしっかり目を向けられていなかったなという事を感じました。従って自分の視野を広げるという意味では、すごく良い経験であったと思っています。これからそういう事にも目を向けていきたいです。
私はインターンシップで学んだ事を「ただ学んだだけ」にするのではなく、もっとその知識を深めたいと思っています。特に、国際協力が本当に重要であるのにも拘わらず、その重要性の認知が薄いという事が本当に心に残っています。これからの身近な生活の中で国際協力や途上国、日本の問題についてのニュースに目を向ける事で知識を吸収し続ける努力をすること。そして、それを色々な人と話していく努力をする事。これらを頑張りたいと思っています。また、そのような努力を通して、自分の将来の道を広げる事に繋げられればいいなと思っています。
最後になりましたが、2週間という短い期間、何の知識もない私を受け入れて下さったJICA大阪の皆様、本当にありがとうございました。今回の経験をこれからの人生に活かせるようにがんばります。
杉村さんは、国際協力を専門とはされておらず、他のインターンの学生さんと違うバックグランドを持って今回インターンに臨んでいただきました。国際協力の知識がない点を引け目に感じておられたようですが、逆に専門にしていないからこその視点で広報業務などをお手伝いいただき、インタビュー記事などをまとめていただけた点は良かったと思います。国際協力はいろいろな専門性を持った人が集まってこそ効果ある協力ができる分野だと思っています。国際協力を専門にしなくても、別の専門性を磨いていただき、そのうえで国際協力のお手伝いしていただけるように、今後も頑張ってもらえればうれしいです。