【インターンシップ体験記】 JICA大阪にインターンがやってきた!<その4>

【画像】青山 さくら

大阪大学 外国語学部 3回生
青山 さくら

※2011年度までは、旧JICA大阪と旧JICA兵庫が、別々に業務を行っていました。以下の記事は、当時のものをそのまま掲載していますので、ご了承ください。

インターンの志望動機

私は「女性」としてホンジュラス出身の母、日本人の父のもとにホンジュラスで生まれ、幼少期をアメリカで過ごし、中学生の時にはメキシコに住んだ経験があります。ここで、私が女性であることを強調したのには訳があります。メキシコでは女性であるという理由で様々な不利益を被ったり、抑制されたりするマチスモ(男性優位主義)という風潮があります。なぜ、彼女たちはそのような扱いを受けているのだろうかと強く疑問に感じ、同じ女性として憤りを覚えました。女性の社会的立場の改善は、国の発展にとって大切なことであると考えます。また、メキシコでの生活を通して、中南米諸国では依然として貧富の差が著しいことに気がつき、自分にできることはないかと考えました。

私は小学生の頃から国際協力に携われる仕事に就きたいと考えています。もう大学3年生ですし、将来の夢を叶えるために本格的に始動しないといけないと思いました。JICA大阪の事業のうちのひとつである研修員受入事業は開発途上国が自国内において持続可能な開発をするためには必要不可欠な活動であると思い、インターンを希望しました。

インターン中の業務

私は研修業務課の「中米・カリブ地域官民パートナーシップによる地域産業振興」という研修コースに1か月間同行させていただきました。この研修は地方農村部から都市への人口や資本の移動が進展する一方で、地方での地域経済・社会の衰退が問題となっている中米、カリブ地域の国々の地域産業振興に携わる行政および産業界の官民パートナーシップの強化を図る目的で実施されました。今回は、グアテマラ、エルサルバドル、パナマ、ニカラグア、ホンジュラス、ドミニカから合計8人の研修員の方々が来日しました。語学力を活かして、研修員の方々が来日前に書かれたインセプションレポートをスペイン語から日本語に訳してまとめる作業をさせていただきました。このように、事務所での事務作業もありましたが、ほとんど研修員の方々に同行していたので、私自身彼らと一緒に研修を受けて、様々なことを学びました。
 多くの時間を共に過ごすことで彼らにインタビューをしたり、出身国の現在の状況についてきいたりすることができました。特に、農村部における女性の現状についての話は大変興味深かったです。

インターンを通して学んだこと

中米の国々とJICA大阪・JICA東京をつないで、過去に来日した研修員の方々が、来日中に作成したアクションプランの進み具合を報告する目的で開催されたテレビ会議にも、参加させていただける機会がありました。そこで、思ったのが理論をたてるのは簡単なことでありますが、現実世界でそれを行うのは非常に困難であるということです。

また、語学力の重要性も感じられました。今回とても嬉しかったのが、現在大学で勉強している4言語(スペイン語、フランス語、英語、イタリア語)の全てを使用できたことです。チュニジア出身の研修員の方とはフランス語で、中米の研修員の方々とはスペイン語で、通訳なしに会話ができたのでたくさんの情報を同時に受取れました。ほかの国々からの研修員とは、英語で会話しました。彼らは誰もがフレンドリーで、学生である私の意見も聞いてくださいました。知っている言語が多いほど、話せる人の数も増え、世界も広がると私は考えます。そこで、大学ではこれからもさらにこれらの言語を極めたいと思いました。また、同期のインターン生も志が高い人ばかりで、よい刺激を受けました。いつか国際協力というフィールドで一緒に仕事ができればと思います。

今後どのように活かすか

多少大げさに聞こえるかもしれませんが、私はこの夏休みが今までで最も生産的で、充実したものだと思っております。海外に1か月旅行に行くより、JICA大阪で1か月過ごせて本当に良かったと思います。旅行では自分が行ける国が限られてしまいますが、JICA大阪にいるとアフリカ、アジア、ラテンアメリカなど様々な地域からの人々と出会えます。実際、今回のインターンを通してたくさんの地域の方々と知り合いになれました。

私の担当者の方には、ジェンダーに関する書籍や統計などの資料を紹介していただきました。残り少ない学生生活を通してこれらの本を読んで、このインターン中に抱いた熱い思いを忘れないようにしたいです。私は彼女を心の底から尊敬していて、いつか彼女のように多くの女性をエンパワーメントできる女性になりたいと思います。

ホンジュラスで生活した時はまだ幼かったのですが、国の発展に貢献できるように、特に女性が質のよい教育を受け、経済的に自立し、社会的地位が向上できるように、私はこれからさらにこの夢を叶えられるように頑張ります。このインターンでの経験、得た知識は私の財産です。
 
最後になりましたが、JICA大阪のオフィサーの皆様、1か月間大変お世話になりました。皆様が親切に接してくださったおかげで、JICA大阪に行くのが毎朝、大変楽しみでした。私はインターナショナルな雰囲気のJICA大阪が大好きです。

担当者からのメッセージ

青山さんには、ご自身のご経験やご専門を存分に活用して、研修事業の運営に携わっていただきました。幼少期・学生時代を過ごされた中米の国々で、実際に見聞され、感じたことは、語学力を含め、国際協力を目指す際の基礎になると思います。これからも研修員との交流等で得た気づきや、青山さんの豊かな感性を大切に、また近い将来、世界のどこかで一緒に国際協力に携われることを楽しみにしています。

【画像】

「中米・カリブ地域官民パートナーシップによる地域産業振興」研修の閉講式にて

【画像】

研修員と記念写真!