【JICA研修員】日本の伝統と最新技術を自国の人々に伝えたい!

【画像】シャーザルール リザル ジョッダリ (マレーシア)

旧JICA大阪 研修員
シャーザルール リザル ジョッダリ (マレーシア)

今回紹介するマレーシア出身のリザルさんは「湖沼環境保全のための統合的湖沼流域管理」というJICAプログラムに参加している研修員です。このプログラムは湖沼の水質の改善・保全を目的とした内容で、他にもミャンマー、タイ、ウガンダ出身の研修員が参加しています。

当プログラムに応募したきっかけを教えてください。

私は、マレーシア政府サバ州の灌漑・排水部、水資源管理課でエンジニアとして働いています。そこで上司にこのプログラムを推薦されたのが直接の理由です。マレーシアでは人々の水質や環境保全へ認識が低く、近年、不適当な水域の開拓のせいで、水質の悪化が問題になっています。しかし、その問題に対処するための専門的技術や知識にも欠けています。私は必要な経験を積むためにJICAプログラムに参加しました。私の故郷のサバ州には1998年に制定された河川・湖沼などの水域を保護・改善する条例(Sabah Water Resources Enactment of 1998)があり、JICAの研修はその条例に関連する技術や知識を提供してくれる内容です。

研修について詳しく聞かせて頂けますか?

今回の研修を通じてとてもたくさんの場所を訪問し、多くのことを学びました。具体的な例をあげると、浄水場の見学や水質管理・分析などに役立つソフトウェアプログラム(SWATモデル)の最新技術の勉強などです。中でも特に印象に残ったのが‘はりえ’(針江)と呼ばれる村への訪問でした。針江は琵琶湖の脇に位置する小さな集落で、村中に水路が張り巡らされており、そこには清らかな湧水が流れていて、各家庭には‘かばた’(川端)と呼ばれる取水場がありました。村の人たちはその水路を自分たちで掃除し、とても大切にしていました。この村の人々は協力し合いながらとても仲良く生活していて、一つの村が一つの家族の様でした。彼らの環境に対するまじめな姿勢から学ぶものことがたくさんあると思いました。それをマレーシアの人々に伝えたいです。

マレーシアはどんな国ですか?

とてもフレンドリーな国です。多国籍国家でたくさんの人種が一緒に暮らしている国です。国際結婚も多く、私の友人の一人も日本人の男性と結婚しています。スポーツはバドミントンが有名です。バドミントンで世界一の選手はマレーシアの人です。マレーシアにはたくさんの果物があり、特にドリアンは「果物の王様 (king of fruits)」としてよく知られています。ドリアンは表面がとげとげで、臭い果物ですが、とても甘くておいしくて、マレーシアではほとんどの人が好きな果物です。

日本の印象は?

「Speechless。」言葉を失うほど素晴らしいと思いました。私は日本語が話せませんが、スーパーマーケットやローソン、セブンイレブンなどのコンビニでも店員さん達はとても親切で、私が探しているものを見つけるまで助けてくれました。駅で表示を読めずに困っている時も、人々は親切に案内してくれましたし、電車を待つのに並ぶ正解な位置まで教えてくれました。それから、電車やバスの時間の正確さには驚きました。1、2分遅れでもとても正確だと思うのですが、私の乗るバスは毎回時間通りぴったりに来ます。

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琵琶湖博物館で展示物の説明を受ける (右端が講師の楠岡先生)

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琵琶湖博物館のザリガニとの触れ合い体験コーナーにて

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滋賀大学の実習船で琵琶湖の中で水を採取し分析実習