JICA関西インターンシップ体験談〜吉松友美さん〜

神戸大学大学院 国際関係・比較政治論コース 博士課程前期課程 1年
吉松 友美

インターンの志望動機

【画像】私は青年海外協力隊として約2年間ジャマイカ国に派遣され、1年前に日本に帰国しました。その後、関心の強かった分野についてより深く学びたいと思い大学院に入学しましたが、入学後、「国際協力の業界へ戻りたい。もっと勉強をして、将来専門家として活躍したい。」と思うようになりました。そういった想いを確かなものにするため、そしてどのように国際協力に携わっていきたいのか、必要なスキルや知識はどのようなものがあるのか等を明確にするため、インターンの参加を志望しました。

インターン期間中の業務

廃棄物管理能力向上コースの研修員たちによる課題分析ワークショップ

約2週間にわたるインターンシップでは主に、以前から関心の強かった「研修員受入事業」の見学とその補助に携わりました。研修員受入事業においては、受け入れの初期の段階から、帰国後に習得した知識や経験をどのように活かしていくのかを提示するAction Plan発表会、成果発表会、そして閉講式まで、研修の一連のプロセスを見学することができました。
他には、調査業務補助や開発教育支援事業の見学、草の根技術協力事業の見学、広報記事の作成などの業務に携わりました。調査業務補助においては、教育分野における新規の研修立ち上げに向けた現状把握、課題の情報収集にあたりました。JICA発行の報告書等を参考に、途上国の教育現場における現状の把握、教育の質の改善に向けた問題点の抽出などを行い、よりよい研修の実施に寄与できるよう分析に励みました。調査対象国の多くは、多民族国家であり、多文化が交錯した環境でした。そういった環境下ならではの規範や習慣によって、教育へのアクセスの分断や教育の質が向上できない状況が作り出されるのではないかと考えました。単純に教育機関の設置や生徒主体の授業の実施による解決法だけで改善されるものではないと疑問を持ち、問題意識を高めることができました。

インターンを通して感じたこと

インターン体験の総括を発表する吉松さん

インターンシップを通じて、学んだこと・得たことは3つあります。
1つ目に、「将来、国際協力の業界に進みたい!」という強い明確な自身の想いを感じ取ることができ、就職活動をする上で判断の指針となるものを定めることができたことです。
インターンでの経験から、国際協力の現場で「仕事をする」ということに対して、自分なりの解釈やそうでありたいとする理想・目標を描くことができたと思います。
2つ目に、これまで漠然と理解していたJICAの国内事業を、現場を通じて体感したことで、それぞれの事業の詳細な内容を理解することができたことです。各事業・プロジェクトには、多様な団体、組織、人々が関与しており、多くの関係者によって事業が実施されています。そして、それぞれの民間企業や関係省庁などは決して受動的でなく、自らの技術や経験を活かそうと非常に積極的に働きかけており、立場に関係なく「みんなで世界を変えていく」という大きな目標に向かって前進しているように感じられました。インターンを通じて、より広範囲に俯瞰して国際協力の現場を理解する力を得ることができたと思います。
3つ目に、このインターンシップは、仕事をするとはどういった意味を持つのかを改めて考えるきっかけを与えてくれたことです。JICAの業務内容は決して派手ではなく、事務作業がメインで、量もとても多いです。そういったデスクワークで忙しい日々の合間に、職員の方々は情報収集、勉強会を行っています。これは職員の1人1人に、プロジェクトの質を上げて途上国に貢献したい、少しでもいい研修を受けて帰国してもらいたい、という強い想いや目標があるからだと思いました。それぞれの想いを話すJICA職員の目はキラキラしていて、とても素敵でした。私にとって仕事をするとはどういった意味を持つのか、もう一度深く考えさせてくれる貴重な体験であったと思います。
このインターンシップの期間中には、JICA関西の職員の方々からお話を伺う機会を沢山いただきました。職員の方々は、日本、世界の様々な国・地域で、それぞれ異なる仕事・活動の経験を持ち、十人十色で、話が尽きませんでした。最後になりましたが、JICA関西の皆様に心から感謝しております。貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。

担当者からの一言

2週間のインターン、お疲れ様でした。吉松さんは、積極的で物怖じしない人だなという印象でした。とても勉強熱心で、わからないことはすぐに質問したり、こういうことをしてみたいという要望をはっきりと言ってくださったおかげで、とても内容の濃いインターンになったと思います。また、周囲の人ともすぐに仲良くなり、スタッフから名前を憶えてもらっていましたね。
インターンを通じて、国際協力を自分の仕事にしたいという確信を持ってもらえたことは大変嬉しいです。国際協力の仕事にはたくさんの種類があることは、インターンを経験した吉松さんならお分かりだと思いますので、ご自身に合った、吉松さんが一番光り輝く仕事を見つけていただければと思います。応援しています!