私がJICA関西でのインターンシップを志望した理由は、大きく2つあります。
まず1つが、自分が将来どのような形で国際協力に携わりたいのかを考えるためです。高校生の頃から開発途上国に関心があり、これまでもNGOでのインターンやボランティア活動に参加してきました。しかし、就職活動の時期が近づいても、「自分が将来どのように途上国と関わっていきたいのか」という問いに、明確な答えを出すことができませんでした。そこで、自身の将来の方向性を考える機会として、JICA関西でのインターンシップが最適であると考えました。
2つ目に、JICAが日本の国際協力においてどのような役割を担っているのかを知りたいと思ったためです。NGOでのインターンシップを通じて、NGOによる支援だけでは限界があるということを痛感し、NGO・民間企業・政府が協働することの重要性に気づきました。そこで、日本のODA事業を行っているJICAはどのような役割を担っているのか、またJICAとその他のアクターがいかに連携できるのかを学びたいと思いました。
・草の根技術協力案件の打ち合わせ同席
・研修員受入業務の補助
・高校生JICA関西訪問プログラムの補助
・JICA関西Facebook記事の作成
・開発教育支援イベントのアンケート取りまとめ補助
・JICAプラザ関西の展示資料作成
研修事業の一環で行ったセミナーの様子
作成したJICAプラザ関西の展示資料
私がこのインターンシップで学んだこととして、2点挙げられます。
1点目は、日本の国際協力の可能性を感じられたということです。インターンシップの一環として、草の根技術協力の案件や研修事業を見学させていただきました。そこでは、日本の優れた技術や知識を途上国の開発に活かしたいという思いを持った自治体や企業の方にたくさん出会いました。また、日本の技術や知識を積極的に吸収し、自国をどうにかして発展させたいと奮闘する途上国からの研修員の姿がありました。インターンシップ期間中に参加した「環インド洋経済圏 貿易・投資フォーラム」では、日本の企業と途上国の人たちの熱気を肌で感じ、日本にある豊富な人材や技術をもっと世界に広めていきたいと強く思いました。
2点目は、国際協力におけるJICAの役割を理解できたということです。草の根技術協力や研修員受入事業への参加を通して、JICAは国際協力に携わりたい人に様々な機会を提供しているのだと知りました。草の根技術協力の打ち合わせにおいて、「支援先の国の発展に本当に貢献できるのか」という点を重要視していたことが印象的でした。開発途上国での持続可能な開発を行うためにも、JICAの存在は重要なのだと思いました。また、JICAは途上国の発展に寄与するだけではなく、日本社会にも影響を与えているということを感じました。一般の方を対象としたイベントの補助やJICAプラザ関西の展示資料作成などもさせていただき、そこでは一般の方が国際協力を身近に感じられる工夫が凝らされていました。より多くの人が海外に目を向けるようになれば、日本の社会ももっと活発になるのではないかと思い、これまで以上にJICAが行っているイベントの意義を感じるようになりました。
私が今回のインターンで学んだことは、将来どのように国際協力に携わるのかを考えるうえで非常に活きると考えています。これまでNGOからのアプローチのみを見ていた私にとって、日本のODAからの視点を得られたことは、私の国際協力に対する考えを大きく広げました。また、日本で多くの企業や自治体が途上国に進出したいという思いを持っていること、そして途上国の人々が日本の技術を必要としていることを実感したことも、大きな収穫でした。まだ、具体的にどこで働きたいかまでは決まっていませんが、日本にとっても途上国にとっても有益な国際協力の形を模索していきたいと考えています。
植田さんがインターンを行った市民参加協力課は、草の根技術協力事業、ボランティア事業(青年海外協力隊等)、開発教育支援事業、広報イベント等、様々な市民参加協力事業を担当している部署です。また、各県に窓口を構える国際協力推進員もこの課に属しています。植田さんには、JICA内外の様々な関係者との出会いを通じて、JICAの国内事業を広く垣間見ていただくべく、色々な研修や打合せに同席してもらいました。展示資料や広報記事の作成などの業務の補助にもいきいきと取り組んでいただき、JICAスタッフも元気をもらったのではないかと思います。ODAの意義や必要性についても考えていただく機会になったと思いますので、今後のますますのご活躍を期待しています。