氏名:Ms. Yeliz TEKER(イェリスさん)
研修名:学校を中心とした防災能力向上研修
研修期間:2016年6月28日-7月16日
Konnichiwa.
Hajimemashite. Watashi wa Yeliz desu. Kuni wa Toruku desu. Dozo yoroshiku onegai shimasu.
改めましてこんにちは。私の名前はイェリス ・テケールです。私はJICA研修にトルコのアンカラから参加しました。私は新しい国や新しい場所を発見し、異なる文化を学び、それらの素晴らしい体験を他の人に伝える事が自分の人生において大きな楽しみの一つになっています。言い換えると、新しい土地にすぐに馴染み、他の人々とすぐに打ち解けられることが私のお気に入りの特徴とも言えます。
私は現在、トルコ国家災害危機管理庁に地質技官として勤務しています。地質技官を自分のキャリアとして選んだ大きな理由として、自然への情熱と人間としての役割を感じた事が挙げられます。9年間の在職期間において、私は主に防災を研究し、国全体の防災計画や様々な防災/減災の教育・意識調査などを行い、これまで災害に対する様々な課題及び解決方法の提案を行い、成果を上げた事例もあることを誇りに思っています。
参加したワークショップの様子
私が参加したJICAプログラムでは、アゼルバイジャン、インド、ネパール、フィリピン、スリランカ、チリそしてトルコなど異なった国々から様々な分野の専門家が参加し、防災教育に関する活動の重要性を認識するだけではなく、途上国における成功事例など参加者が持つ知識を共有する場も設けられ、日本だけではなく多様な国の取組・考え方を学ぶことができました。さらに防災に限らず日本やそれぞれの国々のシステムや仕事のやり方などに慣れ親しむ機会を得られたことも良い経験でした。
宮城教育大学の関係者との記念写真
1995年に起きた阪神・淡路大震災は、新しい防災対策の適用や防災教育の促進など、日本の防災対策に対して大きな契機となり、この震災以降にこれらの防災活動が促進されたおかげで、日本の防災意識がますます高まったことを学びました。またプログラム期間で一番感動したことの一つに、自分自身の災害時の経験や記憶を語り部として博物館などの公共スペースで伝承活動をしているボランティアに会うことができたことが挙げられます。
日本では、個人や社会、関連組織が防災訓練など様々な防災活動に関与することを推進しており、世界を見ても他に例がない素晴らしい事例であると考えます。また他の先進的な取り組みとして、地域のボランティアで形成される防コミ(防災福祉コミュニティ)活動や、災害時などでは、その防コミを中心として地域の学校が安全な避難場所として機能する点が挙げられます。さらに研修期間中に、東日本大震災の被災地を訪問し、そこで行われている防災活動を視察する機会がありました。そこでは、被災後の迅速な復旧・復興と共に、次の災害に対して備える高い意識が醸成されていることを見ることができ、日本がいかにして防災を文化として根付かせることに成功しているか垣間見ることができました。そして最後に、人と防災未来センターなどに代表されるように過去の災害を記憶し、発信する防災博物館のような取り組みはとても印象深く、社会に防災・減災を促す成功事例の一つであると感じたことについても触れておきたいと思います。
姫路城のボランティア清掃の様子
災害への備えや知識不足で災害時に何をすべきかわからず、それが大きな被害をもたらすことは過去の災害で証明されており、災害時にどのように行動し対応すべきか個人及び家族が学ぶことで、これらの災害被害は最小限にとどめることができます。教育は自然災害と闘うための最も大きな道具であり、学校は防災意識の醸成、安全・安心な社会の構築のための最も重要な役割を果たしていると思います。また日本での事例のように学校教育において、生徒に対してボランティア活動を奨励することは、防災意識を高める上で別の重要な要素であるとも感じました。
日本はこれらの素晴らしい防災の取組を他の国々に対して胸を張って紹介できることには疑いようがなく、参加者全員がこのプログラムを通じて目からのうろこの経験を得ることができました。さらに日本で過ごした3週間で、日本人のライフスタイルの特徴も間近でみることができたことは、とても感慨深く、実りある経験でした。日本人は非常に仕事熱心で、時間に厳しく、おもてなしや他人を敬う精神が素晴らしく、これまで私が経験した中でも他に例がありません。私はこの経験を常に心に留め、友人や家族と共有したいと思います。
閉講式の様子
日本は世界の中でもとても有名な国であり、様々な素晴らしい象徴があります。例えば、侍、相撲、茶道、柔道や空手などの武道、折り紙、切り紙、そして桜などです。日本の文化において、桜は「新しい生命の誕生」と共に「避けられない終焉」の象徴であると学びました。日本文学において桜は生と死の一体感を表すことを知った際にとても感動したことを覚えています。最後に、この記事をこの美しい言葉で締めくくりたいと思います。
人生はコントラストに富んでいる。白と黒、善と悪、そして生と死など
日本とのつながりを継続し、防災分野においてさらなる連携が持てる事を期待しています。そして、最後にこのような素晴らしいプログラムを企画・運営したJICA関西、そして他のサポート頂いた皆様に感謝いたします。
Arigato Gozaimasu!
以上