帰国研修員のユーユーさん JDS奨学生として広島大学大学院で学んでいます

広島大学キャンパスにて

氏名: Ms. Yu Yu Htay 
(ユーユーさん、ミャンマー)
研修コース名:都市上水道維持管理(給・配水)(A)
研修期間:  2014年5月26日-2014年7月2日

2015年8月からJDS※奨学生として広島大学大学院で
都市開発計画を学んでいます。 

Assistant Engineer, Water Distribution Section, Water and Sanitation Department, Mandalay City Development Committee, Mandalay, Myanmar
(ミャンマー マンダレー市開発委員会 上水道衛生部給水課 アシスタントエンジニア)

ユーユーさんは、大阪市水道局を受入れ先として2014年5月26日〜7月2日に実施された「都市上水道維持管理(給・配水)(A)」コースに研修員として参加しました。 
そして2015年8月からJDS奨学生として広島大学大学院で都市開発計画を学んでいます。 私は研修監理員として2014年の研修で彼女に知り合いましたが、志を高く持ち、母国の発展のために再び日本で研究を続けるユーユーさんと再会でき、このように彼女についてご報告できることに、研修監理員として大きな喜びを感じています。

初めての日本はJICA研修員として

男性研修員に負けずにがんばったユーユーさん

都市上水道維持管理(給・配水)(A)研修は、住民に安心安全な水を如何に無駄なく届けるか、無収水や漏水をどうやって減らすかを学ぶためのコースで、座学に加えて漏水探査機を使って、どこから水が地中に漏れているか探ったり、給水パイプに穴を開けて分岐パイプをつないだりという実習も盛りだくさんなコースでした。
ユーユーさん以外は、現場でバリバリ指揮を執っているエンジニアたち。彼女は紅一点、まるで少女が一人紛れ込んだようで、最初に会った時は「この子本当に大丈夫かな」といった印象でした。
ところが実際は非常に頑張り屋で、他の研修員に負けずに何にでもチャレンジし、周りを驚かせることもしばしばでした。水道管から吹き上がる水を応急処置で止める実習をしたときは、水道管に開いた穴をゴム長靴を履いた足で抑えつつ、丸太を抱えてその穴に差し込むというハードな設定で、誰もが彼女は見ているだけだろうと思っていたのに、ためらうことなく丸太を抱えて果敢にトライ。
でもやっぱり水圧に負けてしまって水を止められず、それでも決してあきらめない姿に、水道局の人たちも他の研修員も皆がユーユーさんを助けて全員がビショビショになったしまったこともありました。

2回目の来日はJDS奨学生として広島大学大学院に

ユーユーさんの心の中には、いつも「国のために役に立ちたい、人々に安全な水を届けたい」という熱い思いがあふれているのだと思います。JICAのこの研修をきっかけに、日本の大学院でさらに学ぶことを選択し、今はJDSプログラムの奨学生として広島の大学院で修士論文の執筆に頑張っています。
彼女がJDS奨学生として来日した直後のブリーフィングを、偶然私がJICE※で担当することになりました。私は2015年度の同研修に参加のミャンマー研修員からユーユーさんの再来日について聞いていましたが、彼女は私がその場にいることをまったく知らなかったので、私を見つけるなり、ギャーってびっくりしていました。 とても感激した彼女はモニタリングを担当するJICEの職員に、大きな声で「横江さんは、私の日本のお母さんです!」と紹介してくれました。

ユーユーさんのミャンマーの人々への思いが形になりますように

国の人々のために尽くしたいという熱意が叶い、再び日本で学び始めたユーユーさん。 
JICAでも2015年に、「マンダレー市上水道整備計画」という支援プロジェクトが開始されました。日本が彼女の第二の故郷となって沢山のことを学び、それを活かしてマンダレー市の人々に安全な水が隈なく届けられる日が来ることを祈っています。

(研修監理員 横江要子)

JDS:人材育成奨学計画(The Project for Human Resource Development Scholarship)
当初は「Japanese Grant Aid for Human Resource Development Scholarship 」としていた経緯があり、略称は「JDS」。
JICE:一般財団法人日本国際協力センター(Japan International Cooperation Center); JDS実施代理機関