中南米で胡麻ビジネスの展開を

〜株式会社わだまんサイエンス 深堀社長に聞く〜

2013年4月19日

本社での深堀社長

全世界の日系人は260万人と推定されています。その内、中南米の日系人は155万人で、日系社会は技術移転等を通じて居住地の経済発展のために重要な役割を果たしてきました。
JICAは、日本の民間企業の技術・製品を中南米の発展に役立てる機会を模索し、現地の日系人や日系社会との協力関係を促進するため、「中南米民間連携調査団」の派遣を始めました。
第1回目(平成25年2月 ブラジルとパラグアイを訪問)に参加した、胡麻製品の企画・開発・販売を行う「株式会社わだまんサイエンス」(本社:京都)の深堀勝謙(ふかほり かつのり)社長にお話を伺いました。

日系人との協力

両国を訪問してみて、現地では日系の方々が活躍し、厚い信頼を得ていることがわかりました。また、帰国してから感じたのは、彼らの間では様々な情報が瞬時に伝わっているということです。誠実に向き合えば、必ず関係が広がります。現地でビジネスを展開するなら、日系の方と組まなくてはだめだと思いました。

応募のきっかけ

中南米に関心をもったきっかけは、2011年に起きた東日本大震災です。福島に支援に行ったときに出会い、京都に避難した方の中の一人がボリビア人でした。日本がボリビアから胡麻を輸入していることを伝えても、彼は自国が胡麻の産地であることや、胡麻を焙煎して食べることを知らなかったのです。そこで、現地で胡麻を加工して、おいしく食べる文化を作りたいと思い、この調査団に応募しました。

初めての中南米

パラグアイのスーパーの店長も気に入った胡麻製品

中南米に行くのは初めてでした。今回は、現地の商工会議所や日系人が経営する企業を訪問したり、大臣や日本大使にもお会いしたりすることができました。こんな機会はめったにありません。また、当社の胡麻製品を現地の方々に試食してもらい、大好評でした。
現地には、日本では考えられない躍動感がありました。ブラジルの人口は、1億9,000万人で、これから2億人を超えます。パラグアイは賃金が安く、若い人が大勢います。もちろん、治安・税金・労働者をとりまく環境等のリスクはあります。日本で当たり前のことが、現地では当たり前でないこともあります。しかし、これをリスクと考えるかビジネスチャンスと捉えるか。ここがポイントだと思います。

これからの展開

ブラジルで訪問した日本商工会議所

ブラジル・パラナ州クリチバの商工会議所の日系人の方が、「ここに工場をつくるなら、お手伝いします。」と言ってくれました。ありがたいことです。帰国してからも連絡を取り続けています。先日も、長野県にあるパラナ州日伯商工会議所の日本支社を紹介いただいたので、さっそく伺い、事業化について協議を始めました。
まずは、JICAの中小企業海外展開支援の調査スキームに応募して、クリチバで情報収集を行い、小さな工場を作りたい。次はパラグアイ、その次はボリビアに広げていきたい。これが私の3か年計画です。

応募を検討しているみなさんへ

ブラジルの街の様子

調査団のスケジュールは盛りだくさんで、いろいろな方とお会いできます。しかし、その分1か所の滞在時間が短いので、訪問先については事前に勉強しておくとよいでしょう。名刺は、2箱は必要です。私は途中で足りなくなり、現地で印刷してしのぎました。また、自社のアピール資料も大量に用意してください。現地語への翻訳が最適ですが、英語でも構いません。
この調査団は互いにビジネスを展開したいと思う人が集まる「ご縁をつくるチャンス」です。この経験を今後どう活かすかは、参加者次第だと思います。

KYOTOから世界へ

胡麻で世界が平和になるビジネス構築を目指しています。開発途上国で生産される胡麻と京都の企業を結び、ここから世界の食卓に広げていきたい。来週はカンボジアにも行って、地雷除去跡地で胡麻の栽培ができないかを視察する予定です。
過去には会社の倒産危機もありました。しかし、自分の欲のためではなく、人のためになることであれば、応援してくれる人が集まってきます。中南米での事業は必ず数年で成功すると確信しています。
このような機会を提供してくれたJICAに感謝します。