ウガンダの市場拡大を目指す〜サラヤ(株)がアルコール手指消毒剤で衛生向上に貢献〜

2013年9月24日

医療機関でも徹底されていない「手洗い」

ジュネーブ大学ピッテ教授、更家社長とWHOウガンダ事務所にて(右から2番目が北條室長)

「BOPビジネスとかソーシャルビジネスとか、そういう意識はありませんでした。」サラヤ株式会社(本社:大阪)海外事業部BOP推進室の北條室長は続けました。「病院における衛生は、どの国でも同じように必要です。その市場ができるタイミングを早める、もしくは市場を拡大する、それが自分達の仕事だと思います。啓もう活動を通じて現地で衛生の重要性に気づいてもらい、市場を大きくしているところです。」
サラヤは「世界の衛生・環境・健康に貢献」することを目的に自然派の衛生商品を扱う企業で、日本では「ヤシノミ洗剤」等の商品でもおなじみです。
ユニセフ(国連児童基金)のサポーター企業となり、自社にて「SARAYA100万人の手洗いプロジェクト」をウガンダにて開始したのが2010年。これをきっかけに、安全な水が充分ではないこの国で医療機関でも徹底されていない手洗いを、自社のアルコール手指消毒剤で進めることとしました。消毒剤の本格導入のため2011年のJICA協力準備調査(BOPビジネス連携促進)に応募、採択されてからは、ウガンダのモデル病院で啓もう活動や製品の受入調査を行っています。

患者からの”Thank you, Japan”

ゴンベ病院での手指消毒の様子

モデル病院の1つは、もともと青年海外協力隊が5S活動を行っており、保健衛生への意識も高いところ。ナースを対象に使い方や効果を説明してからだんだんと、ナースが自発的に患者や病院で彼らの世話している家族にも利用を勧めるようになりました。北條さんは言います。「こうして開発途上国の課題解決につながり、患者さんからも”Thank you, Japan”と握手を求められる。やっぱりこれがモチベーションになりますね。」
もちろん順調なことばかりではありません。例えば日によって病棟のベッドの位置が変わる。消毒剤は動線を考慮してベッドとベッドの間の壁に据え付けているのに、ボトルが患者の真上にきてしまったことも。それならと直接ベッドに固定すると病院から「邪魔だ」と言われたりと、苦労も絶えませんでした。

感染症会議で成果を発表

ウガンダで数十箇所を越えるサラヤ広告

そしてサラヤは2013年3月、ウガンダで「東アフリカ感染症会議」を主催。ウガンダだけでなく周辺のケニア、タンザニアからの参加者を前に、ウガンダのモデル病院からアルコール手指消毒剤の利用成果が発表されると、翌日の新聞にはウガンダ保健省次官の「全国の公立病院に普及させたい」との談話が掲載されました。更にはウガンダからは毎年の、ケニアからは自国での会議の開催要望も届いているところです。会場では啓蒙活動の一環として作成した「病院で手の消毒100%ダンス」ムービーも上映され、現地の有名パフォーマーの手洗いダンスを見た関係者から、自分達のところでも踊って欲しいとの依頼も舞い込みました。

現在は現地パートナーとともにウガンダでの現地生産を準備中です。衛生向上に貢献するサラヤの活動に、これからも注目していきたいと思います。

JICA関西 業務第1課 戸倉裕子