「ルワンダを雷から守る!」雷多発地帯で挑戦する関西企業 −音羽電機工業株式会社(兵庫県尼崎市)−

2017年10月11日

雷対策のトップシェア企業である音羽電機工業に、JICAの新人職員4名が訪問しました。
「企業が国際協力をおこなう意義とは?」「日本企業の強みとは?」を考えた訪問記をご覧ください。

神鳴り※1 (雷)を知る

雷テクノロジセンター 施設内展示

JICAの新人職員が音羽電機工業株式会社を訪問しました。同社が提案した「ルワンダ共和国における雷害対策の技術移転のための案件化調査」は今年6月、JICAによる中小企業海外展開支援事業として採択されました。今回の訪問では、音羽電機工業の強みや、同案件化調査を行うことになった経緯、途上国の抱える雷害状況等についてうかがいました。

※1 科学で雷の構造が解明される以前、人は雷を神が怒ったために発生するものだと信じていたそうです。

音羽電機工業と途上国

音羽電機工業で研修を受けるルワンダ人留学生

音羽電機工業株式会社は雷被害対策の総合メーカーとして、主力である誘導雷対策用の避雷器(アレスタ)の製造・販売及び雷対策のコンサルティングを最大の特徴とし、グループ会社には、避雷針に代表される直撃雷防護システムの製造や設置工事までを請け負っています。これまでアフリカでのビジネスは行っていなかったのですが、インターンシップに来たルワンダ人留学生からルワンダの雷被害の多さを聞き、早速現地を訪問。ルワンダは世界的にも雷の発生が多く、落雷による人的被害やPC、通信機器の破損等の物的被害が頻発しており、雷害対策の必要性に迫られていることが分かりました。「ルワンダの雷被害を減らしたい」という思いのもと、その後も現地調査を重ね、今回のJICA事業の採択に至りました。今回の事業では、現地政府と協力し、ルワンダに雷害対策技術を伝えることをめざしています。

途上国に寄り添うということ

施設内展示を案内して頂きました。

途上国の雷害対策を日本の企業が行う意義はどこにあるのでしょうか。実際、途上国に対して雷害対策の製品を販売している海外の企業は少なからず存在します。しかしながら、避雷器の品質に問題はなくても、その部品を適切な位置に設置する知識の移転までを行わず、途上国が避雷器の適切な管理を行えていないといった例も少なくないそうです。そうした国で、音羽電機工業のような日本の中小企業が、その国の課題に丁寧に寄り添いながら日本の知識や技術を伝え、途上国が自分の抱える課題を持続的に解決できるよう支援していくことはとても重要なのです。

訪問を通して

吉田修取締役社長とのお写真。ありがとうございました。

今回の訪問で私たち新人職員は、施設内展示の見学もさせてもらいました。音羽電機工業の強みである高密度の酸化亜鉛素子※2 の実物や、模擬的な落雷実験の様子を観察し、人々の快適な暮らしを陰で支える日本の技術の奥深さを知るとともに、音羽電機工業の皆様が持つ雷への愛や雷害対策への熱意を知りました。
日本の知識と技術のダイナミズムを最大限に広げるために、私たちもJICA 職員として日本の中小企業と協働して多くのプロジェクトを立ち上げていきたいと思うようになりました。

※2 酸化亜鉛に数種類の微量添加物を混合したものを成形して、高温で焼結させたセラミックスデバイス。避雷器の心臓部にあたる素材。

また、音羽電機工業では、一般の方からの雷写真コンテストへの参加募集(グランプリは賞金100万円!)や、雷ミュージアム(雷テクノロジセンター内)では一般見学も受け付けているそうです。それ以外にも、大阪科学技術館、兵庫県立ものづくり大学院内では、常設展示も行っています。
是非、ホームページをご覧ください。

記事作成:
伊藤 大介(資金協力業務部実施管理第一課)、宇佐美 幹(南アジア部南アジア第一課)、金田 端希(審査部信用力審査課)、山城 舜太郎(国際緊急援助隊事務局緊急援助第一課)