姫路西高等学校ネリカ米の収穫と米ゲル作り

2018年2月14日

ネリカ米(NERICA)とは、New Rice for Africa-アフリカのための新しい米—の略称で、病気や乾燥に強いアフリカ稲と高収量のアジア稲を交雑し、アフリカ各地の自然条件に適合するように開発された様々な品種の総称です。
「ネリカ米を利用したスーダンでの農業支援」をテーマとして研究を行っている兵庫県立姫路西高等学校2年生のプロジェクトメンバー6人(上柳柊斗さん、白石恭梧さん、新田健太さん、芝田優里さん、三村紗也香さん、上山美遊さん)を再訪し、ネリカ米作付け後の様子を伺いました。

自然の力を実感するネリカ米栽培

収穫できたネリカ米

生い茂るネリカ米のいなほ

2017年の夏前に作付けしたネリカ米は9月末の収穫を見込んでいました。しかし、ご存知のとおり、2017年9月は大型台風が日本に上陸した時期です。そのため、収穫タイミングを早めることにしました。収穫後に精米し、最終的な収量は4~5合でしたが、「収穫を遅くしていたら全滅していた。適切な判断だった。」と振り返ります。

収穫後は乾燥

防鳥ネットも完備

ちなみに、栽培に当たってはスーダンの環境や土壌の水分の保持を考慮して準備した3種類の生育方法、(1)ポリバケツ畑、(2)土の下にブルーシートを張った畑、(3)素の地面を耕した畑、に加えて、地域の農業センターに協力してもらい、(4)プランター畑、でも栽培を試みました。ところが、良く稲が育ったのは(2)と(3)の地面を耕して作付けしたケースで、「変に手を加えずに自然な環境の方がうまくいった・・・」と自然の力を実感することに。もちろん、いなほが出てきた際にはネットを張って、鳥被害を回避することができ、昨年の先輩方の無念をしっかり晴らしました!

米ゲル作りも一筋縄でない

様々な水分量を検討

ネリカ米をすりつぶします

次は、収穫したネリカ米から米ゲルを作ります。米ゲルは、(1)米を炊飯、(2)炊飯後の米に水を加えてすりつぶし、半固形状にする、(3)ミキサー等でゼリー状になるまで細かくすりつぶしてゲル化する、(4)冷蔵庫で冷却する、の4段階で作成します。
収穫したネリカ米で米ゲルを試作しましたが、炊飯時の水分量とすりつぶす際に加える水分量によって、できる米ゲルが大きく異なることが分かりました。ただ、収穫したネリカ米は限りがあります。そのため、類似の米を使って実験し、ネリカ米に適量となる水分量を調査することにしました。実験したのは、うるち米とタイ米。結果、うるち米に比べてタイ米の方がゲル化しやすいことが分かったため、タイ米を用いてネリカ米の水分量調査をすることになりました。
今後は、実験で作成した米ゲルを評価して、ネリカ米での米ゲル利用の可能性を検討します。その後、2018年2月の最終報告会に向けて、これまでの結果をまとめます。

ネリカ米プロジェクトを経験して

 プロジェクト終了までは少しプロジェクト期間が残っていますが、プロジェクトメンバーのみなさんにこれまでのネリカ米プロジェクトを通じての感想を伺いました。
プロジェクトのチームリーダーの上柳さんは「ネリカ米を栽培してみて、農業が天候に受ける影響を実感した。予想外のことも起こり、自然を相手にする仕事のすごさを知った。」と語ります。プロジェクトメンバーも、「初めて米の栽培に取り組み、お米を作る過程の大変さが分かった。(白石さん)」「ネリカ米栽培が思っていたよりも楽しかった。自宅でも家庭菜園をしてみたい。(新田さん)」「米を栽培する経験ができた。難しかったけど、楽しかった。(芝田さん)」「収穫したいなほを脱穀したら、思っていたより収穫量が少なかった。日頃食べているお米の量を作る大変さを実感した。(三村さん)」と、初めての体験を通して、途上国の課題解決に取り組むと同時に稲作農業のそのものの難しさにも気づきがあったようです。また、「ネリカ米で作った米ゲルで料理をしてみたが、思っていた以上に水分量で硬さの違いがあった。米ゲルの可能性を感じた。(上山さん)」、と米ゲル作りまで踏み込んだプロジェクトの挑戦にも手ごたえを感じています。

今後、姫路西高等学校のネリカ米プロジェクトはどの様に発展して行くのでしょうか。非常に楽しみです。
 
JICA関西 市民参加協力課 那須田智生