日本の水道ノウハウをスリランカへ 

~水道事業運営の効率化を支援するために名古屋市上下水道局・神戸市水道局と協定を締結~

2018年8月6日

          署名式の様子

 国際協力機構(JICA)は、2018年8月2日、スリランカの水道事業運営の効率化を支援するために、名古屋市上下水道局、神戸市水道局との間で、「名古屋市上下水道局、神戸市水道局及び独立行政法人国際協力機構地球環境部による技術協力プロジェクト実施に関する協定書」を締結しました。

 スリランカの水道普及率は、人口が集中しているコロンボ県では94.5%に達していますが、全国的にみると48.1%に留まっています。そのためスリランカ国家上下水道公社(National Water Supply and Drainage Board:NWSDB)は、アセットマネジメント(注1)の導入により水道施設の管理能力を強化し、事業費の適正な配分により施設整備・更新を効果的に推進したい考えです。
 また、NWSDBは、技術者(配管工)が管路の正しい施工手順を理解できておらず、施工監理者による管路の施工状況の確認も十分には行われていません。また漏水に対する対処能力も限られるため、無収水率は全国平均で約3割に上ります。無収水量を削減して安定的な水供給を行うためには管路の施工・維持管理技術の向上が必要です。

 そうした中、JICAはスリランカ政府との間で、技術協力プロジェクト「国家上下水道公社西部州南部地域事業運営能力向上プロジェクト」の実施に合意し、水道事業運営の効率化を支援するための協力を2018年9月1日より開始します。

 本プロジェクトでは、アセットマネジメントの先行事例を持ち、質の高い水道サービスを提供している日本の地方自治体の経験・知見を活用するため、事前の調査の段階から名古屋市、神戸市の協力を得てきました。プロジェクト開始後も、両事業体による専門家の派遣、NWSDB職員に対する日本国内での研修等を通し、管路に関するアセットマネジメントの導入、管路の施工・維持管理技術の強化に向けたパイロット活動、NWSDBの研修施設の整備、研修実施能力強化を行います。

(注1) アセットマネジメント:水道におけるアセットマネジメント(資産管理)とは、「水道ビジョンに掲げた持続可能な水道事業を実現するために、中長期的な視点に立ち、水道施設のライフサイクル全体にわたって効率的かつ効果的に水道施設を管理運営する体系化された実践活動」を指す(厚生労働省ホームページより)