日系研修 日本の洋菓子をブラジルに伝えたい

2019年3月7日

東さん(左)と石井 登志郎西宮市長(右)

 2018年5月から約10か月間にわたり、日系研修「菓子の製造・販売・商品開発」コースが、西宮市による受託のもと、株式会社シュゼット・ホールディングスにて実施され、ブラジルから、東 メリッサ 彩海さんが参加しました。本コースは、製菓企業で菓子製造の一連の業務を学び、ブラジル日系社会、また広くは南米諸国に持ち帰り、日本のスイーツの製品力や技術を広めて、日本への関心を高めることを目的として実施されました。

繊細で優しい味の洋菓子作りに憧れて

工場で研修する東さん

東研修員作のココナッツ味のフィナンシェ(左)とパッションフルーツを使ったパッションショコラ(右)

 ブラジル出身の東さんは、日本人の祖父母を持つ日系三世です。幼少期から洋菓子作りが大好きで、高校生の時には日系洋菓子店にてケーキ作り、販売をしていた経験もあります。「ブラジルにはない甘さ控えめのきれいなお菓子を作れるようになりたい」という思いから研修に参加しました。幼少期に日本に住んでいたことがある東さんは、日本語も堪能で研修や生活での日本人との会話などには苦労はなかったようです。それでも、日本語で書かれているテキストを読むことは難しく、漢字を辞書で調べて読み進めるということの連続でした。
 
 研修では、焼き菓子、生菓子の製造現場に立ち、一連の製造工程の業務を経験しました。機械化が進み、多種類のケーキを同時に作っている現場に始めは驚きましたが、各工程によって使われる器具も異なり、多くの機械や器具の使い方などの技術を学ぶことができました。
また、製造技術を学ぶだけでなく、衛生管理の徹底、工程管理の重要性など、たくさんのことを習得することができました。
「日本の洋菓子作りは、味にこだわるだけではなく、高品質かつ安全な商品をお客様に提供できるように、製造現場では様々な工夫や改善がされていました。」と話してくれました。

 研修成果発表会の時には、東さん制作の焼き菓子と生菓子を参加者全員で試食しました。ブラジル人が好むココナッツ味、ブラジルで手に入りやすいパッションフルーツを使い、見た目も華やかでおいしいお菓子でした。「ブラジル人の嗜好に合わせ、かつ入手しやすい材料で作れるものを開発した」ということでした。10か月間の研修で学んだ技術・知識がたくさん詰まった作品でした。

帰国後は、日本で学んだことをブラジルの人々に教える立場になりたい

研修を無事に終え、閉講式で記念撮影

 帰国後は、「洋菓子の専門知識をさらに深めるために専門学校に通い、将来は今回の研修で学んだことをブラジルの人々に教える立場になりたい」と語ってくれました。何事にも真摯に向き合い、学ぶ意欲が高い東さんの帰国後の活躍が楽しみです。