関西の6団体・個人が第15回JICA「理事長賞」を受賞しました

2019年10月23日

表彰式の集合写真

国際協力機構(JICA)では、毎年、国際協力事業を通じて開発途上国の人材育成や社会発展に多大な貢献をされた個人・団体に対し、その功績を讃え、表彰しています。

第15回を迎えた今年度は、58個人・団体に「JICA理事長賞」が授与され、2019年10月8日(火)に東京都内で表彰式が開催されました(於・JICA市ヶ谷ビル国際会議場)。

関西からは、以下のとおり3人及び3団体が受賞されました(五十音順)。受賞者・受賞団体の皆様に対し、これまで各分野の最前線において国際協力事業に貢献いただいたことに深く感謝すると共に、今後とも益々のご活躍をお祈りします。

<個人>(五十音順)

・加藤 寛 氏(公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構 兵庫県こころのケアセンター センター長)

加藤氏は、日本におけるトラウマ(心的外傷)治療の第一人者として約15年に亘り、災害や事故によるトラウマの治療に関するJICA研修に従事されました。JICAプロジェクト・研修を通じ、「こころのケア」は専門治療ではなく生活再建を基盤とした取り組み全般を指すものであり、社会全体で長い時間をかけて実行されるという点、また被災者の自己回復力を信じ、その回復力を高めることが重要である点を世界に発信していただいています。その成果として、チリでは災害時のメンタルヘルスのガイドライン、こころのケアマニュアルが定められるなど、日本の知見が他国で活用されています。

・永田 宏和 氏(特定非営利活動法人 プラス・アーツ 理事長)

永田氏は、阪神・淡路大震災の経験を「楽しく学ぶ防災教育」を通じて普及するためにNPO法人を設立し、10年以上に亘りJICAの研修事業や草の根技術協力に従事されました。神戸発の「楽しく学ぶ防災教育」はJICA研修事業等との連携により途上国に展開され、2015年にネパールで発生した大地震の後には同国で草の根技術協力を行い、防災教育の普及に貢献されました。

・日比野 純一 氏(特定非営利活動法人エフエムわいわい 理事)

日比野氏は、阪神・淡路大震災直後に多言語コミュニティラジオ放送局を設立、防災情報等の発信を続けてこられました。また、JICAと共に多言語音声素材集を作成し、10年以上にわたり研修・草の根技術協力事業に従事されました。JICA事業を通じて「地域防災の核としてのコミュニティラジオ」の経験を世界に発信し、特にインドネシアでは草の根技術協力において、情報通信災害ラジオ局を初めて制度化するなど貢献されました。

<団体>(五十音順)

・アジア防災センター

アジア防災センターは、約20年に亘り研修・専門家派遣を通じてJICAの防災分野の協力に従事されました。これまでに、69コース、860名の研修員を受け入れ、近年では地方防災計画策定の具体的な手順を初めて研修に取り込む等、JICAの防災研修の新たな展開をリードされました。アジアを中心として途上諸国への専門家派遣の経験を国内での研修に還元し、アジアを中心とした途上国の防災人材育成に貢献されました。

・学校法人 コンピュータ総合学園神戸情報大学院大学

コンピュータ総合学園神戸情報大学院大学は、ABEイニシアティブ留学生受入・中小企業支援・草の根技術協力等の様々なJICAの協力に参画されました。これまでにABEイニシアティブでは5年間で85名(25ヵ国)の長期研修を受け入れ、ABE生のインターンを契機に実施された中小企業支援事業への協力や、草の根技術協力により神戸市と共にルワンダIT人材育成に貢献されました。同大学が参画する神戸の産官学連携によるルワンダ支援は「国内連携のモデル事例」とされています。

・兵庫県災害医療センター

兵庫県災害医療センターは、阪神・淡路大震災の経験を基に自治体が設置する日本初の災害医療センターとして設立され、15年以上に亘り13ヶ国、200名以上を対象として災害医療に関するJICA研修に従事されました。中南米地域に対して行った災害医療に関する研修から、チリでは独自の災害派遣医療チームが設立される等、中南米地域の災害医療の能力強化に貢献されました。