【開催報告】SDGsで商いますます繁盛!~SDGs実践企業から学ぶ~

2019年11月22日

【画像】2019年11月8日、大阪商工会議所にて、JICA関西センターが事務局の一翼を担う関西SDGsプラットフォーム主催セミナー「SDGsで商いますます繁盛!~SDGs実践企業から学ぶ~」(共催:大阪商工会議所、関西経済連合会、協力:JICA関西、近畿経済産業局、関西広域連合)を開催しました。180名以上のご参加をいただき、会場は満員御礼。関西企業のSDGsへの関心の高さがうかがえました。

ますます高まる、SDGsへの関心

【画像】みなさんは、TVのニュースなどに映る民間企業の方が丸いSDGsバッジをつけているのを見たことがありますか?昨今、SDGs達成に向け民間企業の力が期待されており、関西でもSDGsに取り組む企業が増えてきています。一方で「何をすれば良いのか分からない」「CSRとどう違うの?」といった疑問をお持ちの方も多くいらっしゃいます。今回のセミナーでは、講演やパネルディスカッションを通して、企業がSDGsに取組む意義をご紹介しました。

企業にとって、SDGsにとりくむメリットは? 

りそな銀行 小坂副社長

関西SDGsプラットフォームリサーチチーム 仁尾氏(株式会社電通)

りそな銀行の小坂副社長からの基調講演では、SDGsの活用によって「企業イメージの向上」だけでなく「新たな事業機会の創出」にもつながる可能性があることをご紹介いただき、SDGsを経営に取り込むステップや、りそな銀行の取り組みについてもご説明いただきました。
さらに、関西SDGsプラットフォームリサーチチームの仁尾氏(株式会社電通)より、関西の企業に対して実施したアンケート結果をご報告いただきました。調査対象の企業のうち、約5割がSDGsを「将来のビジネスチャンス」および「ブランド力向上」につながると考えていること、大企業の3分の2が既に「新規事業開発に資する」と認識していることが分かりました。また、10代の若年層のSDGs認知度が高いという結果も紹介されました。
SDGsは企業イメージやブランド力の向上だけでなく、新たなビジネスチャンスにつながるという期待を感じている企業が多いようです。

こんなビジネスもSDGsにつながっています ~実践企業によるパネルディスカッション~

(左から)アーバンリサーチ萩原執行役員、デジタルクリエーション清水取締役、フクナガエンジニアリング古川執行役員

パネルディスカッションでは、大阪商工会議所国際部長の松本氏がモデレーターとなり、SDGsに取り組んでいる関西の中小企業3社から具体的な取り組みを紹介頂きました。廃棄予定の衣料から作った「マルチパーポスバッグ」という商品の開発によって、廃棄物の削減だけでなく障碍者の雇用、さらには売上アップにつながった株式会社アーバンリサーチ様、SDGsを経営方針の基盤とし、子育て中の女性クリエイターが活躍している株式会社デジタルクリエーション様、アフリカ人留学生インターンや外国人社員を活用し企業の成長につなげている株式会社フクナガエンジニアリング様と、三社三様の取り組みが紹介されました。
それぞれの取組に共通していたのは、「SDGsに取り組もう!」と意識的に活動したわけではなく、社会の課題やニーズをとらえ、できることから取り組んだ結果、ビジネスチャンスにつながったということでした。目新しい取り組みをすることだけがSDGsではなく、小さなことからでも具体的な行動を起こすことが成果につながっていくのかもしれません。

GOAL17「パートナーシップ」がSDGs推進のカギ

【画像】社内外のリソースをうまく活用されたことも、パネルディスカッションの3社に共通するポイントでした。そこで、SDGsへ取り組む企業を支援する制度として、近畿経済産業局からは事業承継や健康経営の制度、大阪商工会議所からは自社のSDGsへの取組状況をチェックできる「SDGs診断」ページ、JICAからはSDGsビジネス支援制度などをご紹介しました。

SDGsが社会貢献だけでなく、商売繁盛にもつながることが期待できるイベントとなりました。
関西SDGsプラットフォームおよびJICA関西では、今後も引き続き関西でのSDGsの推進に取り組んでいきます。

(企業連携課 小西陽子)