TICAD直前! マチャコスのランニング・イベント“Elimisha Dada Race 2016”をJICAボランティアらがサポート

2016年7月2日

2016年7月2日、首都ナイロビから南東へ65キロメートル、マチャコスという町でランニング・イベントが開催されました。これは、マチャコス地域にある団体“Light of Hope Youth Initiative”(LOHI)が企画し、独立行政法人日本スポーツ振興センターと共催したものです。JICAは同地域に青年海外協力隊などを派遣しており、LOHIと協働を進めていた永井春奈隊員(平成26年度1次隊、コミュニティ開発)が両団体を仲介し、日本とケニアの橋渡し役となりました。

永井春奈隊員とLOHIの協働

LOHIはマチャコス地域を拠点に、女子生徒が通学できるようにサポートすることを目的とした団体です。主な活動として、生理用品の無償配布を実施してきました。中核スタッフは3名程度ですが、イギリス人、アメリカ人、ケニア人らのボランティアが頻繁に出入りしており、地域活性化に携わる若者の活動拠点の一つになっています。

永井隊員は配属先(マチャコス農務官事務所)の理解を得ながら、同団体との協働を開始しました。生理用品に関しては、今まで逐一学校を訪問し、直接手渡しで学生に生理用品を渡すという活動に協力してきました。手渡しの際に、学校側から2時間ほどの時間枠が与えられるので、性教育、HIV教育、ドラッグ乱用についての教育、啓発の機会としてきました。この活動に関して、永井隊員は時間的余裕がある時に同行するスタンスをとってきました。

もともと永井隊員はマチャコスで農業と障害者支援に携わっていました。2015年10月、同団体から協働を持ちかけられたことを契機とし、障害者グループが作った巾着を、生理用品と一緒に学生に配布するという取組みをLOHIとともに始めました。障害者支援は永井隊員が舵をとりLOHIが協力する、女子生徒支援はLOHIが舵をとり永井隊員が協力するという、相互に協力し合う関係にあります。

現在、永井隊員はほぼ毎日、LOHI事務所を訪問しています。その一方、永井隊員は障害者グループに対しても地元で手に入る布を使い、アクセサリーやヘアバンド等のハンドクラフト製作の指導を継続してきました。今回のランニング・イベントの主催者であるLOHIを支援することで、その収益の一部で巾着を発注し、自身の支援している障害者グループにも間接的にメリットがあるようにしたいと考えました。彼女の考えは、日頃の協働で築いた信頼により、LOHIからも賛同を得ることができました。

日本とケニアの橋渡し

「ハルナ、女性への教育をテーマにしたランニング・イベントを実現できないだろうか?」

2016年4月、LOHIから永井隊員が受けた打診は唐突なものでした。様々な可能性を探る中で、「スポーツ・フォー・トゥモロー(注)」プログラムの一環として日本スポーツ振興センターがイベントの共催を決定してくれました。さらにイベントの実施にあたって、「つくば国際スポーツアカデミー(筑波大学が実施するアカデミー事業)」からインクルーシブ・スポーツの専門家の協力もあり、「なないろ駅伝」というタスキリレーを行うことで、永井隊員が支援している障害者もイベントを楽しむことができました。

(注)スポーツ・フォー・トゥモロー(SPORT FOR TOMORROW)
2014年から2020年までの7年間で開発途上国を始めとする100カ国以上・1000万人以上を対象に、日本国政府が推進するスポーツを通じた国際貢献事業。世界のよりよい未来をめざし、スポーツの価値を伝え、オリンピック・パラリンピック・ムーブメントをあらゆる世代の人々に広げていく取組み。現在、この取組みに賛同するスポーツ競技団体・民間企業・NGOなど200団体以上でスポーツ・フォー・トゥモロー・コンソーシアムを形成している。

JICAケニア事務所の協賛、派遣中ボランティアの賛同

JICAケニア事務所は、永井隊員の活動を支援する目的で、このイベントの協賛団体の一つとなりました。JICA関係者を対象とした参加勧奨、ナイロビからマチャコスまでの移動手段の提供、参加賞の提供、大会運営の補助などに取り組みました。

また、永井隊員の求めに応じて、派遣中の青年海外協力隊員、シニア海外ボランティアがこのイベントを盛り上げました。イベント当日、34名のJICA関係者が参加し、ある者は日本文化紹介、指圧マッサージの体験コーナーの運営に、またある者はランニング競技の運営に携わりました。マチャコス地域に派遣されている青年海外協力隊は永井隊員のみであり、このイベントに協力した者は、いずれも永井隊員の呼びかけに賛同し、自主的に駆けつけてくれた仲間たちでした。

翌月に控えたTICAD VI(第6回アフリカ開発会議)を知ってもらう機会にも

イベント当日は、10キロメートルマラソンで多くのランナーがマチャコスの町を走り抜けました。また、「なないろ駅伝」でより多くの参加者が、メイン会場となったマチャコス大学のグラウンドでタスキリレーを行ないました。今回、参加者がつないだタスキは永井隊員が協働している障害者グループの方々が作ったものでした。天候に恵まれ、1200名を超える参集者があり、多くの日本人も同イベントに参加し、日本とケニアの国際交流の場ともなりました。

翌月、8月27日から28日にかけて、TICAD VI(第6回アフリカ開発会議)がケニアの首都ナイロビで開催されます。これはアフリカのオーナーシップの高まりに応え、初めてアフリカ大陸で開催されるTICADとなります。TICADはアフリカの開発に対する日本の貢献、さらには日本の魅力をアフリカの人々、そして世界中に広く発信し、認識してもらう絶好の機会となりますが、今回のランニングイベントはTICADに先駆けた、日本とケニアの大規模な共同イベントとなりました。

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JICAケニア事務所からのゲストスピーチ、TICAD VIにも言及 Photo by Takeshi KUNO/JICA

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永井隊員の支援のもと、障害者グループが作ったハンドクラフト Photo by Takeshi KUNO/JICA

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指圧マッサージの体験コーナー Photo by Takeshi KUNO/JICA

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聴覚障害者に日本文化を紹介する永井隊員 Photo by Takeshi KUNO/JICA

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マチャコスの町を駆け抜けるランナーたち Photo by Takeshi KUNO/JICA

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インクルーシブ・スポーツを楽しむ障害者グループのメンバー Photo by Takeshi KUNO/JICA

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マチャコスに「なないろ」の虹をかけました Photo by Takeshi KUNO/JICA

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多くのJICA関係者が永井隊員をサポートしました Photo by Takeshi KUNO/JICA